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強化課外週間一段落。
高2は今日まで、高1は当初は明日もう一コマ予定されていたのだが、部活動で4名不在ということが判明したので、課題に差し替えて終了。
今回、中学レベルからの橋渡しに使った教材を紹介。

  • 入江泉 『すっきりわかる中学英語長文 1〜3年』 (旺文社)

同じ題材で、中1レベルの言語材料で書かれた短かい文章で概要把握、中2レベルの英語で少し長くなった英文で内容理解、最期は中3・高校入試レベルの英文で設問に取り組む、という構成。対話文だけでなく、手紙文や今流行の非連続型テキストへの対応なのか、メール・広告文もあるので、純粋に物語文・説明文・論説文といったテキストタイプ別に数多くトレーニングすることはできないが、生徒だけではなく、教師も英文の発達段階というものをイメージするには格好の教材だと思う。音源はついていないが、このレベルと分量なら教師が繰り返し読んであげれば済む。英語ネイティブの執筆協力もあるようですが、素材文は全て著者の書き下ろしというところに好感が持てます。中学校だけでなく、高校での再入門で活用してみては如何でしょうか?私は、この調子で、既習教材をどんどん自分のやりやすいようにリライトして使おうと思います。

  • 藤田湘子 『水原秋桜子』 (桜楓社、1988年)

先日読んだ波郷からの流れ。いいコンディションで入手。今日は引用なし。せっかくなので陳列しておかずに、繰り返し読もうと思う。

  • 坂本忠雄 『文学の器』 (扶桑社)

阿部先生の書評で衝動買い。あぁ、懐が冷えていく。
真っ先に読んだのは永井龍男。でも内容にはまだ触れません。伊藤整に関しては、先日、別宮貞徳 『裏返し文章講座 翻訳から考える日本語の品格』 (ちくま学芸文庫) を読んだばかりで、しかも、石原慎太郎が対談者だったので、気乗りせず。
それよりも、表紙を見て、「むむっ」と思いました。白地に文庫本のデザインを模したかのよう。新潮社に、こんな装丁 (幀) のシリーズあったっけ?昔の新潮選書ってこんなロゴと色遣いだったかな?などと思いつつ本書を見返してみると、装丁をしたのはなんとピチカートのジャケットでお馴染みの藤川コウ。家に帰って、書棚から、とりあえずアーサー・ウェイリーの『袁枚』 (東洋文庫、平凡社) を取り出す。この東洋文庫の装幀は原弘。落ち着いた緑の使い方が特徴的です。
もう一度、藤川装丁を見る。この狙いはどこに?私には、原弘/串田孫一xリリー・フランキーといった趣が残りました。出版関係のデザインに強い方からの情報をお待ちしています。

本日のBGM: 連載小説 (Pizzicato Five)