in a way five or six year olds can understand

連休も本業三昧。
突風であわや、という瞬間があり冷や汗。疲労はじわじわと蓄積。
来週はセンター試験、その次の週末が県合宿。日々の練習をしっかりと練習をこなすことが一番の対策。2月の合宿は2泊3日なので、それまでに一通りのことはやっておかねば。2月の合宿には、知人も見学に随行する計画らしい。賑やかになることだろう。
高3は、この連休で某Yゼミの直前予想問題で受験シミュレーションとのことで、私も問題と解答解説冊子をいただく。筆記の方の出題はちょっと難あり。もっとも、この時期に予想問題作ってくれているということで、受験生は安心を買っているのだろう。
連休明けは、高1の授業から。ハンドアウトの準備。
英語 I はサマリーの再構築から。パラフレーズの要点も含めて2回の授業で、一課分を終了のペース。3学期はアウトプットを課すことによるインプットの促進。できれば、インテイクに繋がることを期待。
ファイルの文字化け等、四苦八苦した英語の歌の教材解説の原稿は無事提出。もう一つの原稿書きが行き詰まる。共著の難しさか…。
「和田中の夜スペ」に関して、読売でも特集記事が出た(http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/children/weekly/20080112ya01.htm)。「子どものニュースウィークリー」なので、親が子どもと読むことを想定して作られた記事だろう。都教委が「待った」をかけた、という理由に、教材研究を一緒に行うことが兼業規定に触れる、という傑作なものがあったが、こんなのは「兼業を認めれば済むこと」だろう。問題は、もっと別なところにあるのだ。

原稿書きにも関連するので、N先生から頼まれていた、某社・広島大オープン模試のライティング問題分析。

  • あなたのこれまでの人生で、あなたに最も影響を与えた人物は誰ですか。またそれはなぜですか。(80語程度)

解説での指針は次の通り。
・最初に誰から影響を受けたかを述べる。単に名前だけでなく、その人がどのような人物であるかを簡単に説明する。
・次に影響を受けた理由を述べる。語数が80語程度なので、理由はなるべく一つに絞り、その内容を詳しく述べる。
・文章に奥行きを出すには、その後自分の考え方や生き方がどのように変化したかなどの内容も加える。
・読んだ人が共感し、納得できるような理由になっていなければ、説得力のある答案とは言えない。

解答例で取り上げているのは自分の親。妥当な引き出しだろう。
気になるのは、「父親が警察官であった」という事実がどこで最初に明かされるか、という点。

  • It was my father, who died five years ago, that had the greatest influence on me when I had to choose my course in life. He used to say, ….

と始まり、父の言葉の引用の後に、

  • His words impressed me deeply. So I have decided to be a police man like him,

と来るので違和感が残る。So が因果関係で「効き目」を発揮するには、「その言葉を発した父が警察官であった」という事実が先に述べられる必然性がありはしまいか?解答の指針として、自らが示した「どのような人物であるか」が示されていない不備であろう。解答例の5で示す英文のように、I met her when ….と代名詞で文を始めるのは、最後に種明かしをするために引っ張っていくのでなければ、避けた方がよかろう。解答例での父親の記述を使うのなら、

  • It was a policeman who died five years ago that had the greatest influence on me ….

と始めて、

  • His words impressed me deeply. So I have decided to be a policeman like him. The policeman was my father.

というような情報の流れにするのである。
解答例2としてあげられているマザー・テレサ、解答例3で示されている浜崎あゆみでは、その点、前半で情報が示されているので読み手に安心感を与える。

問題の2は、グラフ説明問題。2007年初出である。北大がこの手の出題を止めてしまったので、広大が08年も続ければ、面白い展開なのだが、どうなりますか。
過去ログにも書いたのだが、今春の広大の出題が「意見型と違って自分の意見を述べる必要はない」のか、が明らかではないのだ。
この模試では、「国立社会保障・人口問題研究所」の統計から、日本の将来推計人口を棒グラフで示したものを用いている。

  • 日本の総人口と65歳以上の老年人口の、2005年度までの統計と、これから予想される推移を示したグラフの特徴を100語程度の英語で書く

ことが求められている。

  • The total number of people in Japan has been increasing, and it is now about 130 million. But from now on it is expected to decrease gradually to about 90 million in 2055. On the other hand, the number of people who are 65 years old or over began to increase rapidly in 1985, and in 2020 it is going to be over 35 million about 30 percent of the total population. It is not going to change very much from then on, but the total population is to decrease. The elderly people will account for about 40 percent in 2055, and the aging problem will be even more serious. (110 words)

最も気になるのは、and in 2020 it is going to be over 35 million about 30 percent of the total population.
のabout 30 percent of …という部分。it が受けているのは、the number of people who are 65 or overか。そう読んでも、なんの繋ぎの語句もなく付帯状況とするのは無理があろう。
分詞構文で、accounting for about 30 percent of …とするか、amounting to [climbing up to] 30 percent of などと説明する工夫をするべき。または、視点を変えて、the aged population will be getting to 30 percent of the total populationなどという説明が必要だろう。次の文のItも曖昧に感じられる。高校生のライティングで、対比の構造で文を書かせる際には、whileなどの接続詞、compared to;unlike; as apposed toまたは、at the same time; on the other handなどのつなぎ語を指導するだけでなく、名詞・代名詞の使い方に関して十分な指導が必要不可欠である。その他、語句解説で、増減の表現、割合(を占める)表現、変化の幅と時間の幅を示す表現について何も言及がないのが不満。まあ、こういうところは、GWTか東大特講リスニングの「数量表現」のポイント特講を使って下さいな。
日本の高齢化社会については言い古されてきた感もあるので、模試作成者は世界に目を向けて、こういう記事で表現の確認をしてみてはいかがかしら(http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/ed20050608a1.html)。この位のことは、「表現ノート」を作っている生徒のレベルでやっていることですから…。

本日のBGM: 5 years old (Loudon Wainwright)