The best is yet to come.

tmrowing2012-04-02

新年度初出勤。
中庭では、着任の辞令交付を終えた新任者の記念撮影。桜色の背景で。日当たりも気温も同じ位だと思うのですが、同じ種類でも元々のDNAの違いなのか、中庭の桜が一番早く咲くのですね。
新年度の進学クラス用のワークシートを作成、印刷。

2012高2B1L4P1.pdf 直
2012高2B1L4P2 .pdf 直
2012高2B1L4P3 .pdf 直
2012高2B1L4P4.pdf 直
それぞれ、見開き2頁レイアウトで両面印刷となります。新高2でまだBook1の第4課ですが、やることはたくさんあるので、着実に。

職場に届いていた、『Asahi Weekly』の新年度第一号。
新連載で、千葉大学の大井恭子先生の

  • 英語の発想でライティング

が始まりました。隔週での連載のようです。
田邉先生の連載『ニュース英語の森を歩く』は今年も続くようで安堵。
連載小説執筆は、引き続きクリストファー・ベルトンさんで、今シーズンは、ファンタジーになりました。
昨年と比べて良い連載が増えたように思います。
新高2生はこの一年で読める記事、読みたい記事を見つけておいて下さい。1学期末で、いよいよ『表現ノート』の取り組みが始まりますから。

フィギュアスケート世界選手権はフリー終了。
男子女子シングル、ペアと文字通り悲喜交々。
ペアの日本代表、高橋・トラン組は、上位2ペアとの点差はありますが、銅メダルの快挙。歴史の一頁です。SPの勢いを殺さず、溌剌とした演技でした。高橋選手の身体が更に締まってきて、ポジションの良さが際だつようになったなぁ、と実感。トレーニングに加えて、食事や栄養面でも相当節制しているのでしょう。チームの成果とも言えますね。
男子シングルは、過去ログでも書いたように、順位のみで考えたいのですが、優勝のチャン選手のフリー演技の5-componentsの得点は全くいただけません。エレメントでジャンプが一つ抜けた分の得点はなし、転倒で減点、さらに最後は時間オーバーで減点です。高橋選手のSPの採点を見て分かるように、コンボの2つ目以降での失敗は、2点以上の減点になるのに、跳べていないジャンプからは、GOEで減点しようがないのです。もし、これで、最後の2Aが成功して、「四大陸」位の点数 (4.56) がついていたら、エレメントのスコアは95点越えるんですよ。GOEで爆上げできる時は勝ち抜け出来るんだけれど、今回のように、ジャンプは何があるか分からないから、5-componentsでも軒並み9点台で保険を掛けているようなものです。確かに彼はすばらしい選手です。当代随一とも言えるskaterでありjumperです。深いエッジで加速した時の1ストロークの伸びなどは他の選手の追随を許しません。でも、録画してある方とかYouTubeでご覧になる方は、画面の下半分を新聞紙などで隠して、彼の演技を見て下さい。他の大会はともかく、少なくとも今大会の演技では上半身の動きが全く美しくないのです。私が世界で2番目に好きな女子スケーターで、爆上げや銀河点の女王と揶揄されたキムヨナも、ジュニアからシニアに上がって少しの間は、上半身のしなやかさが残っていましたが、バンクーバー以降はかなり固くなってしまいました。このような演技の、componentsで、「音楽との調和」や「解釈」の点数を「盛る」のは歓迎できません。
一方、高橋大輔選手の動き、身体操作で驚かされるのは、胸骨、胸椎の動きのしなやかさです。高橋選手のフリーは、全日本の時のように「はじけた」感じはなく、非常に落ち着いた、無理のない演技でした。大きなミスはなかったものの、ジャンプが少し詰まり気味で、加点が少なかったのは仕方がないように思います。ただ、bluesという音楽に乗せて、滑れて踊れてジャンプが跳びきれるリズム感、そして、オーケストレーションで盛り上げることのできない中、観客に「物語」の山や谷、闇や光を見せることができるのは傑出した才能で、他の選手とは器が違うと思います。バンクーバーでは『道』でフィギュアスケートに新たな可能性を見せてくれました。今回はblues、しかもあのヤグディンでさえExでしかやっていなかった曲を勝負所のフリーに持ってきました。この高橋選手が切り開いた新たな舞台で、後に続く若い世代が「踊れる」ことに感謝したいと思います。得点が発表された時、長光コーチに、「これ、フリーの得点では2位ってことだよね?」というような確認をしていたのが印象的でした。

  • 羽生選手のフリー演技よりは下という評価だったのだな。

という受け止め方をしていたのだと思います。代表になることさえ大変な日本の男子シングルですが高橋選手がソチ五輪の大舞台で何を踊ってくれるのか、今から楽しみです。
今大会、男子シングルのフリーでは羽生選手の『ロミオとジュリエット』が特筆すべき演技でしょう。
阿部コーチも涙ぐんでいましたが、私も画面の前で泣いていました。あのステップでの転倒から起きあがる時、誰もがそこに苦悩する若き「ロミオ」を見たのだと思います。エフゲニー・プルシェンコとジョニー・ウィアーという二人の天才を一度に見たと思って下さい。その素晴らしさが少しは分かってもらえると思います。今回の銅メダルで、メディアも含めて、もう、周りが放っておかない存在になってしまったと思いますが、阿部コーチをはじめ、チームスタッフ一丸となって五輪へと取り組んで欲しいと願っています。
女子シングルのフリーはコストナー選手の悲願の金、鈴木選手初の表彰台、銅メダルと長年この競技を見てきたファンにとっては喜ばしい結果でもあったことでしょう。女子は男子以上に2本揃えることが難しく、納得いく演技で終われた選手は少なかったように見えました。競技スポーツに関わる身として、選手とコーチの関係、という観点でも多くのことを考えさせられた大会でした。
村上選手は滑り出しは上々でしたが、SPから心配だな、と見ていた3Fが両足着氷、ここで完全にリズムが崩れてしまったのでしょうか。ただ、不本意と思える結果にも、山田コーチは全く動じていないのが凄いな、この人の器は本当に大きいな、と改めて思いました。銅メダルに輝いた鈴木選手が試合前のインタビューで語っていた「長久保コーチに思い切り喜んでもらいたい。」という言葉が私の頭の中で響いています。自分の滑りを追求するのと同時に、見せたい人、見ていてくれる人の存在が力になるものなのでしょう。
浅田選手は心身のバランスが心配です。元気がない、というのは普通に考えれば当たり前で、肉親を失うということは、「喪失感」という心だけの問題ではなく、「肉」という漢字でも分かるように、時間をかけて身体に表れてくるものです。コーチとの信頼関係以上に、スケートから離れて思い切り休む期間を取るとか、プライベートで心を許せるパートナーの存在が必要なのかなと思います。
まだExが残っていますが、競技としてはシーズンの幕を下ろしました。ファンは強欲なもの、お疲れ様でしたと言いつつも、締めくくりに相応しい、素晴らしい滑りを期待しています。

本日のBGM: How you’ve grown (10,000 Maniacs)