乾いた風には襟を立てて

tmrowing2016-12-13

先行実施の2年生に続いて、1,3年生の期末試験も終了。
長かった。
実作の振り返りはまた後日。

本業が休みの間に、東京と大阪へと自分へのご褒美&自分の視座を確かめる旅。
プライベートでは東京も大阪も充実した時を過ごしたのですが、生業の英語教育関連で覗いたイベントは、東京のARCLEのシンポジウムではいささか落胆し、大阪のLETメソドロジー研究会ではその可能性に多いに期待を高めて帰ってきました。

東京のシンポジウムで私の隣の席に座っていた方は、吉田研作先生の講演(公演?)中は話を聞きながらメモをとったり、ハイライターで資料にマークしたりと、本当に慌ただしく動いていましたが、次の「事例報告」では、根岸雅史先生が欠席だったこともあるのか、ほとんど寝ていたのが印象的でした。「わかったつもり」にさせる講演(者)の熱心な聴衆に支えられて、こうした「お祭り」は維持されていくもなのでしょうかね。

大阪は風が冷たかったのですが、「部外者でも参加できます」、という暖かいお言葉に甘えて、立ち寄らせていただいた「メソ研」では、発表者だけでなく、参加者(企画者?)の質疑でのことばや学びを捉える視点の鋭さ、足場の確かさに刺激を受け、参加して大正解でした。誤用でも、御用でもなく、現場の教員の視座を少し組み換えることで、こういった研究の成果を活かすことは可能なのではないかな、と思いつつ、中座させていただきました。

そんな二週にわたる遠出でしたが、どちらも私と比べれば「若手」に属するであろう世代の俊英の「仕事ぶり」に少しだけ接し、その才能の大きさを再認識することもできました。その大いなる才能が「善き方向に」活かされて欲しいと切に願っています。

もう少し頭の整理が出来たら、何か書くかも知れません。

上述の「メソ研」でも活躍中の静岡大の亘理陽一先生のブログでは頻繁に「新入荷書籍」の情報が更新されていますが、その中にかなり懐かしい名前を見たので、ご紹介。

http://www.watariyoichi.net/2016/12/05/arrival-103/

  • B.G. デイビス・R. ウイルソン・L. ウッド(香取草之助 監訳)『授業をどうする!カリフォルニア大学バークレー校の授業改善のためのアイデア集』(東海大学出版会、1995年)

初版は1995年12月20日。私の持っているのは、1996年1月29日、第三刷。ひと月あまりで三刷というのは当時でもかなり反響があったということではないかと思います。密林のリンクを開いて、未だ絶版ではないことにちょっと驚きました。※因みに、ここでは書名なので直していませんが、Berkeleyの発音はカナ表記すれば「バークリー」に近いと思います。

私の「犬耳」は第5章までに多くありますので、当時の私の興味関心のありかもしみじみと。
本日冒頭の写真がその犬耳模様。見事に第5章までに集中しています。

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最後には、Minute Paper と呼ばれる、授業の振り返りを記録するマークシートがあるのですが、この刊行から20年。東海大学でその後はどうしているのか、どうなったのか、今度、N先生にでも聞いてみようと思います。


呟きで知りましたが、四軒家忍先生のブログで、TED Ed の活用法が説かれていました。

アカデミックなリスニングに有効な動画のご紹介

TOEFL対策をする方はもちろん、英語力向上を考えている方も是非お読み下さい。

私も授業でTED Talksを紹介したのはかなり早かった方だと思います(過去ログ参照 http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20090901)が、いかんせん十数分というのは長いので、「授業内」で活動の中に位置づけるのは難しく、近年の授業では殆ど見せていません。私が見てきて、授業のテーマに深く関連するところだけを紹介する、というのが主で、高3の生徒には、

当面の目標としては、このインタラクティブなトランスクリプションを使えるだけの、音声の処理能力を高める基盤、前提として持っていなければならない「読解力と語彙力」を身につけることでしょう。

とは言っています。

もし、高校段階(中学段階?)で積極的に授業で活用している、授業で活用したい、または、ご自身の英語力の向上や講義力の向上のために、こんな使い方をしているという方がいらっしゃいましたら、情報交換をしたいと思いますので、プロフィール欄の最後にあるメールアドレスまでご連絡をいただければ幸いです。

このブログのコメント欄は、かつては開いていて、数多くの有益なコメントが寄せられ、良い学びの機会となっていたのですが、その後、心無い方による執拗な嫌がらせがあったため、期間限定で開放する場合には、その旨を告知しますが、原則閉じたままにしています。何卒、ご理解下さい。

フィギュアスケートのグランプリファイナルも終了しましたが、日本のTV局の競技の中継、放送のあり方など、考えさせられることが多々あるので、競技の振り返りも含め、また日を改めて書こうと思います。
本日はこの辺で。

本日のBGM: 月の虹(さいとうみわこ with 綿内克幸)