傘を差さなくてもいい日

tmrowing2007-08-15

正午にはサイレンが鳴り響き、今日が終戦(敗戦)記念日であることを実感。ちなみに今日は蝦夷地が北海道に変わった記念日でもある。
首相官邸のサイトを見ても戦没者記念式典での内閣総理大臣式辞はまだ英語版がアップしていない。靖国参拝しないことをアピールするので精一杯ということか。
今年も広島、長崎と平和宣言が出されたのだが、世界ではどのくらいの人が目を通しているのだろう。
教材として使うことの是非も含めて以下の英語版を参照されたし。
広島平和宣言(http://www.city.hiroshima.jp/shimin/heiwa/pd/pd2007e.html
長崎平和宣言(http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/abm/abm_e/heiwasengen/sengen_frame.html

修学旅行の引率以外に広島を訪れたことのなかった私が初めて「私事」として広島を感じたのが、12年前のあるイベントであった。当時つきあい始めたばかりだった妻がこのイベントをサポートしていて、「夏、広島行くからね」ということで連れ出されたのだった。
Umbrella projectといえばクリストを思い出す人もいるだろうが、このイベントでは趣旨に賛同する1000人に色とりどりの美濃傘を買ってもらい、その美濃傘を逆様にして灯籠流しのように元安川に流すというもの。アーチストはステファン・クーラー。美濃傘職人に弟子入りし日本の伝統を継ぐドイツ人である。
私がこのイベントの意義を実感したのは、イベントのロゴマーク(右上参照)を見た時であった。映像や記号が言葉よりも多くを語ることがあるのだ。アートの持つ力。そしてそのアートの力を信じている人(たち)の存在が自分の心を確実に動かしたのだなぁ。
イベントの成功を見届けて、日の落ちた広島市街へ。初めて行く店で落ち着いて食事をしていたら、大人数の来店。なんと、ステファン・クーラー御一行。偶然に感謝しつつ、イベントの感想などを伝え、記念の美濃傘にサインをしてもらった。今でも、その傘とサインを見れば元安川に流れる美濃傘の色彩を思い出す。
言葉の教師として、平和を語り、平和を守るために何ができるのか、今日くらいは考えてみた。
本日のBGM: 1000 umbrellas (XTC)