Say a little prayer.

二学期の授業も淡々と。
商業科1年は、ヘレン・ケラーの文章の読み取りと語順は意味順と四角化・とじカッコと音読と。ひとり一行リレー音読まで行って一区切り。追加のハンドアウトは読み取りの乱取り稽古・自由組み手。同じヘレン・ケラーを題材としたパラレルな英文を加工して、英文の難易度・文の密度の低いものと高いものの2パッセージを左頁に。右頁には、アマゾンUSから、The Miracle Workerのカスタマーレビューを引き、英語の誤りを最低限修正してレイアウト。綴りだけでなく、修飾や品詞選択のミスもあり、平均的母語話者のライティング力というものがよくわかります。
普通科3年は、再入門シリーズで「大関」。「現在完了」ですね。番付表の活用がメインです。例文は日→英での提示、という点は1学期と変わりません。1学期の最後に「横綱」を扱ったので、例文を6つほど補充し復習を兼ねて対面リピート。
現在完了は、日本文の提示で<隔たりを越えて今へと伝わる余波>を確認。英文の範読、ルビ振り、リピート、四角化・とじかっこの記号付けと、頭の働かせ方メモ書きに続いて、音読、Read & Look up、そしてFlip & Writeとチェックでまた音読。
進学クラスは、1年から3年まで同じ課題に取り組んでもらいました。
公立高校の入試問題から。国体にかかわる題材が扱われた文章の空所補充問題を2県というか2題。五輪の話題を扱った読解問題を1題。入試問題は高3なら瞬殺、高1でもまず全問正解です。本当に問われているのは、その英文を自分で書けるか、自分が話す時に使いこなせるか、という視点での読み。
最終的には、この3つのパッセージをお手本、土台として、先週終わった体育祭と来月行われる山口国体に関してのnarrative & expository融合の英文を書くことになります。目安は100語から150語。長ければいいと言うわけではありません。主題から外れずに書くには、語彙の選択から、その書き出しで始めてルール違反にならないように1文を完成させる文法力、自分の意図に合った適切な頭出しの定型表現、段落の型などを確実にものにすることが求められます。で、同じ素材で高1も高3も書いてもらうわけです。高2には高1の書いた英文に対するフィードバックを、高3には高2の書いた英文に対するフィードバックを書いてもらう、というのはよくやることでしょうが、高1に高2、高2に高3の英文を読んでもらうことも大切。はじめは高3でもまともに書けませんから、「こんな上手い英語書けない」、と萎縮することは稀で、上位層だけでなく、中下位層にも必ず得るものがあると思います。
自分が書くとなると、キーワードだけを並べて大まかに内容を書くわけには行きません。やはり、文にしなければならないわけです。そのためにはまず、

  • 細部にこだわらず、大まかに内容を把握して、空所補充や多肢選択の内容理解問題に正解することで「読めた」ことになっていたこれまでの英語学習

を改め、「本当に全部読めていましたか?」という問い直しから。
1番時間のかかるのはやはり高1。問題そのものは全員正解ですが、指示語・代名詞の照応を辿り、「言語化」するのに苦労しています。この “it” が指すのは?という問いに「国体」とだけ応えるのではなく、「来月私たちの県で行われる国体」という名詞句の限定表現を使える生徒は少ないのです。いきなり英語で出来るか、というと正直、高3くらいにならないと厳しいように感じます。ですから、まずは日本語を頼りに、左から右へ、上から下へと引っ張ってこられるように、四角化で視覚化しておくわけです。
音読も高1は時間がかかります。plant, class などの子音連結とprepare, practiceなどの子音連結がまだまだ全然できていません。確実に出せる音で軸足を作って、ターゲットへという定番練習。
今日の高1の授業では、eachを重点的に扱いました。「おのおの」とか「めいめい」とか訳語で解ったつもりになってはダメ。「めいめい」とは?「それぞれ」ってどれどれ?と自問自答し、ホワイトボードに斬れば血の出る、さわれば人のぬくもりが感じられる例文を辞書や教材から抜き出し、蓄積する共同作業と経て、音読と解説。
私の補充し、板書した英文は、

  • Each child must be attended by a parent.

番付表の活用で後々使い回しが利くように敢えて受け身の英文を使っています。
eachの肝を確認したところで、ホワイトボード上に記された英文に含まれているeveryを指摘。似た意味のこの語をどう使い分けるのか?日本語と英語の単語を置き換えるだけでは不十分であることを指摘して宿題。
放課後は職員会議、本業はエルゴメニューの指示。今週の出来は一進一退。本来チーム力が問われる局面なのだが、こういう時に水域の離れたチームでの混成クルーは難しい。追い込める時に追い込んでおくのです。みんな崖っぷちですから。
娘の体調が思わしくなく早めの帰宅。いろいろな思いが重なったりずれたりして、娘にしわ寄せが行ってしまったか。妻に任せきりだった自分を反省。今できること、最善を尽くそう。

本日のBGM: 一回休み