連休明けの授業。
高1、高3、高2の順。
高1はスモールトークから。
「ゴールデンウィークが終わりました」の英訳へ。
しどろもどろです。(X) The Golden Week is finish. はまだましな方。
「放課後になりました。」、「授業が終わりました。」を英語で何というか?という問いから、
- School is over.
を引き出し、そこから The Golden Week is over. へ。先ほど出てきた、finishを取り上げ、「be動詞時制が決まればとじかっこ」、「一つの文に動詞は一つ」という合い言葉を確認し、finishはこの形のままではダメなことに気づかせ、-ingか-edかを選択。finishedに落ち着く。この段階では「過去分詞」という認識がない生徒も多く、
- The Golden Week is (go).
でのカッコの中の語を適切に活用させる時に、自信を持ってgoneとできないのが普通。
で、3つの表現を並べて解説し、同じ意味を表すのにも幾通りか方法があることを理解してもらう。
その後、基本動詞 “Come & go” の発想を指摘。
- Rain, rain go away/ Come again another day
を板書し音読。
その後、ディクテーションの導入。この活動ができるようになる発達段階、
- 聞こえない音の克服 (音の処理)
- 聞こえた音の意味の把握の克服 (意味の処理)
- 目標言語での保持 (リテンション)
を実感してもらうために、はじめから一段落通してのディクテーション。
話題をおおまかに掴むのは、繰り返されている語句などから比較的容易でも、主題の把握となると、きちんと聞けないとダメ。といって、最初から鷲づかみに聞けるわけではない。ところが、音を処理しようと躍起になっていると、意味の処理がおろそかになる。
という、ジレンマ、もどかしさ、じれったさを感じてもらうことから始まる授業です。過去ログでもさんざん指摘していますが、selective listeningを教師のお膳立てだけでやっていては聞き取りの力は付きません。
大学入試の読解問題で設問が与えられていれば、そこそこの時間で読めたつもりになっているけれど、設問が一切なくなったとたん急に読めなくなる受験生を見れば、そのような情報処理の練習の潜在的な欠陥が推測出来ようというものです。
1文を聞いて全体を貫く主題を推測、次の文でその修正、その次でまた修正、というインタラクティブな聞き取りができるためには結局は部分が聞けないとダメなのです。
- 教師から与えられた問題を解いて、その正解・不正解に一喜一憂するような学習から早く抜け出すこと。本当にやらなければならないのは、「英語そのもの」を学び・身に着け、「英語を使える」ようになることです。むしろ、何ができれば、何がわかればその英語が聞き取れたことになるのか、を自分で自分に問うことです。
と、高校1年生のうちから、先取り先取りと大学入試に向け難しい語彙・構文を仕込むのではなく、中学校レベルの語彙・構文で書かれた英文を、教師からの何のお膳立ても無しに聞き取りで処理できることを要求しています。
これは高2でも同じ。
高2はGWの過ごし方のインタビュー。
- How was your Golden Week?
- How did you spend your Golden Week?
まとまった1分間の話しで答えることを要求。
- Well, you know, などと4秒くらい場つなぎの表現を口にしている間に、まとまった反応を返すこと。
と言っていますが、当然のように、私の生徒ではうまく続きません。そこで、内容を引き出す質問を英語で投げかけ、それに対する答えを拾って返していきます。見た目には、内容がお披露目されたように感じられるのですが、本人がやらなければならないのは、まず全体の再構築、そして次に、どのような質問を与えられたことによってスピーチが形をなしたのか、意味をなしたのかを自力で辿り直すことです。freeということはindependentということでもあり、だからこそ、そこにはresponsibilityが付随するのです。
高3は、物語・小説の読解。基本はジェニーちゃんで導入済みですが、Story Grammarを確認し、実際に英文で検証。まずは英語人の頭の働かせ方を日本語を頼りに擬似的に追体験することです。英語で考えるのではなく、英語的に考える段階から。言動・出来事の事実と、感情・評価・意見の区別。感情表現や価値判断のプラス・マイナスの見極め、伏線の張り方などなど。良質の物語文が教科書から消えている昨今、昔のセンター第6問は格好の練習材料となる。設問を解く前に、英文を読み込んで一定の話型に習熟しておいて欲しいと切実に思う。高1で扱った「今月の歌」シリーズは、単なる応援歌とか、ラブソングというのではなく、いわば短編小説を読んでいると同様の効果を狙って選曲をしているので、話型のバリエーションを確認するつもりで歌ってみるといいのだけれど…。
午後には、クラブ活動の表彰と中国大会にコマを進めたクラブの壮行会。
放課後は会議の連続で本業の練習は見られず終い。
生徒一人一人のGW中の海外渡航の有無を把握するように、という県からのお達しが私学にもあったそうな。これは他県でも同じような扱いなので、国、厚労省や文科省からの指導か通達なのだろう。新型 (いわゆる豚インフルエンザ) 発生が確認された国から帰国した生徒は一律、一定期間出校停止にさせるなどという、いくらなんでも行き過ぎだろうと思うような指導もある。これは連休中お役所というか、偉い人が休みになって対応が手薄になるからその間は、じっとしておれ、ということなのか?
帰宅して夕飯を食べながら、某局のスペシャル番組を見る。ゲストはフィギュアスケート選手の浅田、安藤、織田、小塚の4選手。Kiss & Cryでも見られない笑顔など、スペシャル様々である。
本日のBGM: At last I am free (大村憲司)