憎悪は息が長い

民意とはあまり関係なく首相が替わったようですが、私は今日も、放課後に本業で遠い方の湖まで車を走らせていました。
週末私がインカレ・OX盾の視察・応援に行っている間は2Xだったのですが、余りよい内容ではなかったことが、1Xでの乗艇を見てすぐにわかりました。緩い。温い。これでは、どこと並べてもしょぼいスピードしか出ないでしょう。しばらくは、といっても国体まであと4週間なのですが、1Xで鍛え直した方が良いのかなと思います。私は成年チームの監督なので、厳しいようですが、最後は自分たちだけで頑張れるよう準備して下さい。
学習英文法関連では、マテジウスの引用がしてあったはず、とずっと家と職場の自分の書棚を探していて見つからなかった本を再読。同僚に貸していたのでした。聞いてみて良かった。

  • 黒川泰男 『英文法の基礎研究 日・英語の比較的考察を中心に』 (三友社出版、2004年)

引用があったのは、「第1部 英語の主語・述語動詞と語順」 (pp. 44-45) でした。もっと多かったような印象だったのだけれど、印象が強かったということでしょうか。この第1部には、「S+V+C」文型を再考する小論も含まれていて、示唆に富むものです。

  • 背が高い、体格がよい、頭が固い、口が軽い、器量がよい
  • 才能がある、実力がある、夢がある、人気がある、悩みがある
  • 勇気がない、けじめがない、こだわりがない、欲がない、色気がない

などの日本語表現と英語の文型との比較考察。「象は鼻が長い」に代表される、こうした「基礎日本語文型」とでも言える日本語表現をしっかりと捉えておかなければ、「意味順」で英語の単語を並べようとしてもうまくいかないことは容易に想像がつくでしょう。
この本の最後に纏められた、「付設 文法教育の諸問題」 (pp. 287- 317) では、JespersenとChomskyとを比べて論じている箇所もあり、冷静に読み直しているところです。
その「付設」から、黒川氏らしさがうかがえることばの一部を引いて締めくくります。

教育の論理から考えた時、特に文法教育の場合、構造だけを自立させることは、ひじょうに非生産的である。重点がどこにおかれようと、学習者は、文法構造を明らかにしようとする時、構造と同時に、そこに盛り込まれた意味内容を意識してしまうからである。文法構造の純粋な抽象化は、一般的学習者の人間的感性とはなじみにくいものである。(p. 298)

本日のBGM: By the people (Van Dyke Parks)