”You could’ve been happier given the time.”

原稿の締め切りを3つ抱えているので、空き時間、休み時間も原稿のことに気が気でない日々。
うち2つは見通しがついたのだが、なかなかに心身をすり減らすものだ。
息抜きになるかと思った昨晩の『相棒』は、今ひとつの出来。余計なストレスに…。
普通科の授業は、日常会話で使われる「命令文」の形をとる表現をいくつか補充した後、接続詞へ。最初は等位接続詞の基本中の基本。andとor。and は上皿天秤ばかりの釣り合った絵を描いて、orはシーソーが傾ききった絵を描いて説明。両方とも成立するのがand、片方しか成立しない選択肢を提示するのがorという趣旨。そこから、<命令文, and ….>と<命令文, or ….>へ。この項目は未だに、「そうすれば」「さもなければ」という訳語で説明され、その違いを訳語で理解することを求められているのではないのか?そうではなく、ロジックが掴めることが肝心要のはず。(慣用句で言えば Live and let live. と Sink or swim. などを想起するとよく分かるのでは?)
進学クラスの2年は、『英文朗讀法大意』(青木常雄)からの抜粋で、イントネーション(抑揚)の概論。対応する疑問文を引き合いに出してのFalling intonationと弱形、省略の説明は目から鱗。「大学で音声学学びました」なんていうのが恥ずかしい。これぞ現場の目線。その後、キング牧師の演説を聴き、担当範囲の指定。
進学クラス1年は、『日本的英語の誤典』からの基本表現演習までは好調だったのだが、今月の歌の空所補充で「わかりません」という輩がいて、授業中断。分からないときに何ができるかを身につけることこそが授業なのだよ。Here & Now。karishimaさん、ひまいさんらの「イカソーメン」レポートをプリントにして配布。自分たちのクラスで行っている活動を他の人たちが行うとどのような評価なのかを知ることにも何か意義があろう。
仕切直しの今日は、仮定法。Ifには大きくわけて3タイプある、という概説。タイプ1の直説法の基本例文導入は、辞書・参考書の用例の話から。辞書は無駄を省くので、基本的に1用法1例文。クラス全員が同じ辞書を使っている最大のデメリットがここにある。”If it rains, we will put off our picnic.” という例文をとりあげ、「ピクニック」ってそんなにポピュラーな活動か?という問題提起。提示した用例は以下の通り。

  • Let’s go cycling if it doesn’t rain tomorrow.
  • If it rains tomorrow, the game will be put off.
  • We will start without you if you are not in time.
  • If I fail the test, I will have to take it again.
  • I’ll believe it if you show me some proof.
  • If you have any questions about computers, he’ll give you the answer.

共通点を観察認識させ、現実の時の流れと仮定の流れの二系統を図式。ヒントは、回転寿司、流し素麺。意味と形が確認できたら実感を込めて音読。
次時の理解確認では、

  • If we miss the last bus, we will have to walk home.

を使用する予定。
タイプ2がいわゆる「仮定法過去」。用語に惑わされないように、「叙想法」と言い換えても本質的な改善にはならない。生徒は新たな概念を覚えなければならない点では同じことだから。

  • If I won the lottery, I would buy a Ferrari.
  • If I was ten years younger, I would go out with him.
  • If he was my husband, I would divorce him.
  • What would happen to your children if you died in an accident?

の4つを用いて、過去へと「現実離れ」することを説明。次回は、

  • If I were you, ….

のパターンで、wereという固定した言い方と口語的なwasとを対比。午前の部、終了!
0限から時間割変更で7限に移ったOCだったが、一気に片を付けたかったので、タイプ3の説明。

  • If he had married Laura, he would have been unhappy.
  • If you had only listened to my advice, you wouldn’t have had so many problems.
  • If you had taken a better look at the date, you wouldn’t have fallen ill.

で、if節中の過去完了を確認。助動詞には過去完了形がないので、主節では苦肉の策で<助動詞+have+ -ed/en形>で時のズレを表すことを解説。
続いて、心的態度を表す助動詞の過去形、<助動詞+ have + -ed/en形>の導入と解説。
敬意表現・丁寧表現の例として、「三歩下がって師の影を踏まず」を引き出したかったのだが、「三歩下がって…」ではno reply。「英語どころの話じゃないぞ…」とすったもんだで、「心理的距離を動詞の形で反映させる」英語の理屈を図式。
古いタイプの英語の授業で本日が終わりました。
夕方から寮の当番の日だったので、夕飯を食べに出かけようか、というところで英語科主任から招集がかかる。次年度に向けての緊急会議とはいえ、実質は上位下達。意見を述べるとか、考えをまとめるとかではなく、「覚悟を決める」だけではないか。急いでコンビニに駆け込み、弁当を調達し時間前に寮へ。
9時まで寮当番の傍ら原稿を書いて、宿直と引き継ぎ。学校の駐車場が真っ暗で困った。
日没後、急速に冷え込む。明日は進学クラスのみの日。
帰宅したら、AmazonからToad the Wet Sprocketの1994年作品、”dulcinea”が届いていた。山口への引っ越しでどこかに行ってしまい淋しい思いをしていたが、久々に切ない歌声を堪能。

本日のBGM: Crowing (Toad the Wet Sprocket)