”Reason for living”

大会あけの月曜日。しかも成績提出締め切り日。ツライ…。
高3ライティングは中間考査返却の残っていたクラス。解説後、Higher educationドラフトに関してのPeer Response。一人6分で、3ラウンド。テクストタイプが変わってからは初のpeer responseなので、いったん回収し、次回に見直しのプランとreviseへ。
全体印象評価は◎、○、△、?の四段階。コメントはできるだけ前の人とは違う視点でと要求している。

  • ○:実際に悪い成績の生徒の実態のデータとか事実があるともっと説得力があると思う。そうじゃないとただの自分のイメージになっちゃう気がする。/○:不必要なsoがある。Soの後の一文は分けた方がわかり易い。起と結の文が同じだから、ニュアンスは同じで変えた方が良い。/○:型がはっきりしていてよい。Soの後の文は文法的に分からない。
  • △:alleriationとは何でしょうか?Entrance examinationを変えれば学力も変わるという意見を、One is ..の段落を出す以前に持ってきて欲しい。/○:コンクルージョンはイントロを言い換えた方が良い。この後の反論がどうくるのか読んでみたいです。/○:Study voluntarilyという意見はいいと思う。学力が落ちている場合、なぜhigher educationは限られた人にしなければならないのか説明が、これから欲しい。学力が低い人はさらに低くなってしまうのでは?
  • ○:譲歩に当たる内容があれば更に主張を強められたと思う。/△:ability of the collegeは変。One is … の段落は主張といまいちかみ合っていない。主張だと低学力者は大学に行けないので、good studentsを学力基準ではなくてやる気基準とかにするとか…?/○:2つ目の理由が面白い。「高学力じゃなくても医者になれるような社会になってしまったら、そんな人に診てもらうのは安心できない」って方向にしてみるのは?
  • △:一番初めの文と内容が矛盾してるよ〜。競争がいい←→みんなに教育の機会。具体的な事実を入れるともっと説得力が出ると思う。/?:最初のオピニオンがはっきりしない。理由の文は分かりやすいが、それ以前に何を主張したいのかがよく分からない。チャンクを無理矢理挿入している感が否めない。
  • ◎:We study hardest when in our life when we experience entrance examinations./ ○:筋が通っていて良い。学校に行かない人との格差の問題や予備校にかかる費用などお金のある程度ある人しか出せないということについて反論してみるといいかも…。/○:順序立ててきっちり主張されていていいと思います。「いいたかったけどいえなかった表現」は一番上の人が書いてくれたやつでいいかも。

というような途中経過に。どのようなレスを返してあげると書き直しに有効なのかを学ぶことに加え、見直し後に「英語で」書くことが大切であり、大変である。ピアレス(相互批評)に関しては以下の前田先生のサイトでの(一連の)記事が大変参考になる。
(小学校での実践です。http://jugyoukenkyu.cocolog-nifty.com/kuukan/2006/10/post_4c2d.html
統計数値などを、『最新教育データブック(第11版)』(時事通信社、2006年)から抜粋し配布。エビトリに使って欲しい。
高2は ”What’s so funny ‘bout peace, love and understanding?”の歌詞をもとにしたパラフレーズの活動の続編。類義語の拡充。

  • wicked → evil/ foul/ hateful/ vicious/ mean/ dishonest/ dirty // impure/ tainted / immoral
  • insanity → lunacy/ craziness/ madness/ foolishness// stupidity
  • misery → unhappiness/ anxiety/ hardship/ despair/ sadness/ sorrow/ pain
  • troubled → anxious/ worried/ uneasy/ difficult/ full of problems/ stressful
  • harmony → peace// balance/ sympathy/ union/ unison/ solidarity

というように同義語・類義語・同じ肌触りの語をひたすら列挙し、そのなかから自分の守備範囲に入れられそうなものを増やしていく。意味の固まりは頭の中にあっても、品詞がきちんと対応しないとダメ。
「いったんひっくり返してからもとに戻してみる」ストラテジーで、wicked →「邪悪じゃない」→ pure →impure という流れを提示。その後、pure →「汚れていない」という訳語自体が、このストラテジーを援用していることを指摘し、「類語辞典を使って得られるのと同じ学習効果が日本語を適切に使うことで可能なのだから、日本語をもっと磨くように!」という点を強調。
生徒からinsanity → lunacyが出て来たので、「月」の話から『新造人間キャシャーン』の登場人物の話を振ってみた。
dis-; un-; in- という接頭辞の明示的指導は今シーズン初。-ness/ -ityという接尾辞も含め、「最初は混同するけれど、それは正しい発達段階の過程にいるということなので、上手くつきあうこと」という趣旨の指導。今回は歌詞だが、それでもベースとなる発想には底流があるということに気がついてもらえただろうと思う。大学入試の長文問題などを読む段になって、同意表現の反復・換言だけをことさら強調するのはおかしいのであって、韻文・散文どんな文章でも、書き手の視点を共有することで多くのことが学べるのだ、ということに尽きる。
本日のBGM: Winter Haven High (Roddy Frame)