”Stolen Moments”

連休の谷間の出口を無事通過。滑落はせず。
ただし、伊藤華英選手の呟き経由で届いた訃報のショックは大きかった。呟きをフォローしている北島康介選手の声にならない声を聞いたような気がした。
Alexander Dale Oen
昨年の世界王者。ロンドン五輪でも金メダルの最有力候補と目されていた26歳。
競技も異なり、レベルも異なるのだが、若くして逝ってしまった身近なアスリートのことが思い起こされた。
授業時間割を動かしてもらい、コマ数を確保。今週はこの曜日にしかない科目は、理由の如何を問わず、つぶしてもらっては困るのだ。そのために、前時に課題を与え、解説の準備をし、新たな課題を用意しているのだから。
商業科2年は、新しい教科書からワークシートを作成し、配布。連休中の課題を指示。指示の理解を確認し、念を押す。
ニュース記事の写真をA3に拡大コピーしたものをマグネットで黒板に貼る。
3枚の写真。

  • 1枚目は、オーエン選手。昨年の世界選手権で表彰台の中央に立つ姿。
  • 2枚目は、ネクタイを直すしぐさに似合わぬ、厳つい顔をした男。
  • 3枚目は、窓やドアが粉々に吹き飛んだ、残骸にも見えるビル。

簡単にコメントを加え、世界と地続きでいることの意味を問う。
BBCのまとめたオーエン選手のエピソード記事のコピーを向学心のある生徒のために10枚ほど用意。
Obituaryやbiographyは東京時代から私のライティング指導での定番ではあったが、この話題はちょっと指導できそうにありません。授業の本題に移るので、写真を外し、真ん中の男の写真だけはクシャクシャに丸めて、屑籠へ。

教科書の英文は音読で仕上げ。
まずは、記号付けや発音の書き込みのあるセクションとまっさらな音読三昧のセクションとを行ったり来たりで、自分の中に英語の音があるか確認。それが済んだら、「動詞抜き」セクションの音読、「名詞抜き」セクションの音読。上手くいかないところは、最初の記号付けのセクションまでわざわざ戻って、修正を加えてから、再度「動詞抜き」「名詞抜き」。
ここまでやってから、「対面リピート」。
今回のポイントは、チャンクと糊代。

  • In the night sky, Mars is often brighter than other planets.

を単純にスラッシュで切って左から右に意味を取り、右から左へと積み上げながら音読を繰り返すのではなく、

  • other planets
  • brighter than other planets
  • Mars is often brighter
  • Mars is brighter than other planets
  • Mars is often brighter than other planets

というように、意味を考えて糊代を作りながらチャンクを拡げていく音読。

  • Are there other planets with life in the universe?

という文でも、

  • in the universe

はひとかたまりだが、それを拡げて

  • (?) life in the universe

はおかしいわけで、

  • planets with life
  • other planets with life
  • Are there planets in the universe?
  • Are there other planets in the universe?
  • Are there other planets with life in the universe?

というように積み上げてこそ初めて意味のある音読となるということ。
backward build-upというのは確かに効果的ですけれど、実際に授業で扱う時には、チャンクの切り出し方に注意を払わないと、単なる「猿真似」「鸚鵡返し」で終わります。
連休明けの課題を最後にもう一度確認して終了。

進学クラス高1は、発音と綴り字をまとめてから、『ぜったい音読』へ。
第一課を用いて、「教材の英文を生き直す」ということの具体例をいくつか。
「名詞は四角化で視覚化」「前置詞は名詞の前に置く詞」を導入。連休中の課題に。

高2は「作問」。
まだまだ甘いですね。いや、私の指導が。
今日は、

  • Why? を使った質問を作って安心できたら、Whyを使わずに同じことが問えるかを考える。
  • Whで問いを立てて、絞りきれないような時は、Yes / No の疑問文や、選択疑問、または、明らかにNoの答えが返ってくる、しかもその質問がヒントとなって、「では何なのか」が明確化するような質問で畳みかける。

という課題。切り口をいくつか示し、私の用意した質問を書き取る作業でお膳立ては終了。
連休中の課題に、ボブ・グリーンのコラムから1編。教科書で扱った内容・テーマに関連した話を抜き刷り。英語は学習者向けに書き直されてなどいないので、翻訳で該当の箇所がわかるように配慮。

高3ライティングは、ようやく「診断テスト」100題終了。
まだまだ、通過しただけ、体験しただけ。ここからが勉強でありトレーニングです。
今日強調したのは、

  • 過去進行形とwhenの共起での主節と従節の位置
  • 対比・対照を表すwhileで、本当の焦点は主節にあるのか、従節にあるのか?

触れば体温が感じられる用例、斬れば血の出る用例を生きること。
ホワイトボードを活用して、「覚える」作業と、「引き出す」作業を繰り返して下さい。

妻が友人を訪ねているので、夕飯は自分で済ませ、おつまみを仕入れて帰宅。

本日の晩酌: 若駒・純米吟醸・五百万石 55%精米・斗瓶取り生原酒 (栃木県)
本日のBGM: the rest of the dream (John Hiatt)