「いつの日か無心の岸辺で」

朝は正門で立哨から。
12月1日の世界エイズデーを控えて、本日は県より講師を招いて基礎知識の講演。
その後、全体講話。午前中は短縮授業。
高1のオーラルはなんと30分授業に。
ピーナツといっても、シュルツ作の方のピーナツの絵本教材を用いて、関係詞の練習。

  • A friend is someone who ….

の練習。抜き出した例文を下敷きにオリジナルのひと言を作ろうという教師の欲目。

  • A teacher is someone who can answer all your questions.

などという「例」を示したものの、

  • A teacher is someone who asks you a lot of questions you cannot answer.

などという切り返しができようはずもなく、

  • A dancer is someone who dances.

というベタなものが出てくるのは想定済み。足場よ足場。

  • A dancer is someone who entertains.
  • A dancer is someone who dances on the stage and entertains the audience.

などと発展させる。もしaudienceという語ががわからなかったら?と投げかけ、

  • people who come to watch the dance

などと切り抜ける方策も伝授。
普通の生徒なら、中3で終わっていなければいけないことを今やっているという感じです。まあ、30分ではこんなものですね。
空所補充や二文連結などの高校入試の関係詞の問題は恐らく解けるのでしょう。類題をゴリゴリ解いているわけですから。一回やったことある問題が解ける、見たことある問題だから解ける、という段階。では、新しいフレーズや、文を自分で作り出す力はどうなのか? accuracyについて、何度も何度も何度も、このブログで言及していますが、このことは多くの人に問いかけ続けていきたいと思う。

高2は、テスト範囲の英文のチェックポイントの総整理。高校2年レベルで、予習の段階乃至復習など自学自習で気がつかなければならない語句・語法などを次々とあげていく。ここでメモをとるのに必死というのではまだまだ…。
昼休みは校内の巡視。
高2の2コマ目はシャトルラン。少人数クラスだからこそできる活動ではあるだろう。
ホワイトボードに、参考書の記述を抜粋し、掲示。各自、掲示された例文と解説を読み、例文を覚えて自分の席に戻り筆記。覚えきれないものは、掲示を前にして音読を繰り返す。長いものは、意味を理解し、チャンク化せざるを得ないので、チャンクごとの音読と意味処理が身についていない者は、本当にシャトルランである。
できれば、creativeな活動でこれをやりたいのだけれど、今日の対象は、いわゆるthe + 比較級の構文。参考にしたのは、『ライティングのための英文法ハンドブック』(研究社)、『ランドマーク』(啓林館)、『英語構文』(数研)。
その段階が済んだら、英和辞典では適切な扱いの少ない、注意すべき A is all about B. のaboutの語義。教室後ろの棚に、適切な扱いをしている辞書の該当ページを拡げ、こちらとのシャトルラン。
『ウィズダム』(三省堂)、『G4』(大修館)、『ロングマン英和』(桐原)では用例も適切。『ユースプログレッシブ』(小学館)では成句で用例あり。OALDなど英英辞典ではきちんと定義もされている。パラフレーズするとすれば、 B is the primary purpose of A. あたりになるだろうか。ここを踏まえずに、成句として、

  • That’s what life is all about.

などだけを扱うのは日本人学習者相手で適切なものか再考が必要だろう。
最後は、theのつかない最上級の例で、「同一物内での比較」。参考書三冊の該当ページを開いてシャトルラン。
このシャトルランをやらせてみて気がつくのは、複数の参考書や辞書を横断して用例も提示しているのに、自分が最初に見た用例のみをひたすら覚えて帰ろうとする生徒の姿勢。横断的に行きつ戻りつ眺められるようにお膳立てしているのだから、まずは、横断してくれないと、ね?学級文庫が活用できないのも、背景に同じ学習方略があるからではないかと思う。
放課後は、授業担当者会議。
帰宅途中で、AEと『ビッグコミック・オリジナル』を購入。
AEはようやく、「建てもの探訪」もどきの連載がなくなって嬉しい。洋書特集。「英語仕事人のリーディング術」といって、取り上げられているのは、勝間和代、本田直之など。申し訳ないけれど、この人たちって、ビジネスをするのではなく、ビジネスのコンサルタントなどビジネスモデルを売る側に身を置く、極一部の人。その他大勢の一般人は、これを読んで、「私も英語をもっと頑張ろう!」と思うのだろうか?本当に疑問に思う。この雑誌は英語のトレーニング誌ではなく、英語という言語の使用をトレンドに、ファッション化を志向する情報雑誌なのだなぁと感じた。特集のクオリティを高める努力をして欲しいと真面目に思っていた私の方が勘違いしていたわけです。ごめんなさい。
『風の大地』はマスターズのクライマックス。
人生における教訓を得るには、こちらを読むべし。

帰宅して、津田正氏の『書評空間』。
今回は「いいっ!」を通り越して感動した。

  • 『鶴見和子を語る 長女の社会学』(藤原書店)

必読でしょう。副題も利いている。いつもは某A書店で買っているけれど、この本は紀伊國屋で買おうかしら。

さあ、明日からはフィギュアのNHK杯。
友加里姉さんの演技はもちろんだが、浅田真央の鬼ステップをしっかり見極めてみたいと思う。

本日のBGM: Left Bank (Yukihiro Takahashi)