Training Specification

0限からリスニング。
センター試験のレベルではなく、語彙がコントロールされている素材で同じように精聴ができるかを問うために、アルクの『究極の…』の1000語レベルをやろうと思ったのだが、パソコンで認識せず、教室に備品でおいてあるCDデッキ3台のうち2台も認識せず、かろうじて1台だけ読めたので、モノローグというかexpositoryなパッセージを流す。100語/分くらいのスピードで朗読としてはクオリティが低い。この教材は、語彙はコントロールしてあるのだが、素材文も音源もバラ付きが大きいので、トレーニングの精度で問題が出てくるように思う。コンセプトがいいだけに残念。学級文庫には『ぜったい音読』やNHKブックス以外でも音源とスクリプト付きの教材がいろいろあるので、それを活用すべし。
高3は引き続き「ポイント特講」。

急いで出張。
途中、街路樹の剪定なのか、一車線通行になっており渋滞。
2限から研究授業参観。
中2のTTの授業。おもしろかった。
歌に始まり、導入→全体→個人/グループ→全体へと進む大きな流れ。
ALTの話す英語を聞いていて、いくつか特徴的な音があったのでカナダの人かしらと思って、分科会の質疑応答で訊いたらそうだった。
日英での発想や文化の差異にどこまで踏み込むかは高校生でも難しいところだが、最後に指導助言者のコメントのなかでは、

  • J1→J2→E

という柳瀬和明氏の著作の話がでてきたので、僭越とは思ったが、より正確な情報を提供しておいた。もうひとつ指摘にあった、三角錐モデルの話は正直よくわからない。構成概念のレベルが揃っているようには思えず、ただ変数を増やして把握も評価もしにくくなりはしまいか。
さて、
授業を見て気になったのは、辞書。
生徒が持っている辞書はコントロールしていないとのこと。以下、私が38人のうちで見てわかったものだけあげておく。

  • 『ジーニアス(G4)』(大修館)、『新英和中』『トリム』『ライトハウス』(研究社)、『デイリーコンサイス』『ジュニアクラウン』(三省堂)、『アンカー』『ジュニアアンカー』(学研)、『ラーナーズプログレッシブ』(小学館)、『フェイバリット』『ニューホライズン』(東京書籍)、『チャレンジ』(ベネッセ)

英和は中〜上級辞書を持っている生徒が多いのに対して和英でそのレベルの辞書を持っているものはそれほど多くはなく、どちらかというと中学生用のジュニア版を持っている生徒は英和・和英のセットでという印象。『新英和中』など、箱のロゴを見る限りおそらく私が高校生の時の版であろう、という年季の入ったものを使っている生徒もいた。中学生が古書巡り、とは考えられないので親譲りということなのだろう。
表現系の授業では、教材研究の段階で生徒の使用する辞書を確認しておくのは極めて重要。辞書指定ではなく、教室に複数の辞書が存在するからこそ実現できる豊かさというものもあるのだ。

  • Aさん、あなたの辞書でこの語を引いてみて、そう○○ページの真ん中あたりにでてないかな?
  • B君、あなたの辞書だと、別の例文出ているよね?

などといって、苦手な生徒にも表現に意識を喚起し、個人から、クラス全体へと還元することができる。辞書の優劣を競ったり、品定めをすることが目的ではないので、教師の匙加減が重要であることは言うまでもないことだが。
出張から戻ってきて、7限は高1の今月の歌。
市販教材や研究授業では決して扱われないであろうThe Divine Comedyの曲。(使っている方がいましたら、是非ご連絡を。ワークシートの交換など致しましょう!)
約3分で頭の中に大いなる情景が拡がる名曲。こういう世界をことばで描けるようにしたいものだ。すごいぞ、ニール・ハノン!! 生徒には、「ニールに、『早く新作出して下さい。待ってます!』ってメール書こうか?」と唆しておいた。来週で教科書の課を終え、最後はスピーチ大会だな。
放課後は教頭に出張の報告がてら雑談。部活の心配をして頂いた。恐縮。
帰宅したら、珍しくYo-Yo Maではなく、ロストロポーヴィチがかかっていた。
夕飯は烏賊の刺身と肉じゃが。
烏賊が美味だったので、お燗をつける。究極か至高か、などどうでもよい至福の一時。
杜氏一人で酒造りがこれほどまでに変わるものかと驚く。蔵人のレベルも上がったということなのだろう。
我が身を振り返る。
明日は、海から湖への来訪者。
来月のOコーチのクリニックの前に思いきり身体を反応させることにトライしておきましょうか。

本日の晩酌:一品・短稈渡舟・純米吟醸・生(茨城県)
本日のBGM: そこから何が見えるだろうか(ハンバート ハンバート/『包帯クラブ』OST)