If you tolerate this, then your children will be next.

高2はPaul Robesonの後半生。グループごとにreading comprehension questionsを作成し、2クラス15班のコンペ。その中から、10組(約20)の質問をQ&Asのワークシートにまとめ、ペアワーク等練習出来るようにした。これで、週後半は班対校勝ち抜き戦とサマリー作成。総作業時間、生徒40分に対して私6時間。Will this really pay?
6月第2曲はManic Street Preachersの Let Robeson Sing。この曲の内容はシリアスなだけに、今回の読み物をあわせてやることで初めて意味がある気がする。歌の中で詩が引用されるLangston Hughesのことを白人だと思っている生徒も多かった。日本の英語教室ではMartin Luther King Jr.だけしか扱っていないのだろうか?ただ、若い人の耳は大したもので、引用の詩の朗読が授業中に一度だけ、ほんのちょっとしか聴いたことのないPaul Robesonのものであることはわかるのです。いかに、distinguishedな声の持ち主かということでしょう。時間があれば、映画Philadephiaの一節なども見せたい気がする。
高3ライティングは、narrative passage で絵をもとにしたstory telling。ドラフトをもとに、ピアフィードバックの導入。

まずは、本文中の名詞句の限定表現を<名詞は四角化で視覚化>の手法で確認。名詞の数と冠詞などの対応をチェックする。次に、<動詞の前ではとじかっこ>の手法で述語動詞、助動詞の時制、主語との呼応をチェック、最終段階は接続詞を丸で囲み、<主節+従属節>のつながりを見て、清書へ。新たな課題の前に、時を表す副詞節などの簡単なおさらいをハンドアウトにまとめて提示。さらに、分詞構文などを使いたがる傾向があるので、現在分詞と過去分詞の基本義を意味特性と絡めて解説。いつものことわざを二つ皮切りに、withの付帯状況までお決まりのパターン。新たな課題は "Jenkins' Story"。3コマ目の展開を自分で考え絵を描き、全体を物語るという課題。金曜日にどの程度の絵が仕上がっていることやら…。
同僚のK先生から、和歌山大学教授の江利川春雄氏の書かれた、中部英語教育学会紀要(2004年)の抜刷をいただいた。タイトルは『英語「戦略計画」の批判的考察』。全ての英語教師は読むべき内容であると確信。江利川氏は『新英語教育』(三友社出版)でも骨太の連載を書かれているが、この紀要においても単に示唆に富むだけでなく、『今こそ何とかしなければ』という想いをかき立てる内容となっている。江利川氏はこう結んでいる。

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「戦略計画」は個々の点においても、全体を貫く教育思想においても、本来の公教育とは相いれない、また個々の手直しでは改善し得ない、重大な問題に満ちている。その内容と本質を熟慮することなく、「英語が使える」日本人の育成こそ任務であるとして敷かれたレールに乗ることは、たとえ主観的意図がどうであれ、公教育としての英語科教育を危機に陥れる行為であると筆者は考える。英語教員は、かつて経験したことのない語学教育の転換点に立たされていることを自覚し、まずは戦略計画をよく読み、討論し、自らの教育理念と教育実践とに照らしながら、今後の方向を模索しなければならない。(同紀要、p.327)

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You say strategy wins war and tactics wins battles. I do not need any war or battle at hand, though.