「ペリカーノジュニア」

本業の週末。
この週末は中国地区の強豪校が来月の全日本ジュニア(http://www.jara.or.jp/race/2008/2008junior.html)に備えて、2000mのレースをするために湖に集まった。3レーンとは言え直線で2000mブイが張ってあり、その地形の特徴から風が吹いても波が立ちにくいので、極めてコンディションに恵まれている。私自身この湖を見ていなければ、山口に引っ越して来ようとは思わなかっただろう。我がチームが地の利を活かすだけのチームになるのはいつの日か?
レースは約30分の間隔を空けて2本。3レーンの競漕。一本目の後に若干の指摘・指導を受けるだけで疲れているはずの2本目のパフォーマンスが向上するのが素晴らしい。大会本番ではライバルになるはずのチームが手の内も関係なく切磋琢磨しているのは感動的でさえある。
昼からは生憎の土砂降り。レースのためにカタマランを使っているので、自チームの練習は放牧。船台から時折指示を出す程度。一日中ずっと雨の中傘も差さず立っているのも辛いものだ。最後に加速のチェックをしたが、あまりよく分かっていないなぁ。頭を使わないと速くなれないのだが…。
全日本ジュニア参加組の午後はとっても良い練習をしていた。レース結果と同じで詳しくは内緒。
コーチ陣との反省会にお邪魔してご挨拶。凄い顔ぶれだ。
「吠えてたね。つられてこっちもつい熱くなってしまった。」
とO氏に言われて、状況説明。掃除機のコードリールの比喩よりも、巻き尺の比喩の方がいいとの結論(?)に。ボート談義に花が咲くのは愉しい。
倫太郎さん主催のオフ会が遙か表参道で開かれていたようなのだが、盛り上がりの最中、「話がしたい」とのメールが届いたので、携帯でお話しすることに。思わぬところで繋がりが拡がっていた。縁を大事にしたい。(そういえば「えにし」も随分食べに行ってない。「特塩でチャーシューをササミに替えてお願いします!」っていうのが好きでした。お薦めです。)
明けて日曜は人が集まらず、小雨ぱらつく中エルゴでレースペース1000m。ところがところが、レースペースにならない。男子でAvg. が2’00”などというシミュレーションにもならないていたらく。前日トップレベルの選手たちと一日同じ水域で練習しているのだから、刺激を受けて欲しいのだが…。まあ、彼我の差に凹んでもいられない。選手のパフォーマンスがお粗末と言うことはコーチの普段の指導がお粗末ということ。練習後自宅で採点も終え、学級文庫のリスト整理で別役実の『淋しいおさかな 別役実童話集』(三一書房、1973年)を開いたのだが、冒頭の「煙突のある電車」で身につまされる。確かにお客さんに乗ってもらわなければ、電車は走り続けられないし、存在価値がないのだ。
気分を変えたくて、『舶来文学柴田商店』(柴田元幸、新書館、1997年)にスイッチ。少し心の風通しがよくなる。現実逃避か自己満足か。
ニュースでは、教育再生懇談会が、小中高の到達度目標と、英語教師を採用する際の英語力の資格としてTOEICを、などという愚行愚策の提言。TOEICが「世界水準」とか「世界標準」という世論を惑わす形容はなんとかして欲しい。まだ、CEFRに準じた基準を設定した方がいいだろうに。TOEICを受けていなければ、やれ「英語ができないのが露呈するのを忌避して試験を受けていないのだ」と罵られ、受験して高得点を取ったら取ったで、「TOEICのスコアがいくら高くても実際の英語の運用力がない」と叩かれる。カフカ的スタンスに立ちたい気持ちはやまやまだが、現職の英語教師に英語力があるとは認めたくない「世論」では「物言えばなんとやら」だ。世間には現在の英語教師よりも英語ができる人たちが五万といるのだろうから、そういう人に教師になってもらえるよう、教育という職業全体のイメージアップキャンペーンに取り組んだ方が健康的だろうに。大規模TOEIC導入に伴って、内需拡大でも目論んでいるのか?まさかね。文科省は産学官の協同でも何でも、一日も早く「自前の」英語力指標の開発にこそ着手すべきだ。昨年の英授研で文科省のK氏にCan-do listやbenchmarksなどの到達度目標設定について、進捗状況を伺うフリをして、早急な検討をお願いして以来、いろいろ動きがあったと耳にしていたのだが、なかなか表には見えてこないのがもどかしい。
シブケンのブログに万年筆の写真がアップされていた。一流は一流を知るということだな。さてさて、私は…。
週明けは0限から。

本日のBGM: I was there (Rickie Lee Jones)