That is beyond me.

実作は、4コマ。
普通科は2クラス。一つは分詞による後置修飾まで前時に終わっているので、基本の確認。不規則動詞の活用形のおさらい。A-B-B型の特徴を観察し共通点を見いだす時間。静かな学習の中でも、頭の中はダイナミックに動いているという体験をして、自分の頭の中をストレッチして欲しいものだ。困難校、底辺校などといわれる、習熟度のまだ高くない生徒が多い学校では、「作業」を中心とした授業運営が免罪符のように使われているのがどうにも我慢ならない。最初から可能性にキャップをはめた教えや学びではなく、目の前の生徒の現実・現状を踏まえた上で、行ったり来たり、はみ出したり、拡げたりと、じたばたすることをもっとやってみようと思うのだが…。
もう一クラスは、前時の反省を元に、板書を整理し、過去分詞の意味と働きを確認。求められる「頭の働かせ方」を、提示された実例で辿り直し、新たな例に適用する。その前に扱ったものと比較し、どこが置き換わっているかを観察し、自信を持って自分の考えた仮説を適用する。理屈を実感できるように、「具体例」「たとえ」を引っ張り出してきて、理解と記憶の補助とする。そんな授業展開です。扱った語句は以下のようなもの。

  • a broken windowと fallen leaves で「受け身」と「完了」という概念の整理
  • an exciting gameとan excited audience は「興奮ビームを発する側」と「興奮ビームを受ける側」
  • a charming singerとsurprising newsとinteresting lessonsでは「名詞の分類」
  • a spoken languageとa written languageとa letter written in English で「前置・後置」と「恒常性」

進学クラス高2には、私自身の高校生の頃の学習方法を語り、「自分の学び」を促す。例文探しの旅では、いわゆる「難関校」の入試問題の私家版データベースから、although / even though / even if // unless / in caseの使用例をAnt Concで抽出して提示。前時までに終わっている、時の副詞節を導く、afterとbeforeの前に副詞や数値が来る例を紹介し、それぞれの語感を揺すぶる。これは、COCAで調べても面白い。以下、COCAでの単純なヒット数。

  • shortly after : shortly before = 6100 : 1876
  • soon after : soon before = 4881 : 42

こういった実態を踏まえて、“soon” とは一体どういう意味なのかを実感してもらう目論見。

高3は、語彙の復習から。接頭辞・接尾辞からいくつかを選んで、まるまる1週掛けて

  • un-
  • non-
  • dis-
  • in/im/il/ir-
  • -less

を分類整理し、ベースとなる語の品詞、意味を拠り所として考え方の勘所、肝を押さえてきた。接頭辞・接尾辞でこれらを取り上げるのは、「そうか、そうでないか」を掴み損なうと誤読となるから。”mal-“ あたりも押さえておきたいという欲目はあるけれど、まずは上記5つです。 “countless stars” というときのcountlessと、 “uncountable nouns” というときの uncountableでは同じ「数えられない」という訳語ではあってもその表す意味は異なるわけで、「これらの接頭辞・接尾辞がつくと、意味が反対になる」、とか「否定を表す」などという理解では甚だ心許ないばかりか、英語ということばを正しく理解したことにならないので、ベースとなる語、そしてその対義概念となるものは存在するのか、存在するとすれば何か、などと一つずつ確認します。少なくとも、「非」「不」「無」からもう一歩進めて「欠如・不足」あたりまでの頭を準備しておくことが必要かと。

  • mindless (=acting with no concern for the consequences) とcareless (= not giving sufficient attention; not careful enough)
  • priceless (=so precious that its value cannot be determined; invaluable; unparalleled) とworthless (= valueless; of little or no value; without value)

などの例で普通に考えれば、「否定の接頭辞・接尾辞」とか、「マイナスの概念を表す」などという指導がいかに乱暴かが分かろうというもの。
今日は、”helpless”と”hopeless” という一筋縄ではいかないものを導入として、

  • beyond belief = unbelievable / incredible / doubtful
  • beyond repair = irreparable / hopeless
  • beyond words = beyond description = indescribable

など<前置詞+名詞>の中に、「受け身」の意味が含まれているもので、「否定の文脈」を見落とすと誤読を生むものを取り上げた。
その後、読解長文の再読・精読・音読。
最後の10分ほどを使って、肝となる語の辞書調べ。今日は、primary とpotential。この2つの語はご利益が大きいことでしょう。primaryはどうせ訳語を当てるなら「一番の」あたりで括っておいて欲しいもの。授業では、「『他のものをさしおいてでもまず』という気持ち」と補足し、定番の最上級相当語句、major; main; chief; leadingなどの仲間入りを確認。理科で扱われる、地震の「P波」と「S波」、そして「運動エネルギー; KE」と「位置エネルギー; PE」の話しをして、自分が実感を持てる用例を手元に20ほど用意しておくよう指示して本日は終了。

いよいよ、週末は中国大会。3月の全国選抜大会の出場が掛かる大一番である。ベストを尽くすことの難しさを噛みしめ、飛躍して欲しい。
帰宅後は、グランプリシリーズの中国大会。
失礼な物言いだが、安藤選手の身体が、思いの外絞れていたのでびっくり。この人の本気を見直しました。ショートのオープニングのコンボ、3回転+3回転に果敢に挑戦したものの、TESで予想外に低い評価。DGやWEがどのようなものだったのか、ジャッジスコアの詳細はまだ出ていないのでわからないのだが、PCSで操作して暫定三位に?と疑いたくなるような得点となった。ルール改正後も相変わらず、スコアがよく分からない。ジャッジ側、今回のスペシャリストは、元ソ連チャンピオンのNatalia Lebedevaさん。コントローラーは、フィンランドの元五輪選手Pekka Leskinelさん。申し訳ありませんが2人とも選手としての記憶はありません。ジャッジには、日本の吉岡氏も入っていました。
長洲選手も疲労骨折から復帰して間もないということもあり、キレはなかった。
他の選手もシーズン序盤とはいえ、低調な滑り。
一人気を吐いたのが、男子の小塚選手か。
番組の冒頭でしつこく、GPシリーズの過去二戦の映像を流し続けるというのがげんなり。むーん。これではファンはますます離れていくのではないか。松岡修造をスタジオのパーソナリティーに起用して、「不必要な熱さ」を演出している場合ではないように思った次第。佐野さん、この中国大会でのパフォーマンスはどうなのか、選手たちの今をもっと伝えてくださいな。
ともあれ、明日は、選手たちがフリーでベストの演技ができるように祈っています。

夕飯は、久々に鶏のバリバリ。湯豆腐で一杯。
本日のBGM: 北京で朝食を (佐藤隆)