Tears

高2はDylan ThomasのパラフレーズのフィードバックとOpenのコメント集からの和文英訳のフィードバック。当然、日本語で説明して、代替案・修正候補となる英語表現や参考例文を英語で言うわけです。普通の高校生は、英文の内容については英語で言い換えられても、その言い換えで用いた言葉の選択の適切さ、優劣についての説明を英語でできるほどのレベルにいないでしょ?学習を成立させることと、英語へのexposureとその授業でのねらいはどっちなのかを考えることが大切。午後のクラスは、今回の範囲の歌、3曲を合唱してから授業に。金曜日はコンピュータ室で、Grace Nicholsのパラフレーズ清書。
高3ライティングは「ことわざ」ドラフト。候補にあげて準備した2つのうち、さらに一つに決めて、同じことわざを選んだもの同士で10分間情報交換の後、20分で原稿を書き、自己評価して提出。水曜日の1限1クラス分とはいえ、その後も授業等が入るので、翌、木曜日の1限に赤を入れて、全体に還元すべき情報を盛り込んだドラフトへのフィードバックのハンドアウトを作成するのは大変です。
帰宅後、メールを確認したあと、1時間ほど仮眠。その後、中間考査作成終了!追い込まれてからが強いのか、追い込まれないとやらないのか。8時過ぎに夕飯をとり、ほんの一息。9時から11時半までで、高3ライティング、生徒個々のドラフトへのフィードバックが終了。日付が変わって1時少し前にハンドアウトへの打ち込み完了。ものすごいスピードで終わった。ハンドアウトは、一応すべてのことわざに関して拾えるよう、改善が必要なものを4例、お手本にして欲しいレベルのものを2例用意。4例は生徒の書いた英文をワープロで打ち込み、私のコメントも全て転記し、さらに講評を入れB4見開き1ページで納める。良い例は裏面に、縮小コピーでそのまま貼り付けて口頭で留意すべきポイントを指摘し、(delayed) direct feedbackを疑似体験させるというのがねらい。コメントは温かい励ましから叱責までさまざま。結構泣かせています。一例紹介。(スペースの関係でここではインデントしてありません。)
Sample D
“Yudan-taiteki”, 1. meaning “Negligence is the greatest enemy” literally, is one of 2. common proverbs in Japan. We use this proverb when 3. we succeed in something, 4. because we humans are tend to be negligent, 5. and that attitude may lead us failure. 6. Let’s say that you get 7. “A” on 8. every kind of tests. You might be happy and arrogant, 9. thinking that the tests are easy. We use this proverb in this situation,10. to stop you from being arrogant, and negligent, so that you can study more harder. What this proverb teaches us is 11. that don’t be negligent just because you succeeded. Be alert all the time. 12. Japanese people began to express that by saying “yudan-taiteki”.

※ 型にはめて書くことを避けたために、収拾のつかなくなった例。本人は良い英語を書いているつもりだとしたら重傷。手遅れにならないうちに授業の基本を押さえること。

  1. 分詞構文は原則避ける。ここでは、油断大敵に「ことわざ」というラベルを貼る前なのだから、挿入してまで情報を早く出す意味がない。
  2. one ofの後は限定された母集団。ゆえに定冠詞。最上級。そうでなければ、 a common proverbで十分。
  3. 具体化すべきことが漠然としていることには目をつぶるとしても、「成功している」のなら、ひとまずはいいのでは?「その成功がいつまでも続くと『油断してはならない』」とでもしなければ意味が通じない。
  4. 問題はここ。Becauseはどこにかかるのか?useか? succeedか?
  5. andのペアはどれとどれ? A lead to B が文型の基本。他動詞で使うときは?辞書を確認したか?
  6. 頭出しチャンクの使用。
  7. 可算か不可算か?
  8. everyは単数扱い。
  9. また分詞構文。
  10. 本当の目的は何か?ここまで繰り返し negligentという語が使われると評価が低くなる。同義表現での言い換えを。
  11. that 節の中で命令文は不可。ここでも「成功している」のなら、問題はない。 You should be alert enough until you reach your goal. / You should be reminded that your success would not last forever. などと比較。
  12. ここまでの you, we そして Japanese peopleの使い分けは適切か?

やっと眠れます。
本日のBGM: 「明日への旅路」(綿内克幸、1995年)