海も見ないで8月は終わる

この夏は、某社から出る予定の学校採択教材の原稿書きでなかなかにハードな日々です(現在完了進行形)。
詳細がはっきりしましたら、告知をいたします。

既に、オープンにしていた、文字指導関連のセミナーと、受験生対象の英文ライティングセミナーの他に、教材の改訂に当たって、シークレットで協力していただくセミナーをしておりました。
昨日、その改訂版をnoteで公開したのですが、ダウンロードの不備があって、販売の方はいったん停止しています。原因がわかりましたので、明日以降、再度アップロードする予定です。

セミナーの方はオンラインで出来るので、安心安全なんですが、外出も殆どしませんから、運動不足も、ここに極まれり、という感じで、日に日にタプタプ、プニュプニュなからだになっていっている気がします。


さて、
受験生対象の英文ライティングセミナーの受講者から、フィードバックをいただいていますので、匿名でご紹介します。
こういう講座でした。
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今回受講した動機について。模試やテストなどで、答えるべきことを答えていなかったり、一般的な話を書くべきなのに個人的なことを書いていたりしたために、英作文を0点にされることが何回かあり、この講座でそのようなことを減らすための手がかりが得られないかと思って参加しました。

次に、受講しての感想。試験の中で英作文をしなければならないことが増え、資料に基づいていない個人的な考えや体験を絶対的な事実であるかのように書くことに違和感を抱いたものの、書かなければ点数をもらえないので、こういうものかと思って書いていました。

この講座を受講して、英文に対する自分の視点の粗さ、解像度の低さに気付きました。よく考えもせずに違和感に目をつぶり、それらしく見える言葉を置いていただけなのだから、上手くいかなくて当然だったのだなと思います。冒頭で書いた英作文で点を取れないという事も、何を聞かれているのか、何をサポートに置くべきなのかを理解せずに書いていたことが原因なのだと思います。

先生が講義で取り上げていらした東大の英作文についても以前学校で解説を聞いたのですが、自分の意見を聞かれているように見えて実は客観的な意見を述べるべきなのだと教わり、よく分からないままにしてしまっていました。

また、先生の添削を受け、提出前はまあまあの出来に見えていた自分の書いたものが、ひどくぶつ切りであることに気付きました。教科書や模試によく載っている、すらすらと読める普通の文章は、実は単語一つ一つの選び方が適切で、そのように書くことは今の自分にはできないのだなと思いました。

今まで流し読みしていた「普通の」文章を読み直したらどのように見えるか、楽しみです。
言い換えができるように、単語や表現を身に着けていきたいとも思います。先生のおかげで、自分に見えていた小さな世界が広がったように思います。

またこのような講座を開講されることがありましたら、その時も参加できたらと思っております。今回は本当にありがとうございました。

※この方は、既にかなりの英語力をお持ちだと思いました。ただ、「英文ライティング」の基礎基本をきちんと教わっていなかったことが、「噛み合わない」原因だったかと。入試直前ではなく、今この時期だからこそ、意味のあるセミナーになったのではないでしょうか。

文字指導/ handwriting 指導法セミナーに関しては「中級編」があらたに加わりました。

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こちらのセミナーも、フィードバックをいただいております。
ジョリーフォニックス/グラマーの指導でも著名な山下桂世子先生です。
7月の回を受講してくれました。以下、了承を得てご紹介。

大変お世話になっております。研修のスライドをわざわざありがとうございます。再び見直しする機会を作っていただけたことに感謝と同時に、こんなにもサポートをしていただけることに感動しています。ありがとうございます。

7月25日の研修ではたくさんのことを学ぶことができました。イギリスの学校に戻ってPenpals for Handwriting を見直してからフィードバックを、と思いましたが、やはりフィードバックはすぐにしなければいけなかったと反省しています。先生にも何を学んだのかをお伝えしておらず大変申し訳ありませんでした。

私が現在の学校に勤め始めたころ、joining された文字を見て「なんで日本の筆記体のように書かないのか」と疑問に思うことが多々ありました。しばらくして、続け文字のほうが動きに無駄がなく、また、文字の形が崩れずに見やすい文字が維持できると感じるようになりました。その後、教室でhandwriting の授業にサポートで入ることもあり、通常の授業で文字を続けて書くことと子どもの書きに興味が出るようになりました。子どもたちを観察していると、続け字で書いている子どもたちは文を「動き」で書けるため、単語のかたまりが理解しやすいように見えます。つまり、フィンガースペースを言わなくても取れるようにもなるし、書くスピードが思考に置いていかれることがないような感じです。しかし、ここまでいくにはやはり練習と無意識に手が慣れることが重要だと感じていました。

しかし、残念なことにhandwritingの授業には毎回参加することができなかったため、私自身が系統立てて学ぶことができなかったこと=指導が適切に行えなかったことです。胸の中にモヤモヤが残っていたのですが、今回はいくつもの疑問が解決できました。

今まで「単語が書けるようになるには、単語の前からそのパターンを練習すればよいのでは?」だったのですが、そうではなないことがわかったことがその一つです。特に、その一つがPenpals for Handwriting の6類型です。なぜ il のグループで tt が必要なのか、ar/ei/up/nn が同じグループになっているのかが今回わかり、非常にすっきりしました!そして、これが12. 基本語に見る「文字連続」につながり、子どもたちがhandwritingの授業で行っている内容がようやく理解できました。

次に、break letters の存在がクリアになりました。私の家で日本人の子どもたちに英語を指導していますが、何校からか子どもたちが通ってくるのですが、子どもたちによって続け字をするものとしないものがあり、子どもたちにつなげるように言ってきていました。しかし、これは教則本が違えば当たり前なんですね。(続け字の仕方も違っているのも納得できました。)

そして、やはり音韻意識がとても重要になってくるということです。多分、日本では音韻意識を理解して文字指導を考えられている人はいないのではないかと思うくらい、抜けている部分だと思います。しかし、これが結びつくと音から文字へ、そしてかたまりへの移行がとても楽になり、多音節の単語が無理なく書けるようになっていくということも松井先生のセミナーで実感しました。ここは私自身の課題でもありますが、松井先生のセミナーを受けるたびに、もっとここを学びたいと思います(ぜひ音韻意識と文字指導についてより詳しいセミナーをしてください!)。

最後になりますが、「3. 文科省担当者の問題点」です。先生がおっしゃっているように「①スモールステップで指導する」と言いつつも全くスモールステップになっていないというのは、文字指導だけではなく、すべてがそうなのでは、と思っています。文字指導にせよ読み指導にせよ「何を」「どう」「なぜ」指導するのかを理解していないと大人の視点での指導になってしまい、結局、子どもたちの特性に応じての指導ができません。特に視写の難しさを理解していない現場の方も多く、指導要領をいち早く直してほしいと切に感じています。


10月以降にまたセミナーをされるとのこと、時間が合う限り参加させていただきたいと思っています。
松井先生のセミナーは、核になる部分がはっきりしていて、スライドだけでなく受講者のことを考えた資料も作ってくださっているためとてもわかりやすいです。また、付録資料などもあり、受講者にとって優しいセミナーだといつも感じています。これは先生の文字指導への想いと現状をなんとかしたいというお気持ちからだとスクリーン越しからでも伝わってきます。本当にありがとうございます。


今回の受講は自宅ではなく隔離中のホテルからの受講だったため(おまけに時差ぼけもあり)、時々集中できないときがありましたので、また再度受講いたします。先生のセミナーに参加された方から「頭をガツンと殴られた気がした」「こんなに大切なこととは思っていなかった」など感想をうかがっています。みなさん共通して「受講してよかった。文字をもっと丁寧に指導したい」とおっしゃっています。私も同様に思っています。日本でも続け字が指導されるようになったらなぁ、と今回は特に強く思いました。どうぞ今後もご指導のほどよろしくお願いいたします。

山下桂世子

山下先生、ありがとうございます。

このようなフィードバックを次回に活かして、より良いものにしていきます。今後ともよろしくお願いします。

学校の、所謂「2学期」も再開です。
新型コロナの変異株の猛威の中、リスクを覚悟で登校し授業を受ける児童生徒、その授業のために出校する先生方の安全を願わずにいられません。
「学びの機会」は大事ですけど、命あってのものですから。

9月、10月以降の告知はまた日を改めて。

本日のBGM: I Wanna Stay Home (Jellyfish)