Sufficient unto the day is the evil thereof.

まもなく50万アクセス。
far from reader-friendly なこのブログを辛抱強く読んで頂いている方には心より感謝します。
普通科は実力テストで4限の監督のみ。
進学クラスは二年生のみで、7限。リスニングと音読とRead & Look upとシャドウイングと反訳と。今日はペアワークを一切用いず、自力で賄うことを求めました。ペアワークは相手の力量に依存・影響されるので、少人数クラスではマネジメントが難しいですね。私とできるようになれば苦労はないのですけれど。
空いた時間で本を読んだり、本を読んだり、本を読んだり。
過日、『英作文の実際的研究』 (開拓社、1973年) を読んでいて、その新装版が出ていることを知ったので、

  • 『αプラス 実力がつく英作文』 (開拓社、1987年)

を入手。「わずかではありましたが、用語の不適当や印刷の誤りなどを、できる限り訂正いたしました。」とあり、複数の著者による書籍の改訂という難しい作業を丁寧に行った執筆者の苦労が伺える。
偶然にも、この教材の著者代表と思しき、秋山敏氏を偲ぶ本が出ていることを知り、古書店で入手。
奥付には非売品とある。

  • 『秋山敏 その人と言葉』 (あぽろん社、1991年)

編集は同僚や教え子が中心になって行ったと思われる。秋山氏は工業高校の出身で、理系からの転向。外語大の前身、東京外国語学校で岩崎民平氏やメドレー氏に師事。在学中の昭和十四年に文検合格とある。秋山氏本人の生前の原稿に加え、寄稿者には、柴田徹士、渡辺均二らの名前も見られる。このお二人も、教材や辞書でしかお世話になってはいないので学恩と呼ぶのは憚られるが、受け止めて消化できるものがあることを嬉しく思った。
職員会議に合流し、終了後は仕事を片づけて帰宅。
空には満月。(たぶん)

夕飯は水餃子。
スープと一緒に菠薐草も茹でてみたのだが、この菠薐草が美味であった。以前、北浦和でよく買い求めていた有機無農薬の菠薐草の味わいを思い出した。この味わいに合うお酒も選んで晩酌。
娘は私が相手をしてくれないので不満そうな顔をしていたけれど…。
渡邊先生のtweetで友部正人の曲に触れていたので、それに関して返信したら、思わぬ反響があり私の方がびっくり。

今日読んだ、柴田氏の話で印象深かったところを引いて今日のエントリーを締めたいと思う。

  • 次のテクストを選ぶときに、秋山さんがヴァージニア・ウルフの『灯台へ』を候補にあげた。それまで英語の本はすべて英米版を使っていたが、この作品は沢村寅二郎注釈の研究社版があって手に入りやすい。この女流作家も有名になりかけていた。それで内容も知らずに賛成したが、私にとってはそれが重大な決定となった。ショー氏がどんどん読んでいく。我々がときどき質問をする。また、読み続ける。たいてい二、三十ページが一日の分量である。それは楽しい時間であった。今までの小説、いわゆるリアリズムの小説にないリアリティーがそこにあった。別世界の発見である。このテクストの選択が秋山さんの私に対する最大の恩恵であったろう。その開眼で私の研究方向は確定し、以後、五十年以上もウルフ読みが続いているのであるから。(「秋山敏---その人」、p.10)

本日の晩酌: 小左衛門・純米生・おり絡み・美濃産瑞浪錦 (岐阜県)
本日のBGM: すばらしいさよなら (友部正人)