明日のおめざはザッハトルテ

週間予報の通りに、木曜日から雨。
乾燥続きだったので、恵みととらえましょう。
実作は淡々と。
水曜日の高1のオーラルで「置き換えられないことば」をねらって、鴻上尚史の『ロンドン・デイズ』からのエピソードを用いたのだが、不発に終わったので相当に凹む。このエピソードは、以前、津田塾のフォーラム「詩心のある英語の授業」でも扱ったもの。参加された方のうち、どのくらいの人が覚えているでしょうか?(過去ログ参照http://bit.ly/ebA3pn)

高3の語彙・語法は英文のみを示し「誤りがあれば正せ」という正誤問題形式で。

  • each other
  • each other’s +名詞
  • itとthat
  • 所有格

を重点的に。
each otherの使い方で示した用例で、かなりできる生徒が分かっていなかったのが、所有格と単数・複数。

  • We checked each other’s essays before handling them in.
  • Charlie and I would spend the night at each other’s house.

で前者ではなぜessaysは複数で、後者ではなぜhouseは単数でよいのか、というところがダメだった。動作や活動の具体的なイメージが弱すぎるのかね?「お泊まりに来てもらう;お呼ばれする」のだから、その晩に泊まる家を交換するわけではないでしょうに。
「存在しないものにitはダメ」「存在しないものに所有格はダメ」というのは、最近だと、ミントン氏の語法書で詳しく扱われています。気の利いた高校生なら読んでいても良いと思います。もっとも、ついこの間まで、2年生の学級文庫にずっと入っていたんですけど…。
「四角化」の前提の知識となるので、名詞の三分類で「ヒト」「モノ」「コト」というのはずっとやっているんだけど、その「ことがら」をまとめて新たな節や文を始める時に、いきなり “it” にしてしまう不具合を高3あたりでしっかり修正しておきたいもの。これは「ライティング」をしっかりやっておくと、"that” とか “this”、書き言葉なら “…, which” を使うべき所、と気が付くのだけれど、4択の問題をグルグル解いているだけだったり、一文主義から脱却できていない英文で和文英訳をやっているだけでは、おそらく気が付かない類の文法力のように感じています。This is because S+V. とかThat is why S+V. が出てきた時に、「構文」「公式」とか、書き換えとか、どうでもいいことにリソースを割いていないで、こういう「結束性」の肝をきちんと整理してから卒業して欲しいものです。進路はどうあれ、このクラスの卒業生となるのですから、「所有格」と「形容詞」は奥が深いということだけでも意識できる人でいて下さい。過去ログだと、http://bit.ly/hd2hoA; http://bit.ly/fpe32L; http://bit.ly/ghTojhに該当項目がありますので参照のこと。このブログに良質のコメントを与えてくれるohapuruさんの嘆きはよく分かります。

今日の高3はその続きで正誤問題第2弾。

  • newsを数量化するときは?newsという名詞を使わないとして、その代わりになる語は?
  • pay; wages; salary と high; low; large; small のコロケーション
  • mine; yours; his; hers; theirs; ours
  • every とユニット化
  • anotherとユニット化
  • それ自体名詞扱いの語

ここまでで時間切れ。

  • (X) Our salaries are cheaper than theirs.

という文がおかしいことは分かっても、どう直すか分からない、というところからスタートです。salaryと結びつく形容詞は、

  • large; small; high; low

あたりが候補選手。それぞれの比較級を確認。lowerの発音が怪しい生徒がいたのでしつこく練習。一事が万事。余談で、動詞としての lowerも教えて、対義語を求める。「スキー場で乗るものは?」とヒントを出し、liftを得る。その類義語は?と問うて、他動詞のraise、さらには自動詞のriseを押さえて、期末試験対策。
『Upgrade』には、“every other day” では、「2つのもので構成されるユニット」がイメージしやすい図解が使われて、<oneと the other>の繰り返しで説明しているのに、<every + 複数名詞>では、everyの後に複数形が来るのは例外的という扱いになっていて、「もう一息頑張っても良いじゃない」と思うのでした。
次回は、 入試頻出かどうかをまったく度外視して、

  • allとwhole

を重点的に扱う予定。時間があれば、今週中で “rest” までやってから週末の休息に繋げたいところ。頑張れ。いや、私が。

高2は、私の選んだ例文でのディクテーションと『森林本』からの類例採集。
ディクテーションでは、前回シャトルランで採用した、<縦移動、横移動での同輩間訂正>を活用。これは定番になりそうな予感。
扱った項目は、

  • 条件節 (=従属節) と帰結節 (=主節) でのズレ

があるもの。既に絶版の『綿貫本』ではさらっと、「従属節が仮定法過去で主節が仮定法過去完了」の例を示していて、流石だなと思った。

  • 上流に遡ると、過去完了形になるものはもとを正すと?

と問うて、「過去形」の他に、もうひとつ「現在完了形」という理解を得る。ここは大切。用例採集の準備を。
その後、<as if S+V>の

  • ディクテーションによる導入→『森林本』での類例採集→類例追加のディクテーション→「縦回転・横回転による同輩間訂正」→音読

で終了。

職員会議があるので本業をオフにしていたのだが、会議が中止になったので、いつもより早めに帰ることに。大雨だったので、まあ、よしとしますか。
妻から、「ホッチキスの針を分けて」というリクエストがあったので、帰路、ドラッグストアに寄って購入。何でも売っているみたいだね。
せっかくこちらのルートで帰るので、kajiwaraでケーキなどをお土産に。
雨のために外で遊べなかったのだろう娘と戯れる。

机の上を見ると、G大端艇部の会報が届いていた。
スタッフも新体制となり、いよいよフルカラーでの発行。

高校の同期のFから携帯にメール。
Mariさんから名簿が送られた模様。
しばし懐古モード。
言葉を交わすこと自体、大学卒業以来か?

温かいおろしそばと揚げ出し豆腐で晩酌。
雨足の強さを少し気にしながら、
最所フミの辞書を少し愛でて就寝。

本日の晩酌: 刈穂・山廃純米・生原酒・番外品・日本酒度+21 (秋田県)
本日のBGM: Blessed relief (Frank Zappa)