Baby Blue

tmrowing2014-01-08

年も新たになり、大学受験生や受験生の指導者の皆さんは「『大学入試センター』試験」対策に余念のないことかと思います。これまで、「英語」にしっかりと取り組んできた人は焦ったり慌てたりせず、「より良い英語」に触れ続けること、これまでに自分が生きてきた英語をことばとして生き直すことを心がけて欲しいと思います。

巷では「直前対策問題集」「予想問題集」などで「仕上げる」という傾向がまま見られますが、実際にセンター試験 (本試験並びに追試験) で出題された問題のうち英語としての質の高い素材を繰り返した方が、劣化コピー教材で英語の運動性能を鈍化させるよりもまだマシだと思っています。

  • 「過去問対策も終わっちゃったので、この後更にやるべき『類題』を!」

というメンタリティをこそ、戒めないと。
それだけやって「英語力」がついているならジタバタしないことです。もし、「英語力」がついていないのであれば、それまでに自分がやったと思っている「対策」をこそ見直すべき。

時折、「講習のテキスト」「模擬試験」や「学参」での「的中」を謳う輩がいますが、そんなことが気になる方々へ、拙ブログ過去ログ「今日の君は昨日の君ではない」から抜粋したことばを贈っておこうと思います。

この記事の最後に私はこう書きました

私は教師として、「的中どころかかすりもしなかったけれど、その授業を一年間受けていたみなが合格している講師」の力量をこそ評価するのだけれど…。

その思いは今も変わりません。

仕事始めの前でしたが、密林の配送先が学校のままだったので、5日に新年初出校。
学級文庫用の書籍取りに行ってきました。
Usborneの ”Look inside” のシリーズから、Science。
現在時制とS+Vの使い勝手の良さを確認するのにも効果があるかな、という欲目です。

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続いては History。これは、過去形と現在形の行ったり来たりがつながりとまとまりの中で行われることを掴んでもらうのにも使えます。

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百科事典の縮刷版があったので購入。これは、私が定期試験でテキストとパラレルな英文を書くのに使う目論見。

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最後は、半分コレクター的な選択。Q&As本。National Geographicのkidsもので、期待していたんだけど、写真はちょっと、しょぼかったです。

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上で、「歴史」ものを紹介したのですが、「何を読み・聞きすると、どんなことばに出会うのか」という見通しを教師が持っていることは重要だと思うのです。「多読」で、豊かな話型に親しんだ、その先への橋渡しとでも言えるでしょうか。

以下、拙ブログ過去ログからの抜粋。

tenseの使い分けの力が弱い、tense consistencyが維持できない、というときに、演習を繰り返すことで本当に “psychologically authentic way” に文法項目が身につくものなのかは時間をかけて吟味した方がいいように感じた。例えば「過去形」。使うべき所に使えず、使ってはいけないところに使ってしまう、という過去形の使用に誤用がある学習者は、まず、「過去形」を必然とするdiscourseを体現する「ことば」と出会っておく必要があるだろうし、演習と並行して「よい出会い」を重ねる必要があると思うのである。その場で思いついたメモから抜粋。
・百科事典での歴史上の人物の解説
・伝記・自叙伝
・絶滅した動物種の描写・説明
・有名人の回想録
・追悼記事・追悼文
・事故の目撃証言
・アリバイを証明するための事情聴取
などなど。教科書で出会う「ことば」が貧弱すぎるから、演習に頼らざるを得ないということがままあるのではないか。「インプット」を英文の難易度や量の問題に置き換えて簡単に済ませていないか、多くの高校、とりわけ「進学校」や「英語教育の拠点校」では振り返る価値があるように思う。
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20120811

先程、 “Look Inside” から一冊、Scienceを紹介しましたが、”See Inside” のシリーズで一番のオススメは "How things work" でものの仕組みを説明する図解。

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私のシラバスだと、高2のライティングで、narrativeと前後して、descriptiveなテクストタイプをやる時に「事物の説明」の一環で扱っています。
同じような「図解」ものがいくつか出ているのですが、相互比較すると、やはり "See Inside" の英語は簡潔で易しいことが多いと感じます。

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生徒に語義を実感してもらうのに、英英辞典の定義(文)の相互比較・読み比べをされている先生は多いと思いますが、テクストタイプごとに、このような「まとまりのある記述」「段落」「複数段落からなる短めの文章」と生徒が出会う機会がもっとたくさんあってほしいと思います。物語の多読だけでは不十分な領域ではないかと思って続けていることの一つです。似たようなことをされている方がいらっしゃいましたら情報交換させて下さい。

生徒が英語と接する機会でいちばん大事なのは『教科書』です。結局のところ、教科書に問題が多かったり、不十分だったり、痒いところに手が届かないので、ワークや準拠教材、他の市販教材や自主制作のプリント、ということになっていくのでしょう。その教科書も、多くの中学校では教師が選ぶことのできないものとなっています。

旧聞の方もいらしゃるでしょうが、「公立中学校で使用する教科書の選定」に関わる奇妙な文書を見つけたので情報提供。
この、4頁からの「秘密会」って何?日付をみると新課程に際しての採択のための会議のような感じがするけど、これって本当に公的な議事録?こんないい加減に決めてるの?英語は42頁の終わりの方から。

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こちらは、別な自治体の教科書採択に関する会議例。こちらでは、44頁から英語について論じられています。

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中学校現場の先生方の感想をお聞きしてみたいです。

本日のBGM: because of you (伊藤銀次)