the odd one out

昨日紹介したキャンディーズのドキュメンタリーで解散ライブの様子が映し出されていたのですが、『微笑みがえし』の歌詞のあの一節

  • 罠にかかった…

では、美樹ちゃんがセンターにいることに意味があったのです。

tmrowing.hatenablog.com

文字面こそひらがなですが、『わな』(1978年)は、キャンディーズのシングルで唯一、美樹ちゃんがセンターを務めた曲なんです。
そして、昨日のエントリーのBGMにしていたキャンディーズのベスト盤 (1993年)には、『わな』は含まれていませんでした。

『わな』の歌詞で特徴的なのは、「あの人」がしてくれる行為の列挙です。

1番では、「あの人」で、

花の名を教えてくれる
微笑みを返してくれる
抱きしめてキスをしてくれる

という内容が歌われます。
しかし、その後のサビでは「あの人」から「あいつ」に変わるのですね。

2番では、また「あの人」に戻り、

紅茶を淹れてくれる
タマネギをむいてくれる
腕の中で包んでくれる

という要素の列挙。そしてまた、「あいつ」に。

ここまでの行為の共通項は何でしょうか?

  • ネガティブからポジティブへ
  • 欠落を埋め合わせる

というような要素は感じられないことはないのですが、「紅茶を淹れてくれる」というのは、「私が紅茶好き」で「美味しく淹れるには手間や技術が必要」とでもいった前提が必要でしょうし、「タマネギをむいてくれる」というのは、調理の際に「涙を流さずに済む」という物理的な側面を描くことで、「涙=悲しみ」までを象徴として表す、と解釈するのは結構無理があるかな、と思います。

ただ、『わな』の3番では、一転して「意味深」というか「意味のよくわからない」行為を描くのですね。通して何回か聴いてみて下さい。作詞は島 武実さん。プラスティックスでも活躍した方です。

さて、今日の「気になる語法」は「わな」、ではなく、

  • 要素の列挙

です。

先日ツイッターでとある英文が話題になりました。
某大学入試問題での読解素材文にあったものです。

この写真が実際に出題されたものの写し。
空所はありますが、赤線部分が当該の英文です。
空所を補充したものが、

Music can reduce stress, relax you, improve your mood, and focus your attention—all factors that can help reduce the pain you feel.

となります。
ツイッターでは、この英文の意味を適切に理解できるかが問われていました。

この英文をDeepLに入力すると、肝心のダッシュの後は知らんぷりでした。

  • 音楽はストレスを軽減し、リラックスさせ、気分を良くし、注意を集中させる。

同じ英文をKagi Translateに入力してみると、

音楽はストレスを軽減し、リラックスさせ、気分を改善し、注意を集中させることができます。これらはすべて、感じる痛みを軽減するのに役立つ要因です。

のように、構造に忠実な和訳を出力してくれます。

投稿者からは、ダッシュ以下のallの先行文脈をまとめる用法が指摘されていました。

私は、このallの用法自体には疑問はなかったのですが、初読の段で、英文自体に違和感がありました。
特に、先行文脈の4つの情報の共通項をfactorとしてallでまとめるには、4番目の情報だけが浮いてしまうと思えたからです。

reduce stress
realx you
improve your mood
focus your attention

この4つの「要素」のうち、最後のfocus your attentionに引っかかりました。具体的にはどのような意味でfocusという動詞を使っているのか?

例によって、ツイッターでは誰もその指摘をしなかったので、ツイッターで当該英文を投稿した方とDMで確認し、私の違和感をその方にも理解・共有してもらいました。
その方も、ツイートする前の段階では、私の指摘した部分に違和感はあったそうですが、深く追求はしなかったとのことでした。

私は、入試の「あるある」で、作問に際して本文の書き換えがあったのでは?と勘繰り、出典情報を元にkindleで原典を購入して読んでみました。

該当箇所を見ると、なんと英文は同じでした。
それがこちらの写真。


John Powell (2016) Why You Love Music: From Mozart to Metallica--The Emotional Power of Beautiful Sounds, Hachette Book Group, Inc. (kindle版より)

書き換えはナシ。
とすると著者の筆力・表現力の問題です。
attentionを使うにしても、focusを使うなら "On what?" がないと意味が整合しないし、「痛みを和らげる」意味合いを生むためには、「音楽そのものに」などという言い方を工夫しないと、「痛みを感じにくくさせる、痛みを麻痺させる、痛いと思わせない」というような意味に寄せられないと思うのですね。

例えば、

  • (to) shift [divert; distract] your attention away from discomfort

などのように、「痛みから気を逸らす=痛みを紛らわせる」などと書かないと、他の3要素からはちょっと浮いてしまうというのが私の語感です。
「自分の注意力;意識;関心」を何らかの形で「操作や調整する」ことと「痛みの軽減」との因果関係の記述があってしかるべきなのに、原文にはそれがないのです。
困ったものですね。でも、英語ネイティブであっても、「ライティング」は大変なんですよ。
どの言語であれ、Native writersって存在しませんから。

生成系AIを時短目的ばかりに使っていないで、どうせ訊くなら、こういうところに目をつけて入力して、やりとりをしないと、ご利益は薄いと思っています。

ということで、生成系AIとの間に、興味深いやりとりが生じたのでご紹介。
まずは、空所補充で何を想起するか、Claudeに案を出してもらいました。

私→Claude(以下C)
最も適切な意味に収束するように次の1から6の空所を補充し英文を完成してください。英文を3通り作ってください。
Music can ( 1 ) your ( 2. ), ( 3 ) you, ( 4 ) your ( 5 ), and ( 6 ) your attention—all factors that can help reduce the pain you feel.

C→私
では、音楽が心身に与える前向きな影響を表現する英文を3通り作成します。文末の「注意力への影響」を含めて自然な流れになるように構成します。

バージョン1:
Music can **elevate** your **mood**, **relax** you, **decrease** your **anxiety**, and **sharpen** your attention—all factors that can help reduce the pain you feel.
(音楽は気分を高め、リラックスさせ、不安を減らし、注意力を高めることができます—これらはすべて、あなたが感じる痛みを和らげるのに役立つ要因です。)

バージョン2:
Music can **improve** your **mindset**, **calm** you, **lower** your **stress**, and **focus** your attention—all factors that can help reduce the pain you feel.
(音楽は心持ちを改善し、落ち着かせ、ストレスを下げ、注意力を集中させることができます—これらはすべて、あなたが感じる痛みを和らげるのに役立つ要因です。)

バージョン3:
Music can **boost** your **spirits**, **soothe** you, **reduce** your **tension**, and **direct** your attention—all factors that can help reduce the pain you feel.
(音楽は気持ちを高揚させ、癒し、緊張を和らげ、注意力を向けることができます—これらはすべて、あなたが感じる痛みを和らげるのに役立つ要因です。)

それぞれの文は:
1. 精神状態への良い影響
2. 心身の安定化
3. ネガティブな状態の軽減
4. 注意力のコントロール

という流れで構成し、最後の「注意力」への言及が自然につながるようにしています。全体として、音楽の治療的・認知的効果を説明する文となっています。

このCの回答で、出典の英文と同じfocusが出てきたのですが、結局「注意力の操作と痛みの軽減の関係」は明らかではないものです。

私のリクエストに対する最初のコメントにあるように、恐らくCは、ダッシュ以下の補足は4つの要素の最後のattentionにだけかかるものだと考えているのでしょう。

そこで、別なAIであるGemini 2.0 (以下G)に、その部分を再考してくれるよう投げかけました。

そのGの回答。

G→私
音楽が痛みを軽減するメカニズムに焦点を当てた英文の提案
いただいた英文は、音楽が気分や精神状態に与える影響を的確に表現していますが、「注意力を高める」ことがどのように痛みの軽減に繋がるのか、具体的な説明が不足している点が課題です。
そこで、以下の3つの英文では、音楽が注意を痛みからそらすことで、痛みの感じ方を軽減させるというメカニズムを明確に表現しました。

バージョン1
Music can **uplift** your **spirits**, **soothe** your **nerves**, **reduce** your **anxiety**, and **distract** your attention from pain—all factors that can help lessen the pain you feel.
(音楽は気分を高揚させ、神経を鎮め、不安を軽減し、痛みに向けられた注意をそらすことができます—これらはすべて、あなたが感じる痛みを軽減するのに役立つ要因です。)

バージョン2
Music can **elevate** your **mood**, **relax** your **body**, **ease** your **tension**, and **shift** your focus away from discomfort—all factors that contribute to reducing the pain you experience.
(音楽は気分を高め、体をリラックスさせ、緊張を和らげ、不快感から注意をそらすことができます—これらはすべて、あなたが経験する痛みを軽減する要因となります。)

バージョン3
Music can **brighten** your **outlook**, **calm** your **mind**, **diminish** your **stress**, and **divert** your attention from the sensation of pain—all factors that can alleviate the pain you're feeling.
(音楽は考え方を明るくし、心を落ち着かせ、ストレスを軽減し、痛みの感覚から注意をそらすことができます—これらはすべて、あなたが感じている痛みを和らげる要因となります。)
これらの英文では、"distract," "shift," "divert"といった単語を用いることで、音楽が注意を痛みからそらす効果を強調しています。また、"lessen," "contribute to reducing," "alleviate"といった表現を用いることで、痛みの軽減に貢献する要因であることを明確に示しています。
これらの修正により、音楽が痛みを軽減するメカニズムがより具体的に伝わる英文になったかと思います。

ということで、Gの修正案で、私が当初指摘したところに戻ってきた感じです。

細かい表現の比較検討としては、動詞shift/divertと 前置詞from/away fromの結びつきとその頻度をNgram Viewerで。

全体




いずれにしてもそれほど高頻度の表現とは言えませんが、その中でも比較的使われそうなものは絞り込めそうです。

生成系AIにプロンプトを入力するにしても、入力する人間のそもそもの「目の付け所」が的確でなければ、思わしい結果は得られない、という身も蓋もない結論に達したということでしょうか。

現場からは以上です。

本日はこの辺で。
本日のBGM: わな (キャンディーズ)

youtu.be

わな - シングル・ヴァージョン ‑ 曲・歌詞:キャンディーズ | Spotify

Now you mention it, ....

立春過ぎに到来の今季最大の寒波に震えながら、教材研究と教材の執筆。
その合間に録画してあった「キャンディーズ」のドキュメンタリーを観ていました。

  • 罠にかかった うさぎみたい

のところで、美樹ちゃんがセンターに来るところで落涙。(ファンなら、その件でemotinalになるのを分かってくれると思います)
その後は、棚からベスト盤を引っ張り出しBGMに。

懐古と充電の後、更なる執筆も捗りました。

さあ、出講先の今年度の残り授業も少なくなり、最後のテストに備える時期です。
横並びでコマを持つ先生方と、指導内容や英語に関する知見を共有できる環境に感謝。
今回は、接続詞扱いのnow (that) を空所補充や整序で出すのは慎重に、という話をしました。

ということで、今日の「気になる語法」も、その

  • 接続詞扱いの now (that) の生息域

です。

Wisdom英和でもG6でも、Nowに続くthatが省略されることの注記・指摘がありますから、空所補充でthatを求めるのは論外で、整序作文で並べ替えるべき語群の中にthatを入れることも望ましくないでしょう。
指導評価の前提として、この辺りに無頓着な指導者、出題者が多すぎるように思います。

私の指導でいつも強調しているのが、

(△) Now that ① , ②.
のような①②のコントラストでは不十分で、
(○) A. Now that B, C.
と、Now thatの前提まで捉えておくのが必須で、 できれば
(◎) A. Now that B, C. (And/But D.)
のように、そのさらに先 の展開を視野に入れておくのが吉、 ということ。

A. Now (that) B, C . の生息域での、典型例としては次のような状況が想定できます。

・Aが現在に至る時系列でのネガティブな内容・状況の提示・指摘
・Bで事実の変化(過去形または現在完了形またはbe + overなど)
・CではAの否定、改善、満足できる(はずの)新たな状況が示される

COCA系での実例から。アカデミックな文体です。

“When you were really poor,” she impatiently reminded me, “you spoke in a language and lived a life we couldn't possibly understand in the academy. Now that you have learned to speak Academese, you are no longer one of the poor.”
「本当に貧しかった頃は」と彼女は苛立たしげに私に思い出させた。「あなたは私たちが学問の世界では到底理解できない言葉を話し、生活をしていました。でも、今やあなたは、アカデミー語を話せるようになったのですから、もはや貧しい人の仲間ではないんですよ。」

A, B, C の状況が明確ですね。
ここで示したのはネガティブな状況からの卒業でしたが、その逆もあります。Wisdom英和から。

辞書の用例の多くが、上述の状況Aに当たる、「前段階」が明示されないものです。
1例目の前段階は「中止も仕切り直しも簡単な状況」、2例目の前段階は「関わらずに人ごとで気楽な状況」、3例目の前段階は「のほほんと気楽な日々」が前提として存在する、というところこそが、この接続詞nowの肝だと考えています。

O-LEX英和に収録の次の二つの用例では、Nowに続く従属節の内容はほぼ同じですが、主節の内容は対照的です。

Now that you've come of age, you have the freedom to act as you choose.
君ももう成年に達したのだから,自分の好きなように行動する自由がある
Now (that) you are grown up, you have to decide on your own.
もう大人なんだから自分で決めなくては

前段階の状況Aはないけれども、その次の展開としての状況Dが示される、という辞書の用例もあるにはあります。次の用例は、『研究社和英大辞典』より。

こういう例がもっと、辞書や教材で増えてほしいとは思うのですが、紙の辞書では難しいでしょうね。

前段階となる状況Aが明示されない、というのは入試での空所補充完成や整序完成など、一文を完成せる問題でもほぼ同様です。

Now that my health has improved, I am ready to go back to university.
健康が回復したので、大学に戻る準備ができました。

高速料金が値下げされたので、新幹線で行くより車で行く方がかなり安くつくことになる。
Now that expressway tolls are reduced, it has turned out to be much cheaper to travel by car than by the bullet train.

君も大学生になったのだから、親から自立することを考えてもいいよ。
Now that you’re a college student, it’s time about you thought about becoming independent of your parents.

あの先生がすでに固い決心をしてしまった以上、私たちは黙っているしかない。
Now that the teacher has shown a fixed determination, there is nothing for us to do but keep silent.

この最後の例などは、「前段階」が不明なために、殆ど情報価値のない文となっていることが分かるでしょう。

接続詞nowの状況の変化で、上述の、ABCそれぞれの状況が明確な用例で学習しておくのが吉、というか「必須」だと思っています。
・状況が改善してハッピーになる例
・お気楽な状況が一変して、何か努力して達成を迫られる必然性が生じる例
の両方を見ておくと後々随分楽ではないかと。

I have been very busy as usual, but now that my school exams have finished, I finally have time to write to you.
私はいつも通りとても忙しかったのですが、学校の試験が終わったので、やっとあなたに手紙を書く時間ができました。

状況改善で余裕が生じる例ですね。

And now that my season for tennis tournaments is practically over, I’ve really got to devote all my energy to writing my papers, especially the one for World Economics.

楽しい期間は終了、努力の必然性。


ということで、生成系AIのClaudeに典型的な用例を作ってもらいました。

I'll create examples of "Now (that)" showing both positive transformations and situations where new responsibilities or challenges arise. Each example will clearly show the A-B-C structure.

Positive Transformations:

1. "I used to struggle with every report deadline. Now that I've learned to use productivity tools, I can finally enjoy my weekends without work stress."
 (以前はすべてのレポートの締め切りに苦労していました。今では生産性向上ツールを使うことを覚えたので、仕事のストレスなしで週末を楽しむことができるようになりました。)
(A: negative past of missing deadlines
B: learned new skills
C: positive outcome of work-life balance)

2. "My son couldn't make friends at his old school. Now that he's joined the soccer team, he's surrounded by supportive teammates every day."
 (息子は以前の学校で友達を作ることができませんでした。しかし、サッカーチームに入ってからは、毎日支え合う仲間に囲まれています。)
(A: social isolation
B: joining team sports
C: improved social life)

Challenging New Responsibilities:

1. "You've been living rent-free with your parents all these years. Now that you've landed a full-time job, you'll need to start paying for your own apartment."
 (君はこれまでずっと親と一緒に家賃を払わずに暮らしてきたね。今はフルタイムの仕事を手に入れたんだから、自分のアパートの費用を払う必要があるよ。)
(A: carefree living
B: getting employed
C: new financial responsibilities)

2. "We were just a small local business last year. Now that we've secured major investment funding, we must scale up operations and hire 50 new employees by next quarter."
 (昨年、私たちはただの小さな地元のビジネスでした。今では大規模な投資資金を確保したので、事業を拡大し、次の四半期までに50人の新しい従業員を雇わなければなりません。)
(A: simple business operation
B: receiving investment
C: pressure to expand rapidly)

3. "You used to just write code without much planning. Now that you're leading the development team, you need to create detailed documentation and mentor junior developers."
 (以前はあまり計画せずにただコードを書いていました。今では開発チームを率いる立場になったので、詳細なドキュメントを作成し、ジュニア開発者を指導する必要があります。)
(A: carefree coding
B: promotion to team lead
C: new leadership responsibilities)

Each example follows the pattern where:

  • A presents the initial situation
  • B marks a clear change or transformation
  • C shows the resulting new circumstances or responsibilities

Would you like me to create more examples with any specific focus or context?

なかなか良い線行っているんじゃないでしょうか?
調子に乗ってもらって、さらに用例を作成してもらいました。

状況のABC設定はこれまでと同様にして、状況Aに当たる内容が、他者からの問いかけ、疑問文となる例で2例、状況Cに当たる内容が、他者への問いかけ、疑問文となる例で2例、英文を作成して下さい。出力は英文でお願いします。

以下、Claudeの回答です。

Examples where A is an interrogative sentence:

1. "Why are you always working overtime?" my wife used to ask with concern. Now that I've learned to manage my time better, I can spend quality evenings with my family.
 (「どうしていつも残業しているの?」妻は以前は心配そうに聞いていました。今では時間をうまく管理することを覚えたので、家族と質の高い夜の時間を過ごせるようになりました。)
(A: questioning overwork
B: improved time management
C: better work-life balance)

2. "When will you finally start saving money?" my parents would worry. Now that I've gotten a promotion, I'm putting 20% of my salary into investments each month.
 (「いつになったらやっとお金を貯め始めるの?」と両親は心配していました。今では昇進したので、毎月給料の20%を投資に回しています。)
(A: questioning financial habits
B: career advancement
C: responsible financial planning)

Examples where C is an interrogative sentence:

1. "I used to avoid public speaking at all costs. Now that I've completed the presentation skills course, how would you like me to lead the next client meeting?"
 (以前はどんな手段を使ってでも人前で話すことを避けていました。でも、プレゼンテーションスキルのコースを修了した今、次のクライアント会議をどのようにリードしてほしいですか?)
(A: fear of speaking
B: skills training
C: offering to present)

2. "The team barely met deadlines before. Now that we've implemented the new project management system, shall we take on those additional client projects you mentioned?"
(チームは以前、締め切りをかろうじて守っていました。新しいプロジェクト管理システムを導入した今、あなたが言及した追加のクライアントプロジェクトに取り組みましょうか?)
(A: poor performance
B: system improvement
C: seeking new challenges)

こちらのつながりとまとまりは今一つですね。このような発展的課題に対応するには、プロンプトを整備するか、やり取りのターンを増やす必要がありそうです。
とはいえ、前段階のAのないことが多い、辞書や教材の例を補うには十分でしょう。

では、この次の展開、結果としてのDにつながるパターンを見てみましょう。

私の最初のリクエストにあった状況ABCの設定2パターンは生かしたまま、そのCに続く状況をDとして、and Dで、予想予期できる結果を述べる文、but Dで予想期待に反する結果を述べる文をそれぞれ1つずつ作成して下さい。

以下、Claudeの回答です。

1. Pattern 1 (Positive transformation with expected continuation):
"I used to struggle with every report deadline. Now that I've learned to use productivity tools, I can finally enjoy my weekends without work stress, and I've even started teaching these techniques to my junior colleagues with great success."
 (以前はすべてのレポートの締め切りに苦労していました。しかし、生産性向上ツールの使い方を学んでからは、仕事のストレスなく週末を楽しめるようになり、さらにはこれらの技術を後輩に教えることも成功を収めています。)
(A → B → C → D: expected positive ripple effect)

2. Pattern 1 (Positive transformation with unexpected turn):
"I used to struggle with every report deadline. Now that I've learned to use productivity tools, I can finally enjoy my weekends without work stress, but I've found myself taking on too many additional projects because everyone thinks I have unlimited time."
 (以前はすべてのレポートの締め切りに苦労していました。生産性向上ツールを使うことを学んでからは、仕事のストレスなしで週末を楽しめるようになりましたが、みんなが私には無限の時間があると思っているせいで、追加のプロジェクトを引き受けすぎてしまうことに気付きました。)
(A → B → C → D: unexpected negative consequence)

3. Pattern 2 (New responsibility with expected outcome):
"We were just a small local business last year. Now that we've secured major investment funding, we must scale up operations and hire 50 new employees by next quarter, and our careful planning has already attracted top talent from competing firms."
 (昨年、私たちはただの小さな地元のビジネスでした。しかし、今では大規模な投資資金を確保したことで、事業を拡大し、次の四半期までに50人の新しい従業員を雇わなければなりません。そして、私たちの綿密な計画はすでに競合他社からトップ人材を引き寄せています。)
(A → B → C → D: expected positive development)

4. Pattern 2 (New responsibility with unexpected challenge):
"We were just a small local business last year. Now that we've secured major investment funding, we must scale up operations and hire 50 new employees by next quarter, but the rapid expansion has caused us to lose our close-knit company culture."
(昨年、私たちはただの小さな地元のビジネスでした。しかし、主要な投資資金を確保した今、事業を拡大し、次の四半期までに50人の新しい従業員を雇わなければなりません。ただし、急速な拡大により、親密だった会社の文化を失ってしまいました。)
(A → B → C → D: unexpected negative impact)

この最後の例では、C but D のコントラストがあまり明確ではありません。改善を求めてやり取りをした結果、次の修正版を返してくれました。和訳もつけておきます。

Here's a revised example with a clearer logical contrast between C and D:
"We were just a small local business last year. Now that we've secured major investment funding, we must scale up operations and hire 50 new employees by next quarter, but despite our competitive salaries and benefits package, we're struggling to attract qualified candidates in this tight job market."
This revision shows a stronger contrast because:
1. C establishes a clear requirement (must hire 50 people)
2. D presents a direct obstacle to achieving that requirement (can't find qualified people)
3. The contrast is emphasized by including "despite our competitive salaries" to show that even with favorable conditions, the expected outcome isn't being achieved
The unexpected result directly conflicts with the requirement in C, making the contrast more meaningful and logical than the previous version about company culture.

こちらは、CとDの間により明確な論理的対比を持つ修正された例です:
「昨年はただの小さな地元のビジネスでした。今、大規模な投資資金を確保したので、次の四半期までに50人の新しい従業員を雇わなければなりませんが、競争力のある給与と福利厚生パッケージにもかかわらず、この厳しい雇用市場で有資格者を引き付けるのに苦労しています。」
この修正は、次の理由からより強い対比を示しています:
 1. Cは明確な要件を確立しています(50人を雇わなければならない)
 2. Dはその要件を達成するための直接的な障害を提示しています(有資格者を見つけられない)
 3. 「競争力のある給与にもかかわらず」という表現を含めることで、好条件があっても期待される結果が達成されていないことを示し、対比が強調されています
予期しない結果はCの要件と直接対立しており、以前の会社文化に関するバージョンよりも対比がより意味深く論理的です。

AIの方も、指摘してもらって初めて「そう言われてみると…」と反応し、調べたり、考えたりするケースも多々あるので、やはり、出来合いのプロンプトを入力して、クリック一発!とするのではなく、「やりとり」をした上で納得のいく落とし所を見つけるのが良いですね。

本日はこの辺で。

本日のBGM: 微笑みがえし (キャンディーズ)

open.spotify.com

まずは視座を整えるところから

私はソーシャルメディアではかねてより、「整序完成作文」と「誤文訂正・誤ヵ所指摘」の問題を取り上げ、「中級になる前段階の学習者には害が多い」と言ってきました。

比較的最近だと、このツイートで田中健一先生に反論しています。

「英語の独学には整序完成が最適」という考え方には同意できない。

田中先生だから、ではなく、随分前から言っているんですよ。

あと、英語の先生にはこの整序完成作文が好きな人が多い印象ですが、私は望ましい出題だとは思っていません。語句整序文完成の問題って、できない人にとっては、多肢選択の錯乱肢の海で溺れているような状態からなかなか抜け出せないので、多肢選択の問題と同様かそれ以上に初級レベルでは配慮が必要。

「文整序段落(ディスコース)完成作文ができるくらいの英語力の学習者に、sentence level accuracy の習熟を問う」辺りが妥当な使い処だというのが私の基本的な視座です。
まあ、英語教育界隈でも理解されないでしょうけど。

『チャンクで積み上げ英作文』で、一切、語整序チャンク完成も語句整序文完成も入れていないのは、こういった視座に基づいているのです。

個人的には、整序完成作文と誤文指摘・誤箇所訂正問題が多用されている状況を好ましく思っていない。特に、初級レベルでは、4択で間違えてその間違った情報を強化してしまうことがある。整序作文で不正解になる場合もそれと同じ状況を生みかねない。誤文は見せないで、ホンモノを見せ続けるのが吉。

この時に賛意を示してくれたのが駒橋輝圭先生。

I’ve been saying the exact same thing for like 15 years now.

その一年ほど前の私のツイートがこちら。

学校採択教材で市販されていないので、なかなか理解されないが、チャンクを理解するにはチャンクで認識するのが最適。そのチャンクを構成する語をバラバラにして提示し、それを復元完成する作業は初学者や再入門者には不適切。日本の指導者は整序完成問題に対する過度の期待を一度リセットしてほしい。

この時も駒橋先生が賛意を示してくれました。

This. Especially the last part.

「誤文訂正・誤ヵ所指摘」問題に関しても言いたいことは山ほどあるのですが、今日は「整序」に関連して。

  • 実際にそういった試験が課されているのだから、それを解けるように指導するのがプロ。

などと諌言してくださる方がいたりしますが、ダメなものはダメなんですよ。

「拙速な大学入試へのヨンギノー試験導入」が頓挫した余波で「共通テスト」には、旧センター試験の第2問Aのような空所補充による文完成の文法語法問題が消え、第2問Bのような語句整序による英文(しかも対話文!)完成問題も消えたことを、惜しむのか懐かしがるのか、「復活させたい」という人もいるようですけれど、特にセンター試験の最晩年に導入された、第2問Cは最低最悪です。

私は中級までは「整序完成作文」は害悪だと思っています。
今はなき「センター試験」の「モンスターボックス」覚えていますか?
最低最悪の設問。あの出口のない、入口と言えるかも怪しい順列組み合わせではなく、意味が整合するチャンク結合をさせるからこそ、英語のセンスが身につくという視座です。

やれCEFRだCEFR-Jだ、やれタスクだ、さらにはエンゲージメントだとか、ウェルビーイングだとか次から次に新しい「概念」を移入することには熱心な日本の英語教育界も、肝心な「ことばづかい」の異様さに対するセンサーは感度を落としているかのようです。

近年で最も酷いな、と思った整序完成の出題がありましたので、英作文・英文ライティングを高等学校の英語で扱う科目名にもなっている「論理・表現」の観点から精査したいと思います。

日本文の意味を表す最も適切な英文になるように,それぞれ対応する(A),(B)に与えられている語を並べ替え,その順序に従って,それらの番号を解答用マークシートにマークしなさい。なお,それぞれに不要なものが含まれている。また,文頭にくる語も小文字にしてある。各語の使用は一回限りとする。

たいていの人は,幼ない子どもと話すときの言葉づかいを勉強するわけではないが,意識しなくても平易な言葉で意思疎通できるようになっていく。
Few people actually study how to modify language (A)〔( a ) ( b ) ( c ) ( d )〕 children but, instead, without thinking, find ways (B)〔( a ) ( b ) ( c ) ( d ) of language in order to communicate effectively with young children.

(A)
〔1 to 2 when 3 dare 4 young 5 speaking 6 talk〕
(B)
〔1 the 2 to 3 reduce 4 of 5 pure 6 complexity〕

見難いし、醜い!

恐らくは正解と思われる完成形がこちらになります。

Few people actually study how to modify language when speaking to young children but, instead, without thinking, find ways to reduce the complexity of language in order to communicate effectively with young children.

この「エイブン」大丈夫ですか?

AもBも空所は4つ、選択肢は6つ。相当な認知負荷をかけて得られる対価がこれ。

  • どうかしてるぜ!

DeepL訳がこちら。代替案など何もいじらずに初手で示したものです。

実際に幼児と話すときにどのように言葉を修正するかを研究している人はほとんどいないが、その代わりに、幼児と効果的にコミュニケーションをとるために、何も考えずに言葉の複雑さを減らす方法を見つけている。

Kagi Translateだとこうなります。

幼い子供と話すときに言語をどのように修正するかを実際に研究する人はほとんどいませんが、代わりに、無意識のうちに言語の複雑さを減らして幼い子供と効果的にコミュニケーションを取る方法を見つけます。

何を言っているか一読了解できますか?語彙・表現、構文の選択は適切/的確ですか?口語的表現とアカデミックな表現が混交していませんか?

英語の論理・表現の面でも問題が多々あって、英作文・英文ライティングのスキルを診る問題としての代替にはなり得ません。

私の違和感を通り越した憤りを共有してもらうために、生成系AIとのやり取りを以下に再録します。
私が普段の英文ライティングや和文英訳の指導で、書かれたものの何に着目して、どのようにフィードバックを与えているのかも実感してもらえるのではないかと思います。

以下の英文で、語彙語法の選択の適切さ、主語の一貫性、一読了解できるか、口語的表現とアカデミックな表現の混交などを検討し、必要があれば修正の代案を示してください。
Few people actually study how to modify language when talking to young children but, instead, without thinking, find ways to reduce the complexity of language in order to communicate effectively with young children.

この英文を詳しく分析してみましょう。
1. 構造分析:

  • 主節: "Few people actually study how to modify language"
  • 副詞句: "when talking to young children"
  • 対比節: "but, instead, without thinking, find ways to reduce the complexity of language"
  • 目的節: "in order to communicate effectively with young children"

2. 問題点:

  • "but, instead" の重複
  • "without thinking" の位置が不自然
  • 同じ文中で "young children" が2回出現
  • "find ways" が自然に発生するニュアンスと、意図的な学習の対比が不明確

3. 修正案:
より簡潔で明確な表現にするため、以下のような代案を提案します:

案1:
"Rather than studying how to modify language for children, most people instinctively adjust their speech to communicate effectively with young listeners."

案2:
"Few people formally study child-directed speech; instead, they naturally develop ways to simplify their language when communicating with children."

修正のポイント:

  • 不要な重複を避ける
  • 主語の一貫性を保つ
  • より自然な流れの文章構成
  • アカデミックな表現("child-directed speech")とより一般的な表現のバランス
  • "without thinking" を "naturally" や "instinctively" などのより適切な表現に変更

いずれの修正案も、原文の意図を保ちながら、より明確で簡潔な表現を実現しています。

案2で、セミコロンの後の節の主語をtheyとしたときに、few peopleを受けると解釈して、「自然に身につける人はほとんどいない」と誤解される可能性はありませんか?

鋭い指摘をありがとうございます。確かにその可能性があります。
"Few people" を先行詞とする "they" を使うと、論理的には「正式に学習する人が少なく、その少数の人々が自然に言語を簡略化する方法を身につける」という誤読の可能性が生じます。これは意図した意味(「多くの人々は正式な学習ではなく自然に身につける」)と反対の解釈になってしまいます。

この問題を解決するため、以下のような修正案を提案します:
案2の修正版1:
"Few people formally study child-directed speech; most simply develop ways to simplify their language when communicating with children."

案2の修正版2:
"While few people formally study child-directed speech, people generally develop ways to simplify their language when communicating with children."

これらの修正により:

  • "they" による曖昧な照応を避ける
  • "most" や "people generally" を使用することで、後半が一般的な傾向であることを明確にする
  • 前半と後半の対比関係をより明確にする

このように、代名詞の使用には慎重を期す必要があり、特に "few" のような限定的な表現の後では、明確な主語の提示が望ましいと考えられます。

案2の修正版1でのセミコロンの後のmostの後にpeopleとかof usが抜けていませんか?

はい、ご指摘の通りです。"most" は代名詞としても使えますが、この文脈では形容詞的な限定詞として機能させたいため、後ろに名詞(people または of us)が必要です。

案2の修正版1を更に修正すると:

"Few people formally study child-directed speech; most people simply develop ways to simplify their language when communicating with children."

または

"Few people formally study child-directed speech; most of us simply develop ways to simplify their language when communicating with children."

両者の違い:

  • "most people" は客観的な観察の表現
  • "most of us" はより包括的で、書き手や読み手も含めた人間一般についての表現

なお、"most of us" を使用した場合、後半の "their" は "our" に変更する方が一貫性が保てます:

"Few people formally study child-directed speech; most of us simply develop ways to simplify our language when communicating with children."

この最後の版が、論理的一貫性という点では最も整った表現になると考えられます。

ありがとうございます。私が最初に示した英文を書いた人は、”modify language when talking to young children” という表現を使っていますが、このmodify languageという結びつきで、一般的な英語話者が頭に思い浮かべる意味はどのようなものでしょうか?いくつか英語でのパラフレーズを示してください。

"modify language" は、文脈がないと少し違和感のある組み合わせかもしれません。英語話者が一般的に思い浮かべる意味としては:

1. 言語の改変を扱う専門的な文脈:

  • "alter the structure or form of a language"
  • "make systematic changes to a language"
  • "reform or revise a language system"

これらは言語政策や言語計画のような専門的な文脈で使われることが多く、例えば "The committee proposed to modify the language of the law" のような使用が自然です。

子どもとの会話に関する文脈では、より自然な表現として:

1. 話し方の調整:

  • "adjust one's speech"
  • "adapt the way one speaks"
  • "simplify one's language"

2. 具体的な変更方法:

  • "use simpler words/expressions"
  • "speak in a more child-friendly way"
  • "make one's language more accessible"

3. 専門的な文脈では:

  • "use child-directed speech"
  • "employ infant-directed speech patterns"
  • "adapt speech patterns for young listeners"

したがって、最初の文では "modify language" よりも "adjust their speech" や "adapt their language" の方が、より自然な表現になると考えられます。

元々の英文を書いた人は「子供と話すときには複雑さを減らす」と考えていたと思うのですが、そんな単純な話ではなく、常識的に考えれば、2歳には2歳向け、5歳には5歳向けといった「発達段階に見合った、語彙、表現や構文の複雑さを選択する」ものではないかと思うのですがいかがでしょうか?

その通りですね。実際の子どもとの言語コミュニケーションはずっと複雑で精緻なものです。

元の英文の問題点:

  • "reduce the complexity" という単純な一方向の調整しか言及していない
  • 子どもの発達段階への考慮が欠けている
  • むしろ「複雑さを減らす」という表現自体が、子どもとの言語的やりとりを過度に単純化している

より正確な記述としては:

"Few people formally study how adults adjust their speech for children, yet most people intuitively tune their language to match children's developmental stages, selecting appropriate vocabulary, expressions, and syntactic complexity for each age level."

または:

"While few people receive formal training in child-directed speech, adults naturally calibrate their language—from vocabulary choice to grammatical complexity—according to children's developmental levels, rather than simply reducing complexity."

このように修正することで:

  • 「複雑さを減らす」という単純化を避ける
  • 発達段階に応じた調整(calibration)という視点を導入
  • 言語の複数の側面(語彙、表現、文法的複雑さ)への言及
  • 子どもの認知発達に合わせた段階的な調整という視点を含める

これは言語習得研究でも重要な概念である「足場かけ」(scaffolding)にも関連し、大人は子どもの現在の言語発達レベルよりもやや高度な言語使用を意図的に行うことで、子どもの言語発達を支援していると考えられます。

お付き合いしてくれたClaude3.5 Sonnetさん、ここまでお読みいただいた方々、お疲れさまでした。

元々の「エイブン」の、“modify language” での無冠詞不可算扱いのlanguageを目的語とする動詞modifyの大風呂敷加減と、 “reduce the complexity of language” の考えの及ばなさ加減は何とかしたいと思うのですよ。

Copilotに同じところを尋ねて助言をもらっています。

前半のmodify their language when speaking to young childrenという表現でのmodify their languageを一般的な英語話者はどのような意味だと解釈するでしょうか?いくつか英語のパラフレーズを示してください。

一般的な英語話者は、"modify their language when speaking to young children" という表現を、子供と話すときに言葉の使い方や表現方法を調整することと解釈します。いくつかのパラフレーズを以下に示します:

1. Adjust their language when talking to young children
2. Simplify their speech when conversing with young children
3. Tailor their language for young children
4. Change the way they speak to young children
5. Adapt their language to suit young children

これらのパラフレーズは、子供と効果的にコミュニケーションを取るために言葉の複雑さや内容を調整することを意味しています。どの表現が一番わかりやすいと思いますか?

私は5がいいと思います。

Great choice! "Adapt their language to suit young children" clearly conveys the idea of adjusting speech to be more appropriate and understandable for kids.
Would you like to explore any other aspects of language or need further assistance with this topic?

元々の英文を書いた人は「子供と話すときには複雑さを減らす」と考えていたと思うのですが、そんな単純な話ではなく、常識的に考えれば、2歳には2歳向け、5歳には5歳向けといった「発達段階に見合った、語彙、表現や構文の複雑さを選択する」ものではないかと思うのですがいかがでしょうか?

確かに、おっしゃる通りです。子供と話す際には、ただ単に言葉の複雑さを減らすだけではなく、子供の発達段階に応じた語彙、表現、および構文の複雑さを選択する必要があります。2歳の子供と5歳の子供とでは理解力や認知能力が異なるため、それに適応した話し方が求められます。

では、元の文をこの視点を取り入れて修正してみます。
修正後の文: "Few individuals actively study how to modify their language when speaking to young children; instead, most people instinctively adjust their vocabulary, expressions, and sentence complexity to match the developmental stage of the child in order to communicate effectively."

この修正では、単純に言語の複雑さを減らすのではなく、子供の発達段階に応じた調整を行うという点を強調しています。これでより明確に意図が伝わると思いますが、いかがでしょうか?

以上、Copilotの回答でした。


Gemini 2.0でも訊いています。

元々の英文で、young childrenの繰り返しは気になりませんか?

ご指摘ありがとうございます。「young children」の繰り返しは、確かに冗長な印象を与える可能性があります。特に、アカデミックな文章では、同じ単語の繰り返しを避けることが望ましい場合があります。

修正案:
1. 代名詞を使う: 2回目以降の「young children」を「them」などの代名詞に置き換える。
例: Few people consciously study how to adjust their language when talking to young children. However, most people naturally find ways to simplify their language to communicate effectively with them.

2. 別の表現を使う: 「young children」の代わりに、文脈に応じて「children」「toddlers」「preschoolers」などの別の表現を使う。
例: Few people consciously study how to adjust their language when talking to toddlers. However, most people naturally find ways to simplify their language to communicate effectively with young children.

3. 表現を省略する: 文脈によっては、「young children」という表現自体を省略しても意味が通じる場合があります。
例: Few people consciously study how to adjust their language when talking to children. However, most people naturally find ways to simplify their language to communicate effectively.

どの修正案を選ぶべきか:
どの修正案を選ぶべきかは、文脈や読者層によって異なります。
• 代名詞を使う: 代名詞を使うことで、文章を簡潔にすることができます。ただし、代名詞が指す内容が曖昧にならないように注意が必要です。
• 別の表現を使う: 別の表現を使うことで、文章に変化をつけることができます。ただし、読者がその表現を理解できるかどうかを考慮する必要があります。
• 表現を省略する: 表現を省略することで、文章をより簡潔にすることができます。ただし、意味が通じなくなる可能性があるため、注意が必要です。

今回のケースでは:
今回のケースでは、代名詞を使うか、表現を省略するのが良いかもしれません。

• 代名詞を使う場合:
Few people consciously study how to adjust their language when talking to young children. However, most people naturally find ways to simplify their language to communicate effectively with them.

• 表現を省略する場合:
Few people consciously study how to adjust their language when talking to children. However, most people naturally find ways to simplify their language to communicate effectively.
どちらの修正案を選ぶかは、最終的には著者の判断に委ねられます。

元々の英文を書いた人は「子供と話すときには複雑さを減らす」と考えていたと思うのですが、そんな単純な話ではなく、常識的に考えれば、2歳には2歳向け、5歳には5歳向けといった「発達段階に見合った、語彙、表現や構文の複雑さを選択する」ものではないかと思うのですが、その点を踏まえて、先ほどの英文を修正するとしたらどうなりますか?複数例提示してください。

はい、もちろんです。子供の発達段階に合わせた言葉遣いという点を踏まえて、先ほどの英文を修正する例をいくつか提示します。
修正例1:
Few people consciously study how to adjust their language when talking to young children. However, most people naturally find ways to tailor their vocabulary, expressions, and sentence structure to the child's developmental level.
この例では、「reduce the complexity of language」を「tailor their vocabulary, expressions, and sentence structure to the child's developmental level」という表現に修正しました。これにより、単に言葉を単純化するのではなく、子供の発達段階に合わせて言葉遣いを調整するという意味合いがより明確になりました。

修正例2:
While few people formally study how to adapt their language for young children, most instinctively adjust their communication style to suit the child's age and understanding.
この例では、「modify language」を「adapt their language」に、「without thinking」を「instinctively」に、「reduce the complexity of language」を「adjust their communication style to suit the child's age and understanding」に修正しました。これにより、より自然でアカデミックな表現になりました。

修正例3:
It is uncommon for individuals to receive explicit training in adjusting their language for young children. Nevertheless, in everyday interactions, people naturally modify their speech patterns to align with a child's cognitive and linguistic development.
この例では、文全体をよりアカデミックな表現に改めました。また、「reduce the complexity of language」を「modify their speech patterns to align with a child's cognitive and linguistic development」という表現に修正することで、子供の認知的・言語的発達に合わせて言葉遣いを調整するという意味合いを強調しました。

修正例4:
Although formal instruction on adapting language for young children is rare, most people intuitively recognize the need to adjust their communication based on a child's age and comprehension.
この例では、「modify language」を「adapting language」に、「without thinking」を「intuitively」に、「reduce the complexity of language」を「adjust their communication based on a child's age and comprehension」に修正しました。これにより、子供の年齢と理解度に合わせてコミュニケーションを調整するという意味合いがより明確になりました。

これらの修正例は、いずれも子供の発達段階に合わせて言葉遣いを調整するという点を強調しています。どの修正例を選ぶかは、文脈や読者層によって異なります。

生成系AI 三者の回答を読み合わせると、「より良い英文」が浮かび上がると思いますが、そのためには結構な英語力が求められるとも思います。

市井の英語講師にできるのはこのやりとりを見せることくらいですが、面倒な整序を経て完成したものが、あれでは困るのですよ。
「より良い英文で、より良い評価」「より良い英文で、より良い教材」であってほしいと切に願います。

本日はこの辺で。
本日のBGM: Meaningless (Jon Brion)

open.spotify.com

追記:京都大学の柳瀬陽介先生が公開しているプロンプトをCopilotに実行してもらった出力を貼っておきますので、上述の私と生成系AIとのやり取りと読み比べてみて下さい。私が常々言っている「フィードバック」の中身を考える格好の材料になると思います。

yanase-yosuke.blogspot.com

"Love means never having to say ...."

ライティングの個別指導では「ナラティブ」を基本として、テクストタイプ別の教材・課題を扱っていますが、その中で「お悩み相談」「人生相談」を定番の教材としています。
話型としては、相談者は時系列に沿って出来事や言動を語り・描写し、問題点を提示。回答者は、それを受けて助言・忠告をする、というのが典型。
そんな「お悩み相談」ではありませんが、次のようなパーソナルナラティブは、十分「教材」になるのではないかと思います。

"I’ve turned down proposals from two guys, and I’m so glad that I did. The first was a cop I was dating, and while he was probably one of the best guys I ever dated, I always felt uneasy with his job and knew I couldn’t ever let the happiness be greater than the worry. He deserved to have someone who would be his rock and in his corner confidently, and that wasn’t me.
"The second guy was the worst guy I ever dated. There were multiple red flags and mental and physical abuse. He was super possessive, and he only proposed with the most lavish ring to control me even more. He invited me to an elaborate proposal I knew about, and I didn't go. It felt so liberating to just shut him out. I'm now married to the most amazing man in the world, and guess what? No proposal! We knew it was meant to be on our first date, and we told each other when we’d like to be married!"
—BuzzFeed User
www.buzzfeed.com
「私は2人の男性からのプロポーズを断ったことがある。一人目は私が付き合っていた警官で、彼はおそらく私がこれまで付き合った中で最高の男の一人だったけれど、私はいつも彼の仕事に不安を感じていて、幸せが不安より大きくなることはあり得ないと思っていた。彼には彼の支えとなり、自信をもって彼を支えてくれる人がいて当然で、それは私ではなかった。
2番目の男は、私がこれまで付き合った中で最悪の男だった。赤信号がいくつもあって、精神的、肉体的虐待もあった。彼は超独占欲が強く、私をさらに支配するために、最も豪華な指輪でプロポーズしただけだった。私が知っている手の込んだプロポーズに誘われたけど、私は行かなかった。彼を締め出すだけで、とても解放された気分になったわ。私は今、世界で最も素晴らしい男性と結婚しています。プロポーズはなし!最初のデートで運命の相手だとわかったし、いつ結婚したいかもお互いに伝えたわ!」

  • BuzzFeedユーザー

現実には人生の中で何度もプロポーズを断るという経験を持つ人はそれほど多くないでしょうが、ドラマとなると話しは別です。

歳をとる前からTVは結構見る方ですが、地上波よりも、BSで時代劇を見ることが多いです。
先日たまたま妻がキッチンにいる環境で、『大江戸捜査網』を見ていたときのこと。

  • きちんとした日本語だねぇ。

というような言葉が耳に入ってきました。時代劇ならではのセリフ回しをそう感じた模様。
まぁ、イマドキのドラマと比べれば確かにそう聞こえるだろうな、と。

その回の、とある女性のセリフで、

  • 私と所帯を持ちたいって男は、掃いて捨てるほどいるんだからね!

と、煮え切らない男性に言う場面があったのですが、妻はその日本語が大層気に入ったらしく、「英語で言って、英語で!」というので、

  • 結婚を申し込んでくる男性が多すぎて、ひとりずつ全員に断るのが大変なくらいだ。

というような説明的な表現をするんじゃないかね、と言ったら、「何それ、面白くない。『掃いて捨てる』だよ!」と不満気でした。

ということで、身近な英語ネイティブに聞くよりも複数の生成系AIに、ということで、次のような投げ掛けをしてみました。

女性Aは男性Bのことが好きで、男性Bも女性あのことが好きだが、なかなかプロポーズをしてくれないことに苛立つ女性Aが、男性Bの決心を急かす目的で、次のセリフを言うとしたら、英語ではどう言うのが一番自然ですか?できる限り自然な英語に直してください。
1. 「断るのが大変なほど多くの男性が私に求婚してくる。」
2. 「私と結婚したいって言う男性は掃いて捨てるほどいるの。」

Copilot の回答

なるほど、それは女性Aが男性Bの決心を急かすために使うセリフですね。できる限り自然な英語に翻訳してみました。

1. "I have so many men proposing to me, it's hard to keep track!"
2. "There are so many men who want to marry me, I can't count them all."

どちらの表現も、女性Aが多くの男性から求婚されていることを示し、男性Bに対して急がなければならないというプレッシャーをかける効果的なセリフです。これで状況に合った自然な英語表現を使えます。これで大丈夫でしょうか?他にもお手伝いできることがあれば教えてください。

今一つですね。

Gemini 2.0 Flashの回答

女性Aが男性Bにプロポーズを促すために言うセリフの自然な英語表現についてですね。

1. 「断るのが大変なほど多くの男性が私に求婚してくる。」
このセリフを直訳すると、"So many men propose to me that it is difficult to refuse." となりますが、ネイティブスピーカーが使う自然な英語としては少し不自然です。より自然な英語にすると、以下のようになります。

• "I have so many guys asking me out, it's hard to keep track."
• "I've been getting a lot of proposals lately."
• "My phone's been blowing up with guys asking me out."

これらの表現は、遠回しに「私には多くの魅力的な男性がいる」ことを伝えつつ、男性Bにプレッシャーをかけるニュアンスを含んでいます。

2. 「私と結婚したいって言う男性は掃いて捨てるほどいるの。」
このセリフも直訳すると、"There are so many men who want to marry me that I can throw them away." となりますが、英語ではこのような直接的な表現はあまり使いません。より自然な英語にすると、以下のようになります。

• "I have guys lining up to marry me."
• "I have no shortage of guys who'd love to marry me."
• "I could get married tomorrow if I wanted to."

これらの表現は、「私には結婚したいと思う男性がたくさんいる」ことを強調し、男性Bに危機感を抱かせる効果があります。

これらのセリフは、あくまで女性Aが男性Bにプロポーズを促すためのものであり、実際に多くの男性から求婚されているかどうかは関係ありません。

随分マシになってきました。


Claude 3.5 Sonnetの回答

これらの表現を自然な英語に直してみましょう。どちらも同じような意味を持ちますが、少しニュアンスの違う複数の言い方があります:

1. 「断るのが大変なほど多くの男性が私に求婚してくる。」の自然な英語表現:

  • "I'm getting so many marriage proposals, I can hardly keep up with turning them down."
  • "I've been having to turn down marriage proposals left and right."
  • "I'm getting tired of saying 'no' to all these men who want to marry me."

2. 「私と結婚したいって言う男性は掃いて捨てるほどいるの。」の自然な英語表現:

  • "I have men lining up to marry me."
  • "I could have my pick of guys who want to marry me."
  • "There's no shortage of men who want to marry me."

これらの中で、特に効果的なのは:
"I've been having to turn down marriage proposals left and right."
このフレーズが最も自然で、かつ間接的に相手を焦らせる効果があります。"left and right" という表現は「あちこちで」「次々と」という意味で、カジュアルながら洗練された言い方です。

相手の嫉妬心をあおりつつ、自分の価値の高さを示唆する効果がありますが、あまり攻撃的ではない表現となっています。

なるほど。“have to 原形” を現在完了進行形で用いるアイデアは、私にはありませんでした。

この記事をお読みの方も、もし、このような場面に遭遇することがあれば使ってみて下さい。

今日の気になる語法は

  • have to 原形

です。

  • 「おいおい、そんな当たり前の表現を取り上げてどうするよ!」

と思う方は、先ほどの、

  • "I've been having to turn down marriage proposals left and right."

という表現が口からスラスラ出てくるか、自問自答してみて下さい。

「英文法」としては、一般には「助動詞」の項目で学ぶものとされているのではないかと思いますが、実際には、一般動詞と同様に時制や人称での活用もしますし、willやshouldなどの法助動詞(私の実践で言えば「横綱の助動詞」)の後にも続くことが出来ますので、私は「準横綱」ということもあります。

Tough decisions will have to be made before it gets too late.
手遅れになる前に、厳しい決断を下さなければならないでしょう。

主語となるはずのyou/we/Iなどが隠れることで、責任の主体を前面に出さずに済むことを確認。主観的な「圧」を減らす意識が受け身を選択させる例ですね。

Father of 21-year-old LSU student shot in car speaks out: 'I should never have to plan a funeral for my child'


車内で撃たれたルイジアナ州立大学の21歳の学生の父親が語る。「子供の葬儀を計画しなければならないなんて、あり得ない」

「そんなことがあってたまるか」のshould never have to原形。客観的な捉え方を、主観が受け付け(てはいけ)ない、という場面・生息域での表現。ここでのshotは、いわゆる過去分詞の後置修飾。この文の主語はFather動詞はspeaksであることを確認。

No woman should suffer needlessly from a preventable condition like fistula, yet an estimated 500,000 women and girls live with it globally.


瘻孔(ろうこう)のような予防可能な病気で女性が不必要に苦しむべきではないのに、世界中で推定 50 万人の女性と女児がこの病気に苦しんでいます。

<no名詞 should needlessly原形>はshould not have to 原形のバリエーションとして整理しておくのが吉。必然性を認めない強い主観の表明。非難や異議申し立ての文脈。suffer fromの目的語は「単発ではない持続する、繰り返すもの・こと」。


一般動詞の持つ特徴を残している、という点では、動詞の目的語として動名詞の形をとったり、前置詞に続いて動名詞の形をとる、ということがあげられます。

拙著 『チャンクで積み上げ英作文』ではStandard編で

  • あなたがその心配をしなければならないこと you having to worry about it
  • 残業をする必要がないこと not having to work overtime

を収録しています。後者は否定文脈で「不必要」を表すものですね。

辞書でもこの動名詞としての用例は多く見られるのですが、助動詞的have to 原形についての注記はほぼありません。

He hated having to explain that.
彼はそれを説明しなければならないのが(面倒で)いやだった. (Wisdom英和)

彼女は一人で留守番をしなければならないことに怒っていた
She was angry about having to stay at home alone. (G和英)

入試の素材文でも見られます。

A sense of conflicting identities may result from tensions between having to be a student, a parent, and an employee at the same time: these are examples of the multiple identities which people have.
学生であり、親であり、同時に従業員でなければならないという緊張から、アイデンティティの衝突を感じることがあります。これらは、人々が持つ複数のアイデンティティの例です。

betweenが前置詞で、それに続くhave to は動名詞のhaving toになっています。

“have to 原形” の否定は “don’t have to 原形” で「不必要」を表すのですが、否定の文脈を作るwithout に続いて同じく「不必要」を表します。

拙著 『チャンクで積み上げ英作文』のStandard編では、

  • 将来を憂うこともなく  without having to worry about the future

というチャンクを収録して、少しでも慣れてもらう配慮をしています。

この電車は千葉まで乗り換えなしで行ける
You can take this train to Chiba without having to change trains. (G和英)

ただでさえ夏で暑いのにスーツを着てネクタイを締めなくてはならないなんて。
This summer heat is bad enough as it is, without having to wear a suit and tie. (O-LEX和英)

彼女は振り向かなくても自分の後ろで何が起きているかを感じ取っていた.
She registered what was going on behind her without even having to turn her head. (研究社和英大)

意味上の主語つきの動名詞となることもあります。

You should offer to help without me having to ask.
私がお願いしなくても手伝いましょうかと言ってくれなくては. (コンパスローズ)

入試問題の素材文でもかなりの頻度で出てきます。

Time and money well spent means kids gain more from their schooling without having to spend too much time in the classroom.
時間とお金を有効に使うことで、子供たちは教室で過ごす時間を増やさなくても、より多くのことを学べるようになります。

Leaving aside the issue of whether this is good or bad, people clearly want to purchase things without having to talk to others.
これが良いか悪いかという問題はさておき、人々は明らかに他人と話さずに物を購入したいと思っている。

これは、「自動販売機天国」の日本の状況を取り上げた英文。

Children who see that their parents are afraid of bathing in a particular river can infer that the river is dangerous without having to test it out for themselves.
特定の川で泳ぐことを両親が恐れているのを知っている子供たちは、自分で試すことなくその川が危険であると推測することができます。

bathe in a river は単なる水浴びではなく、「川で泳ぐ」ということ。

The structure is also helpful as it allows busy readers to skim the beginnings of the stories and find out the core information without having to read the whole story.
この構造は、忙しい読者が物語の冒頭をざっと読むことで、物語全体を読むことなく核心的な情報を把握できるため、役立ちます。

新聞の紙面構成について言及した文。

焦点化される補語の位置を動名詞が占めることがあり、having to 原形が用いられることもあります。

One of the worst things about living in Osaka is having to suffer through the blazing summer heat.
大阪で暮らすことの最悪な点の一つは、猛暑の中で耐えなければならないことです。

The only strong memory I have of studying poetry before college is having to engage with a poem.
大学入学前に詩を学んだ強い記憶として唯一あるのは、詩と向き合わなければならなかったことです。

見た目の語句としては同じですが、have to 原形が進行形で用いられる場合もありますので、一つ一つ丁寧な扱いが必要です。

かつての無計画な宅地開発のつけが今の世代に回ってきた
The current generation is having to pay for the haphazard residential development of the past.
(O-LEX和英)
The government is having to introduce some difficult changes, particularly in moving over to a market economy.
政府は特に市場経済への移行の際に,いくつかの困難な変化を導入することを余儀なくされている. (COBUILD米語英英和)

ここまで見てきたように、主文の主語と動名詞の意味上の主語が同じ場合は日本語表現との対応もしやすいのですが、次のような例では、日本語で、 “have to 原形” の必然性が感じ難いので注意が必要です。

いちいち指図されなくてもそれくらいのことは自分の頭で考えてやれ.
Figure things out for yourself without having to be told what to do at every step. (研究社和英大)

この「受け身」が続く例は、次のような過去形の場合・場面に対応することが多い印象です。

She was very sick and had to be put to bed.
彼女は酷く体調を崩していたので、ベッドに寝かせられ(ることになっ)た。

文字通りには「寝かせなければならなかった」だけれども、日常の日本語では、上記和訳のうち、(  )のない表現で対応していることが多いと思われます。
助動詞のhave to の過去形 had toでの注意点は、「限りなく事実に近い言動」を表す、」ということです。「そうせざるを得なかったので、そうした」という部分を確認。

A couple was injured and had to be airlifted out of a Solano County park over the weekend after they fell while trying to hoof it from an ornery cow, authorities said.


週末、ソラノ郡の公園で、怒った牛から逃げようとしたカップルが転倒し、負傷して空輸されたと当局が発表した。

和文英訳でも日本文に「ねばならない」があるとhave to原形が使えるのに、上の例文のような日本語訳から、元の英文が作れる学習者は少ないので、頭の隅に置いておくのが吉。

COBUILD米語英英和は、次の用例を収録していて流石です。

Hayley contracted tuberculosis and had to be put in an isolation ward.
ヘイリーは結核に感染し,隔離病棟に移され(なければならなかっ)た.

過去基準時での受け身の実例を追加。

An employee at the Cincinnati Zoo employee had to be hospitalized after she was bitten by a highly venomous rattlesnake on Thursday, the zoo said in a statement obtained by CBS affiliate WKRC.


シンシナティ動物園の職員が木曜日に猛毒のガラガラヘビに噛まれ、入院を余儀なくされたと、CBS系列局WKRCが入手した声明で動物園が明らかにした。

一般動詞と同様に、完了形となることがありますが、日本語表現との対応は結構面倒です。

Besides wreaking havoc on domestic flights, the computer failure severely disrupted travel into Britain. And since planes were being held at their departure gates, there were no places for the incoming aircraft to park and unload passengers. "Most of our aircraft stands are full, so we have had to limit the amount of flights coming in," said a Heathrow spokesman.
U.K. Air Computer Glitch Strands Thousands - The New York Times
国内線に大混乱をもたらしただけでなく、コンピュータの故障はイギリスへの旅行にも大きな支障をきたした。飛行機が出発ゲートで待機していたため、到着する飛行機が駐機して乗客を降ろす場所がなかったのだ。ヒースロー空港の広報担当者は、「ほとんどの航空機が満席のため、入国するフライトを制限せざるを得ませんでした」と語った。

最終文の引用符内で、“we have had to limit” と現在完了となっているけれども、日本語訳ではその部分が前面には出ていないことに注意。

一般動詞の動名詞と同様に、完了形の動名詞となることもあります。

Elena was annoyed at having had to wait so long for him.
エレナは彼に長々と待たされたことに腹を立てた. (COBUILD米語英英和)

ここでも、日本語訳から英語表現への反訳は簡単ではありません。

たかが “have to 原形” とタカをくくらず、ひとつひとつ丁寧に扱ってほしいと私が願わなくてもいい日は訪れるでしょうか?

Will the day come when I can teach “have to + base form” without having to hope it's treated with proper care and attention?

本日はこの辺で。

本日のBGM: Theme from “Love Story” (Francis Lai)

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前回の記事

tmrowing.hatenablog.com

で紹介した「エピソード」の和訳です。

先日、全国的に有名なファーストフード店でランチを食べました。研修中の若い女性が私にサービスをしてくれました。彼女は丁寧に話し、私は彼女の言っていることを完璧に理解しましたが、カウンターの端にいるお客さんに食べ物を運んできた男性のウェイターが何を言っているのかは聞き取れませんでした。彼は「こちらがご注文の品です。お食事をお楽しみください。」のようなことを言ったに違いありませんが、彼の言葉は一言も聞き取れませんでした。彼は日本語の能力が限られた留学生なのか、それともただ話し方が粗かったのか疑問に思いました。

その後すぐに、彼がキッチンスタッフに言ったことに驚かされました。
「おあと5人様お待ちです!」
それは非常に明瞭で、彼が日本語のネイティブスピーカーであることを確信しました。
私は、「私は現在、適切な顧客サービスを提供しています」という事実を明示的に述べることを強調する言語使用と、必要な情報を明確かつあいまいさなく伝えることを優先する言語使用の対比が明らかになる瞬間を目撃しました。

それが物語の終わりではありません。食事を終えた後、私はレジカウンターに行きました。私が望んでいた若い女性が私に対応してくれることなく、例の男性がレジに来ました。驚くことに、彼が言った請求額の日本語は聞き取ることができました。「やっぱりそうだ!」と思いましたが、その自己満足は長続きしませんでした。支払いを終えて振り返り、ドアに向かおうとしたとき、後ろから明るい声が聞こえてきました:
「※☆〜*〜!」
完全に意味不明。驚きです。

  • 「こちらがご注文の品になります。」

は簡潔には、“Here you are.” とか “Here’s your order.” がより一般的なやりとりでしょうか。
最後に客に向かってかける言葉としては、

  • 「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしています。」

辺りになるのだろうと思いますので、AI生成の際にも、何回かそこだけやり直して、日本語に寄せています。客商売での定型表現としては、

  • We look forward to serving you again.

とか

  • Thank you for choosing us.

ですが、英語圏のファストフード店では何と言ってますかね?

• "Thanks for dining with us. See you again soon!"
• "Thanks for stopping by. Come back again soon!"
• "We appreciate your business. Enjoy the rest of your day!"

辺りでしょうか。
知らないことはまだまだたくさんありますね。

ということで、今日の「気になる語法」は、

  • knowledge界隈

です。

動詞はknowで派生名詞がknowledgeというくらいの知識は皆さんお持ちでしょう。
通例は不可算扱いのknowledgeも形容詞で修飾されると、不定冠詞がつくことがある、というのも、大学入試では問われたりするのか、教材でもきちんと触れられていますね。

I have been with you for eleven years, and have an intimate knowledge of the business.
私はあなたと11年間一緒に働いてこの仕事がよくわかっています。 (西尾孝『実戦英単語活用事典』日本英語教育協会、1981年)

辞書にも当然のように用例があります。

John has a basic knowledge of German.
ジョンにはドイツ語の基礎知識がある. (Wisdom英和)

He gained a first knowledge of Iran. 彼はイランについての直接の知識を得た。
(『実用英語サクセス小英和』日本英語教育協会、1985年)

入試問題でこの知識が直接問われることは少なく、誤文選択や誤箇所指摘の設問でも、knowledgeや不定冠詞に下線が引かれているのは極めて稀ではないかと思います。

For people to be considered cultured, it is necessary for them to have a general knowledge of the important landmarks, past and present, in several fields, such as literature, art, history, and politics.
教養のある人と見なされるためには、文学、美術、歴史、政治など、いくつかの分野における過去から現在までの特筆すべき重要な事象について、一般的な知識を持っておくことが必要です。

まあ、某大某学部のようにいやらしい作問もあるにはありますけど。

Sigmund Freud, the founder of psychoanalysis, said several times of Nietzsche that he had a more penetrating knowledge of himself than any other person who ever lived or was ever likely to live.
精神分析の創始者であるジークムント・フロイトは、ニーチェについて、彼はこれまで生きた、またはこれから生きる可能性のあるどの人間よりも、自分自身について深い洞察を持っていると何度も語った。

ちょっと変わったところでは、正誤辞典。

(X) He has considerable knowledges of Russian politics.
(○) He has a considerable knowledge of Russian politics.pixs
(彼はロシアの政治についてかなりの知識があります)
knowledge は, 「身につけた知識」 の意味では不定冠詞と共に用いられることがある.ただし,複数形で使うことはできない。
(木塚晴夫&ジェームス・バーダマン『日本人学習者のための米語正誤チェック辞典』 マクミラン、1997年、p.317)

この「…用いられることがある」というのが適切な記述、という印象です。
形容詞がつくと常に不定冠詞がつく、というのは過度の一般化でしょう。

辞書の記述から。

Maki has (a) good [has no, doesn't have (any)] knowledge of American culture.
真紀はアメリカ文化のことをよく知っている[全然知らない] (Wisdom英和)

とあるように、不定冠詞は(  )に入っています。同辞典の「コーパスの窓」のコラムでは、

不定冠詞との関係 具体的な場面を意識していう場合は不定冠詞をとることが多い. また, その際, 形などの修飾語を伴いやすくなる. なお, 不定冠詞を伴うとしばしばひと通りの体系的知識を暗示する
You need to have a knowledge of computers to understand the book.
この本を理解するにはコンピュータのひと通りの知識が必要です.

「多い」「伴いやすくなる」という穏当で妥当な記述です。

現代の英語では形容詞との結びつきでひとつひとつ違う様相を呈しているので、辞書の記述と言えども鵜呑みにせず、実例ありきで対処するのが吉。

He had an intimate knowledge of painting, music and other arts.
絵画,音楽その他の芸術に精通していた. (ランダムハウス英和)
She has an intimate knowledge of the Asian market.
彼女はアジアの市場を熟知している。 (Oxfordコロケーション)

上記二例では、不定冠詞となっている intimateですが、Google BooksのNgramViewerだと比較的近年で頻度の逆転が見て取れます。
比較の対象として、basicを取り上げています。

全体では、2015年には入れ替わりが見られます。basicも無冠詞が急上昇していますが、まだ不定冠詞との差があります。

米では20世紀末には入れ替わりの兆しが見られ、2010年以降は差が開いています。

英では今が入れ替わりの見られる時期かもしれません。

COCAで、knowledgeを修飾する形容詞の上位はこのようになっていますので、普段から気にしておくのが良いでしょう。

さあ、名詞knowledgeにも慣れてきたと思いますので、今日の本題で、

  • without the knowledge of の語義と生息域

です。

辞書の成句でも取り上げられているのですが、
多くの辞書の記述では

  • without A’s knowledge = without the knowledge of A

となっているにも関わらず、成句の項では用例は所有格のものだけが収録されています。

without A's knówledge
(1) A<人>の知らないうちに
He borrowed it without her knowledge. 彼は彼女に無断でそれを借りた. (Wisdom英和)

withòut O's knówledge = withòut the knówledge of O
O〈人〉に知らせずに, 無断で; O〈人〉の知らぬまに
He crept out without his wife's knowledge.
彼は妻が気づかないうちにそっと出ていった. (G6)

この知識があれば、次のような読解の素材文に対応可能でしょう。

Digital technology also brings potential problems. There are threats to privacy: digital systems can gather and communicate large amounts of information about people, often without their knowledge.
デジタル技術は潜在的な問題ももたらします。プライバシーへの脅威があります。デジタルシステムは、人々に関する大量の情報を、しばしば本人の知らないうちに収集し、伝達することができます。

辞書でwithout the knowledge of の用例を載せているものもあります。

without the knowledge of
…に知られずに, に無断で
He married without the knowledge of his parents.
彼は両親に無断で結婚した. (クラウン英語イディオム)

この例では、his parents とあるので、対象は2人であることが分かります。
三省堂の『クラウン英語イディオム辞典』は2023年。
私が高校生の頃使っていた、小学館の『新選英和辞典』 (1981年)にも似た用例があります。

We got married without the knowledge of our parents.
私たちは両親に無断で結婚した。

この場合のour parentsでは、新郎と新婦双方に両親がいる可能性があるので、対象は最大4人ですね。

物書堂など、手軽に的確な用例検索ができる辞書であれば、この “the knowledge of …” の部分を含んだ用例も得られます。

親の目を盗んで(=内緒で)賭けトランプをする
play cards for money without the knowledge of one's parents. (Wisdom 和英)

He returned to Italy without the knowledge of his friends.
友人たちが知らないうちにイタリアに戻ってしまった.(研究社英和活用大)

私が取り上げた the knowledge of A では、「Aが知ること;Aに知らせること;Aに知られること」という意味のつながりを持っています。これがAタイプです。

一方で、ジャマイカの国民的英雄と言われるマーカス・ガーベイ (Marcus Garvey) の残した有名な言葉、

A people without the knowledge of their past history, origin and culture is like a tree without roots.
過去の歴史、起源、文化の知識を持たない人々は、根のない木のようなものだ。

に見られる、the knowledge of Bでは、「Bを知(ってい)ること」という意味のつながりを持っていることに注意が必要です。これをBタイプとしておきましょう。

実例で確認します。

Operation Nanhe Fariste:- On 11.01.2025, RPF /BBS rescued a minor girl aged 16 years from PF No.06 of BBS R/S , who had run away from home without the knowledge of her parents. The rescued girl was handed over to Child Welfare Committee, Bhubaneswar as the guidelines of SOP.


ナンヘ・ファリステ作戦:- 2025年1月11日、RPF / BBSは、BBS R/SのPF番号06から、両親に知られずに家から逃げていた16歳の未成年の少女を救出しました。救出された少女は、SOPのガイドラインに従って、ブヴァネーシュワールの児童福祉委員会に引き渡されました。

ここでの without the knowledge of はAタイプですが、文脈に注意が必要です。
(?)「親に知らせずに」というよりは、(○)「親に知られずに」という意味を表すもの、と解釈するのが適切だと思います。

入試問題でもこのAタイプが実際に読解素材文には現れますが、あまり注目されていない模様。

A person or persons unknown have produced a copy of the Mosquito buzz for use as a cell-phone ring tone, evidently with the idea that it will enable students to receive notification of new text messages while sitting in class, without the knowledge of the teacher.
何者かが、モスキート音を携帯電話の着信音として使用できるようにコピーを作成しました。明らかに、それは学生が授業中に教師に気付かれることなく新しいテキストメッセージの通知を受け取ることを可能にするという考えに基づいています。

これは明らかにAタイプです。ここでも (?) 「無断で」というよりは、(○「知られずに」という解釈が吉。

I have never been able to tell him directly how much I love him. This, I must admit, has been a great failing of mine. He left for California today, and I am incredibly sad because I am certain that he did so without knowledge of how I really feel.
私は彼にどれほど愛しているかを直接伝えたことが一度もありません。それが私の大きな欠点であることを認めざるを得ません。彼は今日カリフォルニアへ旅立ちましたが、私はとても悲しいです。なぜなら、彼が私の本当の気持ちを知らないまま行ってしまったと確信しているからです。

こちらはBタイプ。ここでのwithoutでの副詞句は、he did so (= he left for California) を修飾するものです。of に続くのが人ではなく how SVで名詞節=ことがら、であることを確認。

A lot of people are trying barefoot running without preparation and without the knowledge of what happens when you take off your running shoes, and I was one of them.
www.npr.org
多くの人が準備もせず、ランニングシューズを脱いだときに何が起こるのかを知らないまま裸足ランニングを試していますが、私もその一人でした。

こちらもBタイプですね。ofに続くのが what Vで名詞節です。

続いて英語ニュースから。

Andy Vermaut shares:Jofra Archer plays for Barbados side without Rob Key's knowledge: Jofra Archer plays in Barbados without the knowledge of England management, despite still recovering from an elbow injury.


アンディ・バーモートがシェア: ジョフラ・アーチャーはロブ・キーの許可なくバルバドス代表でプレー: ジョフラ・アーチャーは、肘の怪我からまだ回復中であるにもかかわらず、イングランドの経営陣の許可なくバルバドスでプレーしている。

こちらはAタイプ。所有格の without Rob Key’s knowledgeと同じ文脈で使われています。
因に、Jofra Archerはバルバドス出身でイングランド代表のクリケット選手。Rob Keyも元代表選手で、現在はクリケットの英国代表チームのmanaging director。 (England and Wales Cricket Board (ECB) - The Official Website of the ECB)

AタイプかBタイプかの違いは、「人」か「ことがら」かの違いだからそこを見極めれば簡単、と言うのは易しいですが、次のような英英辞典の用例がヒットした時に、その語義が一読了解できるでしょうか?

  • The legislation was introduced before Parliament without the prior knowledge of the king. (Oxfordアカデミック)

この英文は

  • その法律は、国王の事前の承認なしに議会に提出された。

というような意味になるはずです。(X)「国王について知(ってい)ること」でも(X)「国王と知り合いであること」でもありません。

Aタイプの用法に習熟するためにも、やはり、典型例で without the knowledge ofに続く名詞との意味の結びつきを確認する作業を何回かはしておくのが良いでしょう。

次のsubjectsのような名詞がくる場合に双方の可能性を考えて最適解を得ることが大事です。

In 1945, shortly before the war’s end, water fluoridation abruptly emerged with the full force of the federal government behind it. In that year, two Michigan cities were selected for an official “15-year” comparison study to determine if fluoride could safely reduce cavities in children, and fluoride was pumped into the drinking water of Grand Rapids.
Other early experiments were performed, not only without publicity, but without the knowledge of the subjects. The scientific value of these experiments — and their ethics — were dubious in the extreme.
americanwaterlesscookware.com
1945年、戦争の終わりが近づく中、水フッ化物添加が連邦政府の全面的な支持を受けて突然登場しました。その年、ミシガン州の2つの都市が、フッ化物が子供の虫歯を安全に減少させることができるかどうかを判断するための公式な「15年」比較研究のために選ばれ、グランドラピッズの飲料水にフッ化物が注入されました。
他の初期の実験も行われましたが、それは公表されることなく、被験者にも知らされないまま でした。これらの実験の科学的価値とその倫理は、極めて疑わしいものでした。

ここでは「被験者のことをよく知らないまま」という解釈の可能性がないわけではありませんが、上述の和訳の方が適しているでしょう。

最後にこちらの英文を。

English learners in Japan tend to prefer a learning method that makes it seem as if they have substantially improved their English skills without the knowledge of others.
日本の英語学習者は、他人に知られることなく、自分の英語力が大幅に向上したように見える学習方法を好む傾向があります。

これ、結構、あるあるだと思います。そして、飛躍したらそれをお披露目したり、他者に教えたりする人もまた多い印象です。

所詮は語学。学習法なんて Whatever works. ですから。主役はあなた自身。

本日はこの辺で。

本日のBGM: 脇役であるとも知らずに (ゴンチチ)

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結ばれたものもいつかは解ける

前回の記事で、「テクストタイプ別 英文ライティング 個別指導」での「ナラティブ」の課題を一つ紹介しました。所謂「小説前後」の課題です。

tmrowing.hatenablog.com

私のライティング指導は「ナラティブ」を基本としているので、「ナラティブ課題」も色々なものを課していますが、この「小説前後」は、グループ活動でも、個人の活動でも十分に楽しめて、かつ、英語のライティング力、それを支える語彙力、文法力、表現力などを伸ばせるものだと思っています。

この手の活動が英語学習の段階で広く行われていないのは、入試であれ、検定であれ、どこでもテストされないというところにあるのでしょう。だからこそ、個別指導では極力入れるようにしています。

文学理論としての「ナラトロジー」研究は近年随分進み、深まっているようですが、市井の英語講師がついて行くのは大変です。私は私で出来ることを続けて行こうと思います。

教材としての「ナラティブ」のテクスト、で200-300語程度のものを細々と整備しています。
小説やWEB媒体での語り、ソーシャルメディアでの投稿など、日本語の文章も拾って、その英訳を準備することもありますが、巷の文章で採取できない、し難いようなテーマ性、トピック性のあるものは、自分で書いています。

例えば次のようなもの。
10年ほど前の「某ファストフード店」での実体験ですが、簡単に振り返りまとめたものです。
最後の「意味不明」な「音」がどんなものだったか、推測してみて下さい。
はてなの「ブログ」は「ダイアリー」時代と違って、音声ファイルのみを貼り付けるのが大変ですので、外付けのものとリンクして音源を着けておきます。和訳は明日以降のブログにでも貼っておきます。

The other day, I had lunch at a nationally famous fast-food restaurant. A young woman in training was serving me. She spoke politely, and I understood her perfectly, but when a young male waiter brought food to a customer at the end of my counter, I failed to catch what the man was saying. He must have said something like, "Here is your ordered item. Please enjoy your meal. " But I could not catch a single word. I wondered if he was an overseas student with limited Japanese proficiency or he just spoke roughly. 

Shortly after that, what he said to the kitchen staff startled me.
"Five more people are waiting."
That was so intelligible that I was sure he was a native speaker of Japanese.
I witnessed the moment when the contrast between language use that emphasizes explicitly stating the fact, "I am currently providing appropriate customer service," and language use that prioritizes clearly and unambiguously conveying the necessary information became apparent.


That is not the end of the story. After finishing my meal, I went to the cashier counter. Against my wish that the young woman was attending to me, the man came to the register. Surprisingly, I heard the amount of the bill he said in Japanese. I thought, "That's just as I guessed!" but that self-satisfaction was only short-lived. I completed my payment and turned around to head towards the door when a cheerful voice came from behind:
"※☆〜*〜!"
Complete gibberish.
Amazing.

音源をSoundcloud経由で

soundcloud.com

感想などもお寄せいただけると幸せます。

前回の記事の「気になる語法」の "seen from" の生息域に関しては、追記もしたのですが、例によってあまり反響はありませんでしたね。
英語を教える人の中でも、特にTBLTに立脚している方などには十分に考えておいて欲しいテーマなのですが、

  • タスクを達成する、というときに、いったいどのようなことばをどのように使っているのか [いたのか]?
  • タスクの達成に失敗した、というときに、いったいどのようなことばを、どのようにつかっているのか [いたのか]?

テクストそのものの精査、見直しが、タスクを記述し、タスクの難易度を整備するための「技の辞書」の記述には不可欠だと思っています。
新しいものばかりを追い求めていないで、足下を照らしたり、足跡を辿り直したりすることもまた大事だと思いますよ。

本日はこの辺で。

本日のBGM: ウィノナ (the pillows)

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岡目八目

今シーズンも、オンラインのライティング個別指導を続けています。

新年度の4月からではなく、2月、3月から受講開始を希望する方の受付を近々開始します。募集は若干名となりますので、この機会に是非ご検討下さい。

受験生以外の一般の方の受講が多いのは「テクストタイプ別」ライティングになります。

現在、大学入試対策以外で、英文ライティングや和文英訳を学んだり、スキルを磨き、伸ばしたりする機会はとても少なくなっています。

かつては、研究社の『英語青年』に和文英訳演習があり、特にノービスとエリートが分けられ、「高等科」が独立していた時代は高いレベルで和文英訳を磨くことが出来たことだろうと思うのです。私が読んでいた時期でも、2000年代では、成瀬武史先生の連載からは多くを学びました。大修館の『英語教育』でも、田邊祐司先生が連載を持っていた頃の出題と、その捌き方には唸ることが多かった記憶があります。

私が開講している「テクストタイプ別ライティング」でも、中級編では、和文に基づく英文ライティングの課題を設定しています。

そもそもが、英検やTOEFLなどの検定試験対策を謳っていない講座ですので、次のようなおおまかな課題設定、シラバスとなっています。

初級編、中級編とも初回のガイダンスで受講者のレベルやニーズを把握し、教材や課題のカスタマイズはしていきますが、定番の課題は上記のようなものになります。
今日は、そのうち「中級編・後期」の「ナラティブ」の課題で課している、

  • ある物語の、前 or 後を書く

という課題のサンプルを過去の受講者の許可を得て匿名にて。

受講者から提出された「ナラティブ作品」に対して、次のようなフィードバックを与えています。


誤りの訂正だけがフィードバックではない、ということが分かってもらえるでしょうか?
当然、オリジナルの物語 (この場合は新美南吉による児童文学作品がベース)がありますから、いくら受講者の創作とは言え、時代や場面、登場人物(動物?)の設定 (= setting) が突拍子のないものになってはダメだし、episodeでの展開や結末など、オリジナルが活かされないと、魅力ある「語り」とはなりません。
また、検定や資格試験などでは、とかく「美辞麗句」で飾った表現をちりばめたり、大袈裟な語彙選択をしたり、と「無駄な背伸び」が見られますが、ナラティブのクオリティを高めるのは、徹底的に「語り」と向き合うことですから、平明で易しい語彙選択、構文選択であっても、いやむしろ、平易なことばを選ぶからこそ、語りを成立させる「ことばづかい」は難しくなります。

裏返せば、argumentativeなエッセイを書くことからは得られない充実感、達成感がある、ということでもあります。
ナラティブを磨く機会はなかなかないのが現状なので、この講座を活かしてもらえればと思います。
上述の私からのフィードバックには適宜、修正の代案や比較検討して欲しい言い回しを記していますが、直接解答例を示してはいません。そこから先は受講者がフィードバックを見ている状況で、次回のオンラインのセッションで直接やり取りをして、「書きたかったけど書けなかったこと」や「そもそも思いついてもいなかったこと(表現、情報の流れ、構成を含む)」を確認しています。

それを経ての見直し、書き直しになりますが、今では生成系AIのサポートが得られますので、WCF (= Written Corrective Feedback) を踏まえた上での書き直しを複数の生成系AIに求め、その出力結果を受講者にも示しています。
上述の「小説前後」の課題は「創作」の要素も大きいので、そもそも「模範解答」などないのですが、身近なナラティブで、200〜300語程度のつながりまとまりのある良質の英文、というのは市販教材ではそれほど多くないのもまた現状なので、この生成系AIからの出力も、参考資料としての意味は大きいものです。

次の英文は、私からのWCFを踏まえた上でのClaudeの書いたrevised versionです。
こちらは模範解答として暗唱するなどといったことは全くやりません。
模範としてではなく、こちらもオンラインのセッションで、私と受講者とのやり取りで学ぶべきところ、検討後却下していいところなどを確認しています。

正式募集開始まで今暫くお待ち下さい。

本日の気になる語法は、上で示した私のフィードバックの中にもあった、

  • Seen from で始まる文のメインの動詞

です。
写真でアップしたところを再掲します。

イントロの分詞構文の動詞と、メインの動詞の両方が「視覚」に関わる場合の処理。
(△) Seen from behind, everybody looks the same. 後ろから見ると, みんな同じに見える. (G6)
(○) From behind, everybody looks the same. 後ろからだと, みんな同じに見える.
(○) Seen from the plane, those islands were small but really beautiful.
   飛行機から見ると、その島々は小さいものの、非常に美しかった。
このタイプの文頭の seen from を受ける、メイン(主節)の動詞が、 lookになっているのは、どうにも感心しない。英語ネイティブの話す(書く)英語にも見られるが、 seen といっている以上、見た目の話しなのである。

どういうわけか、大学入試過去問で作られた精選問題集によく出てくる印象なのですが、どうにも感心しない用例が多いのです。

Seen from a distance, the huge rock looked like a human face.
遠くから見ると巨大な岩は人間の顔に見える。

Seen from an airplane, the lake looks like a huge doughnut.
飛行機から見ると、その湖は巨大なドーナッツのように見える。

Seen from this angle, the mountain looks like an old man.
この角度から見ると、その山は老人のように見える。

メインの動詞でlook like を使うだけだったら、イントロは前置詞fromだけで十分でしょ?
特に最後の例などは、「どこがどう老人に似ているのか?」という記述がなければ情報としての価値は殆どありません。

この “seen from” など、seen + 前置詞句でのイントロで導く主文の内容は多くの場合、価値判断や詳細な描写形容でしょう。
近年の出題では多少改善されているとも言えるのですが、その一文での情報価値はそれほど高くないので、その前後とのつながりが重要な意味を持ってくるはず。でも、テストではその一文だけで問われるという、なんとも生産性の低い出題になっています。

Seen from the plane, the islands were very pretty.
飛行機から見ると、島々はとても美しかった。

Seen from the top of the mountain, the stars looked very beautiful. I cannot forget that wonderful night sky.
山頂から見ると、星はとても美しく見えた。私はあの素晴らしい夜空を忘れられない。

Seen from the plane on the second day of our trip, Mt. Fuji was so beautiful that I took a lot of photos.
旅行の2日目に飛行機から見た富士山はとても美しく、たくさん写真を撮りました。

次の例などは、主文が「見た目」の話しであっても許容範囲ですかね。

Seen from this side, they are at first glance very similar indeed.
こちら側から見ると、その二人は初見では本当にとてもよく似ている。

Seen from the bottom, the building seemed to climb to the clouds.
下から見ると、その建物は雲に向かってそびえているように見えた。

かなり昔の出題でも、価値判断で適切な生息域のものもありました。

Seen from this point of view, the matter is not as serious as people generally suppose.
この観点から考えると、その問題は一般に考えられているほど深刻ではない。

こういうのをもっと見せておいて欲しいんですよね。

英語ニュースから実例を。

But most striking are the houses. Seen from above, Lake Charles is dotted with blue tarps; from the street, residential blocks are punctuated by crumbled brick facades.
https://finance.yahoo.com/news/government-failing-americans-uprooted-calamity-142428001.html
しかし、最も印象的なのは家々です。上空から見ると、レイクチャールズは青い防水シートで点在しており、通りから見ると住宅街は崩れたレンガの外壁が目立ちます。

Approached from the side, it was evidently a large ovoid bulge that extended seamlessly from the wall, at head height. Seen from the front, the bulge was much harder to detect: it seemed to have been absorbed back into the wall.
www.newyorker.com
横から近づくと、それは明らかに壁から頭の高さで滑らかに突き出た大きな卵形の膨らみだった。正面から見ると、その膨らみははるかに見つけにくく、壁に吸収されてしまったように見えた。

Symmetry and asymmetry are fundamental properties of nature. Seen from above, butterflies have left-right symmetry, while male fiddler crabs show dramatic asymmetry. This is also the case for the fundamental units of life: cells. They control the symmetry of their internal structures to regulate all biological functions.
phys.org
対称性と非対称性は自然の基本的な特性です。上から見ると、蝶は左右対称ですが、オスのシオマネキは劇的な非対称性を示します。これは生命の基本単位である細胞にも当てはまります。細胞は内部構造の対称性を制御して、すべての生物学的機能を調節します。

ソーシャルメディアからも。

This breathtaking new art museum sits on a lake in Hangzhou. Seen from above, the Yohoo Museum, designed by @Aedas forms two interlocking jade rings, nodding to the precious mineral that’s been used in important rituals since ancient times.


この息を呑むほど美しい新しい美術館は、杭州の湖畔にあります。上から見ると、 @Aedasが設計した Yohoo 美術館は、2 つの翡翠の輪が絡み合った形をしており、古代から重要な儀式に使用されてきた貴重な鉱物を彷彿とさせます。

実例で多く見聞きするのは、名詞の修飾語句としても使われる “as seen from” ですね。

A rare blue super moon aka Sturgeon Moon rises over the Golden Gate Bridge, SkyStar Wheel at Fisherman’s Wharf and the Oakland Coliseum as seen from Marin Headlands in Sausalito.


珍しい青いスーパームーン、別名スタージョンムーンが、ゴールデンゲートブリッジ、フィッシャーマンズワーフのスカイスターホイール、そしてサウサリートのマリンヘッドランズから見たオークランドコロシアムの上に昇ります。

A mellow evening sun casts a golden glow over the Kathmandu Valley and distant mountains, as seen from Kirtipur on Thursday.


木曜日、キルティプルから見た穏やかな夕日がカトマンズ渓谷と遠くの山々に金色の輝きを投げかけている。

この "as seen from ..." は、もっと気にしておいて然るべきだと思いますね。asのところに whenがくることもありますけど。

As seen from a practical view, the situation presents several problems.
実際的な面から見ると,その事態にはいくつかの問題がある. (ランダムハウス英和)

評価ですね。

次は名詞の後置修飾の例。

the earth as seen (=as it is seen) from a spacecraft
宇宙船から見た地球 (コンパスローズ英和)

最後は、COCA系からNOWコーパスでの検索結果で締めておきましょう。
Seen from の文頭縛りで比較的新しいものを70例ほど。


こうして眺めてみると、メインの動詞に「視覚系」動詞がくる例は少ないことが実感できるのではないでしょうか?

そろそろ、テストも教材も、見直していい時期ですよね。

☆2025年2月1日追記

例によって、英語表現そのものについての記事は関心が薄いみたいですが、多くの指導者が、この項目をテストで出題して、その正解・不正解によって英語が出来る・出来ないを決めているんじゃありませんか?
メインの動詞にlookを使うのなら、文頭になくてもOKのseenを文頭で書かせるのは本当に見直してほしいんですよ。そもそも四択の問題でseeingとかを見せておいて、seenを選ばせようとするから混乱するのでは?
米語だけの検索結果ですが、seenなしでFrom a distance(1枚目位から3枚目)と Seen from a distanceでこのくらいの差ですから。
どちらも多くが小説。

均衡コーパスのCOCAで、 文頭が From a distanceで始まり、メインの動詞にlookがくるもの。


文頭のSeen from a distanceだと僅か1例。しかも30年以上前。

「教えるな」とまでは言いませんが、なくても良いSeenを敢えて書かせる必然性は何なのかを教えてほしい。
しかも、それを教えるのに、beingの省略とか、接続詞 +SVの復元とかいった手順を経るのは、本当に見直してほしい。
「そんなことで英語が出来る・出来ないを決めてもらっちゃ困る」と、15歳の&18歳の松井少年も思ったことでしょう。

本日はこの辺で。
本日のBGM: from above (Ben Folds)

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期待しているよ 少し大袈裟でも

前回、前々回の「共通テスト」ネタは一部では反応がありましたが、私の意図というか、真意はあまり伝わっていないようです。

まずはこれが、そもそもの記事。「2025年 共通テスト R 第4問」の英文を取り上げた批評。

tmrowing.hatenablog.com

そして、こちらが、「2025年 共通テスト L 第5問」の英文を取り上げた批評。

tmrowing.hatenablog.com

リスニングのスクリプトを取り上げた意図はは、記事でも書きましたが、

「一回読み」での英文スクリプトは、聞き返さなくても、ちゃんとわかるように書いてあるでしょ、だったらリーディングでも同じことでは?

という問いかけです。まあ、そのリスニングのスクリプトにも改善点はあるのですが、リーディングの英文ほどではないので。


ということで、あらためて、リーディング第4問のあの「英文」を精査しておきましょう。
前々回、前回と生成系AIのClaudeを使っていたのですが、最近では、世界中で使われているためか、Sonnet 3.5が使えず、Haikuにグレードダウンしている時があります。
ということで、巷では高性能と評判の生成系AIのGemini の試用版 (2.0)でやってもらいました。

まずは、問題文の段階で修正後の英文を初手で読んでもらって、revised versionを書いてもらいました。revisionの観点も簡潔に説明しています。和訳は Kagi Translate の出力を使っています。

Geminiによる初手の revision

Kagi Translate による和訳

これだと、まだ、私が前々回に指摘した部分が不明、曖昧なのですが、この段階でのGeminiの言い分を聞いておきましょう。

受験生がこのコメントの英語を読んで「一読了解」できて、どこがどう修正されたかが分かっても、どのように良くなったのかが分かのるかはちょっと疑問で、心配です。

次に、Geminiに前々回の私のWCFを読み込ませて、再度reviseしてもらいました。

初手のものよりはちょっとだけ長くなりました。

Kagi Translate による和訳

Geminiからの趣旨説明コメント

さあ、読み比べていかがでしょうか?
初手のものからの改善点はわかりましたか?

前々回の記事でも示した Claude Sonnet 3.5のrevised versionを再度載せておくので、比較してみて下さい。

人力によるWCFを踏まえてのrevisionの方が、「より良い英文」になっていると思うのは私だけでしょうか?

私の記事でも生成系AIを使ってはいますが、ハサミと同じで使いよう、と簡単には行かないと思っています。こちらでも呟いていました。

上で、Claudeの現状にも触れましたが、「無料版」とか「試用版」がいつまでもそのままとは限らないので、インフルエンサーにいくら高性能を謳われても、「課金」の余裕がない人には手が届かないわけですから、性能の劣るツールで満足するしかありません。これって、格差が拡がるだけでなく、高性能化の流れに乗れない人は、自分自身の英語学習、指導、運用において、結構なストレスになると思っています。

その意味で、水本篤先生が開発した LexiTrackerは現時点では頼れるツールになる予感がしています。

https://mizumot.com/vocabtracker.htm

予感を実感にしたいので、多くの人に試して欲しいと思います。

最後に「気になる語法」というほどではありませんが、ツイッターで情報を出していたものをこちらでも。

名詞のintentionもintentも不定詞が続くけれど、「…する意図/つもりはない」という際の名詞はintentよりもintentionが優勢で、 no intentionに続くのは不定詞 (to 原形)よりも of +(動)名詞が優勢。

with intention to 原形の例

with intent to 原形の例

"with no intention to 原形" の例。

COCA系の検索結果はこちらのツイートに貼ってありますので、そちらで詳しくみて下さい。

COCA系でざっくりと。

実態はなかなか…。
「『そんなこと言わないよ』なんて絶対言えない」案件の一つでしょうかね。

本日はこの辺で。

本日のBGM: 期待と予感 (スカート)

open.spotify.com

youtu.be

「いつか誰かが…」

前々回のエントリーでは、「新課程対応とされる共通テスト」のリーディング第4問の英文を取り上げました。

「遅い=粗い では困ります」
tmrowing.hatenablog.com

毎回、その記事の内容やテーマを考慮し、「本日のBGM」を流しているのですが、先のエントリーではJohn Mayerの “Slow dancing in a burning room” にしていました。
これまでも「素早い情報処理に追われる」と受験生からの悲鳴が聞こえ、有識者からの批判がなされてきた共通テストのリーディングで、 “Slow Life” という話題が投げ込まれた、という皮肉な現象を私なりに揶揄したものでした。

BGMはともかく、記事の内容にはごく一部では反響がありました。
しかしながら、巷の「共通テスト」の解説では、新形式で「表現する意識」とか「書き手の視点」が打ち出されていて良い、というようなものが散見されて凹むというか萎えるというか…。

先の記事では

一般論では「拙速の戒め」で、「いくら速くそのタスクをこなしたとしても、それが拙ければその意義は…」と注文が付くだろうと思いますが、「ゆっくりやったのに、その結果が雑」ではもっとダメだと思うのですね

と書いていますが、これは今回の共通テストの作問チームへの苦言でもあります。
今回の出題が「英文ライティング」の代替問題として好ましいとか、高く評価したりしている人は、英文ライティングやそのフィードバックをその程度のものだと考えている、ということなのだと思います。私はそれには全く与しませんので。

「フィードバック」に関しても、昨今は、

  • 生徒の書いてきた英文にある誤りを全て直していませんか?

というような揺り戻しで、 “teacher feedback” も、所謂 “peer feedback” も作品のimprovement に殆ど寄与していないのではないかと思う実践を見聞きする機会が増えたように感じています。
日本の教育現場での英文ライティングの実践やフィードバック研究の知見が深まったり、広がったりしているのかもどかしい思いです。
今年の共通テストの「リーディング」での第4問では、修正後に完成するとされる英文が285語と結構長く、使われている語彙レベルも確かに高いのですが、前々回の記事で示しているような広さ深さのWCFをかれこれ20年以上実践している指導者が高校現場にいる、ということを、少なくとも日本の英語L2ライティングのフィードバック研究者には知っておいて欲しいと思います。

生徒本人のdraft → peer feedback → revision → teacher feedback というprocess approachを採った指導評価の例として、次のworksheetの写しを見て下さい。


私の過去のセミナーやワークショップを受講された方には「またか…」と思われるかも知れませんが、これは、2004-2005年度ですから、約20年前の実践です。2枚目の写真の右頁に見える「チェックリスト」は大井恭子先生の作られたものを踏襲しています。

今の私は、これと同じことをやろうとは思いませんが、高校段階でのライティングの指導評価の「現在地」は、これよりも豊かで深いものになっているでしょうか?
「作文の指導評価で、ダメ出しするのは簡単、良いところを指摘して伸ばすのが大事だ」なんて、いう声をよく聞きます。
でも、L2の作文のダメ出しって簡単じゃないし、対象言語でダメ出しされたものを十分に咀嚼できるようなら、もうかなりの英語力ですから。
母語でフィードバックのコメントを書いてあげましょうよ。
私は、今年の「共通テスト リーディング 第4問」で示された285語の「英文」のクオリティに疑義を呈して、それに対し詳細なWCFを与えました。
一方、問題文の構成、全体の枠組みで、最後のteacher commentを見る限りでは、DNC の作問チームは次のようなメッセージを込めているのかとさえ思いたくなりました。

何よりも、表現する意欲が大事。多少の間違いは気にせず、自分の意見とその理由を書くこと。まずは量を書けることを目標に、正確さはやりながら改善していけば良い。
教師の与えるフィードバックも、生徒が書いた内容に反応することが重要で、ローカルエラーを指摘して表現する意欲を減じてはならない。 “engaging” なフィードバックを心がけて。

今回のエッセイはTextInspectorの分析によれば、CEFRの C1レベルのライティングになり、使われている語彙のレベルも、A1レベルに次いで、B2レベルの語彙が多いことでもわかるように、十分に「中級者以上」の英語素材で書かれているわけです。
にもかかわらず、「1ピースとしてのライティング」として読んだ場合には、多くの「?」が浮かびます。まさに、その部分こそ「つながりとまとまり」などの英文ライティングの肝だと思うのですね。

参考までに、今年の共通テストの「リスニング」の第5問の英文を取り上げてみましょう。
建前上の設定は「レクチャー」ですから、「書かれた話しことば」です。
分量は私の持っているソフトのワードカウントでは278語。懸案の「エッセイ」の285語とほぼ同量と言って良いでしょう。

3000語以上の語彙レベルの語を赤でハイライトした形でレクチャー英文のスクリプトを示します。

LexiTracker経由での日本語訳

米国では毎年何百万ものクリスマスプレゼントが贈られていることをご存知ですか? 残念ながら、そのプレゼントの最大 3 分の 1 は使われずに残ったり、捨てられたりしています。この無駄を減らすことは、環境保護に役立ちます。これを行う効果的な方法は、再贈与に対する人々の態度を変えることです。

では、再贈与とは何でしょうか? 再贈与とは、プレゼントを受け取った人がそのプレゼントを別の人に渡すことです。イラン、イタリア、パプアニューギニアなど、多くの場所では、再贈与は一般的に受け入れられている習慣です。しかし、米国では、少し複雑です。

アメリカ人を対象にした調査では、76% が再贈与は問題ないと考えていると答えましたが、実際には、再贈与に消極的な人が多くいます。別の調査では、再贈与をした人が申し訳なく思っているのに対し、元のプレゼントを贈った人の大半は、再贈与した人がプレゼントをどう使おうと自由だと考えていることが示されました。最終的にギフトを受け取った人の 90% がギフトに満足していたにもかかわらず、再贈与者は依然として過度に心配しているようです。

再贈与者の気持ちを変えるにはどうしたらよいでしょうか。ある実験では、1 つのグループには National Regifting Day と呼ばれる特別な日について知らせ、もう 1 つのグループには知らせませんでした。この情報により、最初のグループは再贈与は問題ないと感じ、他のグループよりも 3 倍多く再贈与しました。このようなイベントは、再贈与に対する前向きな姿勢を促進するでしょう。

もう 1 つのアイデアは、不要なギフトを譲ったり交換したりできるオンライン ギフト交換などのシステムを促進することです。これらのギフトを欲しがっている人を簡単に見つけられるため、再贈与は非常に簡単になり、不要なギフトを捨てることはほとんどなくなります。

次に、TextInspectorでの語彙分析。writingとして分析しています。

まず全体概況。C1+です。高い評価ですが、懸案の「エッセイ」とほぼ同等と見ていることになります。

EVPは、A1が最大で、以下、レベルが上がるにつれて少なくなっています。これはB2レベルが異様に多かった「エッセイ」とは大きく異なります。

最後はMetadiscourse

metadiscourseに関わる語彙項目の使用は、先の「エッセイ」でも、この「レクチャー」でも少ないことは少ないのですが、「エッセイ」と比べて、「レクチャー」では、logical connectiveの使用が突出していることがわかります。
日本の高校生のエッセイを長年指導評価してきた私の経験からも、この logical connectivesの使用率の高さは、「自分の意図を誤解なく伝えたい」「論理性を高めたい」という伝え手の思いの反映といえるでしょうか。

「共通テスト」の制約から言えば、この第5問のレクチャーは「1回読み」だということを忘れてはいけません。
一読了解ならぬ、一聴了解できるように書かれた英文だということです。

主題の提示で最も重要な書き出しの段落
主題を支える為に必要不可欠な端的な例示
聞き手を置き去りにしないやり取りの言葉かけ

などなど、

  • 表現への意欲を高め、効果的な伝達のためにスキルを伸ばし磨く

ということを高校生に求めるのであれば、先の「エッセイ」もこの水準・内容のものを素材とするべきだったのでは、と正直思います。

因に、この「レクチャー」をLexiTracker経由でreviseさせるとどうなるか?
クリック一つでこんな結果が!

書き直しの箇所がボールド(太字)でハイライトされ [ ] で示されています。
このrevised versionでは、総語数が296語に増量しました。

以下、書き直しの箇所。

Revisions Made:
1. Added [approximately] to provide a clearer estimate of the number of gifts going to waste.
2. Changed [An effective way] to [One effective way] to make the sentence more concise.
3. Added [To clarify] to introduce the definition of regifting.
4. Changed [many places] to [countries like] to provide more specific examples.
5. Changed [it is a bit more complicated] to [it is somewhat more complex] to make the language more precise.
6. Added [a significant] to emphasize the percentage of respondents who believed regifting was acceptable.
7. Changed [many are reluctant] to [many people are still hesitant] to make the language more concise.
8. Added [Interestingly] to highlight the contrast between the regifter's feelings and the original gift giver's attitude.
9. Changed [it seems clear] to [it is clear] to make the language more direct.
10. Added [we can try] to introduce the solution.
11. Changed [informed] to [made aware] to make the language more precise.
12. Added [at a rate] to provide more context for the comparison

この指摘と修正は、先のブログ記事で示したリーディングセクションでの「エッセイ」の修正と読み比べると面白いのでは?

長々と書いてきましたが、市井の一英語講師にできるのはこの程度のことです。

繰り返すのはいつも同じ言葉。

  • より良い英語でより良い教材
  • より良い英語でより良い評価

では、何をもって「良い英語」とするのか? そこに合意はあるのか?
「英語教育の明日」を担う、関連諸領域の研究者に期待します。

本日はこの辺で。

本日のBGM: Gift (Vaundy)

open.spotify.com

受験生対象の「ライティング」講座で若干名募集します

受験生対象 ライティング対策講座 の受講者を若干名募集します。

開講可能な日程は以下の通り。

2月1日(土)
2月2日(日)
2月8日(土)
2月9日(日)
2月11日(火・祝)

時間は10:00 〜 19:00 までの範囲で応相談です。
受講料は1時間当たり5,000円を基本としますが、応相談です。

大学入試の受験生を対象とした英文ライティング&いわゆる「自由英作文」のセミナーです。

※講座の中での「英文ライティング」に関するレクチャーはGoogle Meetを用いて行います。受講者は事前に、web版または、アプリで、Google Meetが視聴できるよう準備して下さい。
※課題のファイル送信、フィードバックのやりとりで、メールの添付ファイルが使えることが必須ですので、登録するメールアドレスは、必ず「PCからの添付ファイル」を受け付ける設定にして下さい。
※受講対象者は2025年2月〜3月の大学受験生に限ります。高校2年次以下の生徒さんは対象としていませんのでご注意下さい。

対応可能な講座は以下の2種類です。

A講座

この講座は、これまでに、過去問を解いて添削してもらい、その英文を暗記して乗り切ってきた受験生には「英文ライティング」の原理原則を学んでもらい、既に塾や予備校で「(自由)英作文」の講座を取ってきた人には「セカンドオピニオン」の場を与え、そして既にかなり「英語が得意だ」という人には、「群を抜くための着眼点」に気付いてもらうことを主眼としています。過去問は使用しますが、解答が「エイブン」ではなく「英文」になっていることを目指す講座です。志望校の過去の出題に応じてグラフや図表の説明問題も扱うことが可能です。

※この A講座は、早稲田大、青山学院大、中央大、明治学院大などの私立大学の出題類型を踏まえた過去問を使ってのガイダンスに基づき、お題を一題選択し、解答をメールで提出。講師からのフィードバックを受けて書き直し(リバイズ)して再提出。その解答に対する講評と、今後へのアドバイスまでが指導内容となります。


B講座

この講座は、これまでに、過去問を解いて添削してもらい、その英文を暗記して乗り切ってきた受験生には「英文ライティング」の原理原則を学んでもらい、既に塾や予備校で「(自由)英作文」の講座を取ってきた人には「セカンドオピニオン」の場を与え、そして既にかなり「英語が得意だ」という人には、「群を抜くための着眼点」に気付いてもらうことを主眼としています。過去問は使用しますが、解答が「エイブン」ではなく「英文」になっていることを目指す講座ですので、お茶の水女子大のような「和文→英文」の要約問題には対応しますが、京大・阪大などの和文英訳は扱いません。

※この B 講座は、東大、一橋大、お茶の水女子大、東外大等の国立大の出題類型を踏まえた過去問を使ってのガイダンスに基づき、お題を一題選択し、解答をメールで提出。講師からのフィードバックを受けて書き直し(リバイズ)して再提出。その解答に対する講評と、今後へのアドバイスまでが指導内容となります。

過去の講座の受講者の声を紹介しておきます。

松井先生に添削して頂いて、英作文を書くときにする自分の癖がよく分かりました。文も前後がきちんと繋がるように展開を今まで以上に考えるようになりました。1つの単語にもどの単語と組み合わせたらより良いのかなど教えて頂き本当にためになりました。
対面式でのやり取りではなかったので最初は上手くできるか心配でしたが、添削して頂いて良かったと思います。ありがとうございます。

事前にいただいたテキストに書いてあった単語の言い換えの表や、時制の表現の使い方などが説明されていて、曖昧だったところを補強できました。
添削がとても丁寧で細かく、言い換えられる表現やもっとシンプルな表現などを加えて下さったのでとても参考になりました。
類似問題がとてもありがたかったです。有効活用できました。

解答として自分が提出した英文にどのようなフィードバックがなされて返却されるか、という点に関しては、受講者の作品によって変わってきます。
短いものであれば、次のようなフィードバックが参考になるでしょう。

もっと長いものであれば、つい先日終了した「共通テスト」のRの第4問のエッセイを素材として、私がフィードバックを与えたものがこちらで読めますので、参考にして下さい。こちらは元のエッセイが285語ですので、大学入試では最も長い部類の出題と同じくらいでしょう。

tmrowing.hatenablog.com

どちらの講座も高校生/未成年者の受講申し込みに際しては保護者の了承が必要です。
保護者の方が申し込む場合には、必ず受講者本人が受講を希望をしていることをご確認下さい。

問い合わせは、このブログのプロフィール欄にもある
tmroiwng.ELTあっとまーくgmail.com
のアドレスまで、希望講座と氏名等を明記の上でお願いします。