涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない

久しぶりの更新。

私が生きる上で、音楽は欠かせないもので、このブログでもエントリーの最後に「本日のBGM」をほぼ毎回残しています。そんな音楽にまつわり、自分の中での善し悪しというか、「これ、いいよね!」という基準、審美眼とでもいうものを作ることに大きな影響を与えた、大切な人たちが亡くなりました。

高橋幸宏 (2023年1月11日)
鮎川誠 (2023年1月29日)
バート・バカラック (2023年2月8日)
信藤三雄 (2023年2月10日)
岡田徹 (2023年2月14日)

今は、多くを語れそうにありません。
ただただ合掌。
そして今日も、音楽を聴き、歌い、音楽とともに生きています。

ESAT-Jも本試験、予備日試験と実施され、テスト結果が返却されてから、採点ミスが8件もあったことが報じられながらも、何も検証しないで2月21日の学力検査まで実施され、さらには本日3月1日の合格発表に至った。
1年以上、この「ESAT-Jは中止を」、「ESAT-Jは止める」と活動を続けてきた。できることはあれこれと手を尽くし、精いっぱいやってきたが、誠意ある対応を全くと言っていいほどしない都教委、都議会与党に、問題の根源を報じず、都教委の広報と化したかのような報道メディア、さらにはダンマリを決め込む都立高校を前に、無力を思い知る。
合格・不合格に関わらず、今年度の受験生やその保護者には本当に申し訳なく思う。

3月末の「…考える会」の記者会見で私は「これが東京で通ったら、他道府県に波及する」「言語テストに対する信頼を著しく損なう」と訴えていたが、もう既にそうなっているので、益々無力感が募っている。
このESAT-Jの問題、とりわけ「不受験者の仮結果」の扱いに関わって、5月末から、様々なシミュレーションをしてきたが、誇張なしに、その度ごとに心身に不調を来してきた。
その間、この問題で私から発する情報を正面から取り上げてくれたメディア、ジャーナリストは3媒体(記者)に限られた。

ポリタスTVの主宰である、津田大介さん。動画を無料公開していただきました。

『しんぶん赤旗』の染谷ゆう子記者。自主媒体を持つ強みですね。

フリージャーナリストで『アエラ』で頁を確保してまで記事を書いてくれた黒坂真由子記者。

あなた達が、かすかな光でした。あらためてお礼を言います。

合格発表は終わりましたが、ESAT-Jに関わる情報公開はこれからが本当の正念場です。合格、不合格の悲喜交交ではあると思いますが、正答な権利として、情報開示を求めて欲しいと切に願います。

生業の英語教育では、オンラインのセミナーも細々と続け、
・「比較の生息域を実感する」セミナー
・「英文ライティングのフィードバックのあり方を考える」セミナー
・「文字指導/handwriting指導法」セミナーの初級&中級
と、受講者からは大変好評のうちに2月までの回は終了しています。

非常勤で出講している高校の授業も今週で終了。あとはテストを残すのみです。

大学入試も直前のオンラインセミナーの受講者は限られていましたので、丁寧な対応ができたと思いますが、受験界隈からの、早速「出題」をめぐってのお気持ち噴出がソーシャルメディアのタイムラインを賑わしていますね。

慶応大・経済での「日本語の文章の読解を元にした英問」が話題になりましたが、読解の素材文で英文が3つあり、それに加えて日本文がひとつ追加された形でした。
早稲田大・法のイラストに基づくライティングでは、今年もGary LarsonのFar Sideのシリーズからお題のイラストが採用されていましたが、カラー版をモノクロ印刷したもので、質感の問題は相変わらずです。
東京大は、お題作文と和文英訳の二本立てが今年も続きましたが、お題作文の方は過去問とそれほど変わらない切り口で「大丈夫かな?」と思いました。和文英訳に関しては、twitterで雑感と解答例を記しておきましたが、殆ど気付かれていないようです。

このツイートに続く連投の中に2つほど解答例を残してありますので。


そんなこんなで注目もされ、お気持ち表明で盛り上がる(?)大学入試問題に比べて、高校入試の問題/作問は何故批判的な検証がなされないのか、不思議です。

ESAT-Jの酷さに比べればまだマシ、と思うかもしれませんが、東京都の共通問題も酷いですよ。
twitterでは連投で嘆き、憤っていますが、反応はごく僅か。最早、多くの英語指導者が「疑問」にすら感じなくなっているかのようです。

若い学習者の方々におかれましては、一日も早く「テスト依存」から脱却して、風通しの良い地平で英語ということばを眺め、手に取り、実感してくれることを祈っています。

本日は、こんなところで。

本日のBGM:
A sigh of ghost 僕はユーレイ (高橋幸宏)
〜さよならは夜明けの夢に (岡田徹)