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tmrowing2011-04-25

久々の更新となりました。
本業の中国大会の県予選から県の国体チーム強化合宿まで3日間連続の日程でなかなか充実した時を過ごしていました。
金曜日は午後の授業から抜けさせてもらい、公式練習へ。授業の振り替えで午前中4連発に。

普通は前日の練習は翌日に疲労を残さないためにも、調整メニューなのですが、その前の日、職員会議で練習が見られないので選手にエルゴのメニューを指示していたら、あろうことか練習自体をサボって帰ったので、その前日分も加算して、スタ付き250mを複数回含み、高い強度で14kmしっかり漕がせました。ことの経緯を知った他チームの指導者たちも大笑いでした。

明けてレースは1000mのタイムトライアル。
前日のミーティングから、疲れていようが何しようが、ぶっちぎりで1位にならなければ大変なことになる、という危機感はあったのでしょう。それなりのスピードは出ていたようで、2位に7秒差をつけての1位通過。「大荒れ」といっていた週間天気予報とは打って変わって奇跡的に回復したコンディションにも助けられ中国大会に駒を進めました。

レースの終わった午後からは、Oコーチの指導による強化合宿。1Xでの課題を確認し、翌日曜日はチームボートを組める者はクルーを編成しての練習。自チームの選手は普段1Xしか漕いでいませんから、チームボートには慣れていないので、片道の途中で止まることが多く、「喝」。リギングの違和感は直ぐに修正すればいいので、ああでもない、こうでもないと漕いでは止まり、漕いでは止まるといったチマチマした練習は益が少ないもの。勢いでどーん、があーーっと行って欲しいものです。
GWの菊池遠征の県選抜メンバーをOコーチ直々に発表してもらい、解散。お世話になりました。
私は選手と、Oコーチを送り届けてから帰宅。
日が長くなってきたのを実感。
夕飯は大盛り焼そば。残っていた、「貴」で喉を潤す。

明けて、月曜日の授業は家庭訪問週間で短縮40分の6限。
進学クラスは、1年、2年ともピリッとせず。1年生は英語音声の基礎基本がほとんど身についておらず、先週やったことの繰り返し。2年生は暗唱の頭出しチャンクも発音もお粗末だったので途中で打ち切り。各自練。

普通科高3の「一般動詞の疑問文の根底理解」は時間が短かった割には、きちんと取り組めたのではないでしょうか。

  • We call him Johnny.

を疑問文にする時、時制が決まっている動詞のcallの前でとじカッコをつけてから、callをdo + callの二枚のカードに分ける、という私自身、22歳の初任時から使っている「昔ながら」の方法で下準備です。二枚のカードのうち、どちらの助けを借りて疑問文を作るのか?という極めて当たり前の手順を確認して、文頭へと移動させ、

  • Do we call him Johnny?

というところまではなんとか辿り着く。ここで、主語の、we (= 私たちが) が変、不自然だという感覚はほとんど希薄なまま高校に入学してくる生徒が多いので、「誰が誰に何を尋ねているのか?」という場面、質問と答えの当事者を確認しながら、二人称複数の “you” に置き換えて、

  • Do you call him Johnny?

を得る。どういう時に、何を、どう変えるべきなのか、というのはまだまだ理解不十分な者も多いので、

  • My sister takes a shower every morning.

から、同様に、とじかっこをつけたtakesをdoes + takeに下ごしらえしておいて、

  • Does my sister take a shower every morning?

を得る。英語が苦手な生徒でも、doesと「私」、は相性が悪いことくらいは感じているので、何かそのままではいけないということは分かっているが、my sisterをyour sisterに自信を持って変えられず、doesと「あなた」も相性が悪いんじゃないか?というあたりでグルグル、うずうずしていたりする。結局、名詞句の把握、代名詞・限定詞の把握が出来ないと単純化した「語順は意味順」の合い言葉も、カード式による助動詞の働きもうまく統合されては来ないということ。ということで、高校2年生でも四角化で視覚化を最初にやるわけです。高2の1学期に使ったワークシートを新人の為に配布して、そのタイミングで「先輩」の中で、紛失した者にもチャンスを与えることにしました。

  • 四角で囲むのは、myやyourじゃない。意味の中心となる名詞の方。この場合はsister。意味だけ漠然と考えてIやyouだと勘違いしている人がいるけれど、Iやyouはそれ自体を四角で囲むものだから、まったく別もの。

ここでの my sister は不自然、ということで、”your sister” に置き換え、

  • Does your sister take a shower every morning?

へと辿り着く。
というのが実際の授業の動きと観察。中学校の時に先生の話をきちんと聞くことの出来なかった者が、どこかで「スイッチ」を入れようという時に、自分で出来る手順にまで落とし込んでから練習問題に移って行こうという目論見です。定着の度合いは生徒によりバラバラで、今年度習熟度が上のクラスから移ってきた生徒は、あまりにも易しい内容を時間を掛けて進むので、ちょっとプライドを傷つけられたと思うかも知れないけれど、完成された体系から、ヘリや鳥の目で見るのではなく、進んでは間違え、3歩進んで2歩下がるような、局地戦で自分の中にナビを作っていくことを目指しています。英検の問題や、就職試験の問題が直ぐに解けるようにはならないけれど、自力でやった分だけ、確実に骨太の、自分の頭の働かせ方が養われていく、そんな教室での学びを志向したいと思っています。

自分の年間テーマの「学習英文法」では、まず、

  • 林語堂 『開明英文文法』 (文建書房、1960年)
  • 毛利可信 『ジュニア英文典』 (研究社、1974年)

との読み比べ。どちらもコピーは持っていたのだが、今回、運良くヤフオクで落札できたり、アマゾンのマーケットプレイスでコンディションの良いものが手に入った。林の方は邦訳の副題が「表現の科学」とあるように、自分の頭を英語的に働かせようとする時に、非常に役に立つ構成と内容である。ちなみに邦訳は山田和男氏。
高校生の再入門講座で、いかに、入り口がシンプルで、奥行きや深さも兼ね備えた英文法へのアプローチを図るか、さらには高1の48人の大クラスで、どのように「文」法を活用するか、先達の叡智を学んで対策を練る。
今では表紙はかすれ、小口は染みや黄ばみが目立つ

  • 若林俊輔 『高校生の英文法』 (三省堂、1984年)

と、20年以上後発となる

  • 金枝岳晴 『中学英語の基礎問題』 (学生社、2006年)

そして、最近出た『田尻本』で、時制が決まった動詞は2枚のカードから構成されている、ということをどのように説明しているか、不規則変化する動詞でのカードの使い方、疑問文否定文、付加疑問での操作性、さらには他の助動詞 (will, have, be, be など) との階層性をどのように説明しているか (またはしていないか) を比較。中学校では、2年近く掛けて学習する項目なのだから、これらを短期間で自分のものにするのは難しいね、やっぱり。

帰宅後は、現場検証。今日のエントリー冒頭の写真がそれです。
しっかりとポールが立っていました。私が市役所の担当者にメールしてから1週間で、これだけのことが出来るわけです。やれば出来るじゃないの。でも、人一人がケガをしていることを忘れないでね。
事故翌日の現場写真はこちら。

奥に見える黄色いポールはバス停です。

夕飯は、大盛りでトマトパスタ。
晩酌の日本酒は軽めに、久々に梅酒を飲んでみた。
体が弛んで、気持ちがよい。

寝る前にニコ動での英語による記者会見を見て酔いが覚めた。
明け方、もう一度見て、夢でなかったことに震えた。
出来る人たちというのはこうも違うのだなぁ…。

本日の晩酌: 出羽桜・一路・純米大吟醸・瓶火入れ (山形県)、梅の宿・梅の宿の梅酒・黒ラベル (奈良県)
本日のBGM: 鮪に鰯 (高田渡)