沖縄インターハイ終了。
いやぁ、「忘れたくても思い出せない」くらい予想もしない展開でした。
暑さ・紫外線対策を万全にして行ったのですが、それほど暑い日はなく、風、波、そしてスコールの熱烈な歓迎を受けました。
結果から言えば、
- 準々決勝進出
という文言に間違いはありません。ただ、「準々決勝敗退」ではないところがもどかしい。
スコールと強風・波浪で開会式前の最後の配艇練習は、「乗艇禁止」となり、充分にレースへのチューニングができなかった中での予選。順当に行けば優勝候補の一角のK府の選手を中心としたレース展開が予想されていたわけですが、その1位とは2艇身、2位とは1艇身差で500mを3位通過。5艇中3位までが準々決勝に上がれるという、「3杯上がり」のレースでしたから、750mで4位とは2艇身差でそのまま行けると思ったのですが、ズルズルと後退し、0.27秒で逆転を許し4着でゴール。翌日の敗者復活戦回りに。
敗者復活戦でも、持ち味を充分出せないまま、またも後半逆転され2着でかろうじて上がり。2着の1番タイムという面倒な組み合わせになり、レースの反省と次への課題を、1時間半かけてミーティングしました。
で、翌日。なんと、台風の影響でその準々決勝のレースそのものがなくなりました。男女計48レースが幻に。予選の各レースの1着、2着となった18または20クルーによって準決勝から競技を続行するという次善策。順位を決めるためには準決勝を行う必要があり、その準決勝に出漕する18または20クルーを何か公平な基準で選ぶ必要があったわけです。故に、予選では3着で通過し、準々決勝に進んでいた者も、敗者復活戦に回り、復調して準々決勝に駒を進めた者も、次のレースで漕ぐことはできませんでした。文字通り、涙を呑んだ結果となったわけです。
初出場の自チームにとっても、こういった形で「インターハイ」の洗礼を受けられたのは幸運だったと思います。結果としてレースのなかった最終日前夜のミーティングで選手に話したのは、次のようなことでした。
- 今回、準々決勝が行われなかったために、その時点で引退が決まってしまう3年生もいる。中には、「予選は3位まで通過できるという競技規則なのだったら、予選3位の者には次のレースを漕ぐ正当な権利がある。何故、それを認めないのか?」と思う者もいるかも知れない。でも、やはり、競技スポーツである以上、大事なことを忘れてはいけない。それは、「インターハイはチャンピオンを決める大会」であり、「1位以外は、2位だろうと3位だろうとそのレースで負けているのだ」という事実の重さである。そのレースで、誰よりも早くゴールラインを切ることを競うスポーツなのだから。1位を争うレースをした2杯に次のチャンスを与えるのはまっとうな判断である。今回、ざーっと見た範囲で、3位で予選を通過したクルーの中で、0.06秒差で準決勝で漕ぐ権利を逃したクルーが2クルーある。他のレースで1着になったところよりも速いタイムでゴールしているのを見たりしたら、そのクルーは当然悔しく思うだろう。でも、並行競技で、レースが違えば、コンディションも大きく違う以上、タイムというのは着順に比べれば優先順位は低い。だから余計に悔しい。その悔しさを想像できるか?自分の悔しさと比べてみなさい。
どの程度、心が動いたかは、地元に帰ってからの練習でわかるでしょう。
今回、予選で激戦となった厳しい組み合わせは確かにありました。
その予選の1着は順位決定戦に進み、その予選の2着は決勝戦に進んだものもあり、極めてハイレベルな戦いが行われていたことは想像に難くありません。でも、決勝に進んだのが2着の方だったことでも推察できるように、順位は順位、予選は予選です。レースで徐々に調子を上げていくことが可能なのは、静水のレーンで、気象条件が良好という「理想的な」環境に限られます。何があるか分からない、何が起こってもそれに対応する、という「心」の強さが、本来の「身体」の強さを引き出すのでしょう。
全てのレースを見られたわけではありませんが、準決勝、決勝を見て、「勝つクルー」で印象に残ったのは、女子4X+の安定感、女子2Xの加速、男子2X の力強さ。そして、なんと言っても、男子4X+の「本気モード」でスイッチが入った漕ぎでした。zoneなどと言うのは簡単ですが、準決勝までとは別人のような集中とリラックスを見せた勝利でした。
私自身も悔しさを噛みしめるために、2便に分けて宿舎に戻るバスの第2便にして、会場で表彰式をみていました。
宿舎に帰っての最後の夜は交流BBQ大会。
優勝チームの凱旋で、まずは盛り上がり。
三線による演奏と歌唱を披露してくれた宿舎の方々をバックに、選手たちは歌い、踊り、泳いでいました。
睡魔が襲ってきましたので、沖縄最終日のバタバタはまた次の更新で。
本日のBGM: Bring it on home to me (Bo Gumbos)