「いたい、いたい、いたい、いたい?」

『シブケンのやりたい放題』(http://blog.so-net.ne.jp/shibuken/2007-06-28-1)からのリンクで、訪問する人が少しいてびっくりして辿ってみると、6月25日付けの私のブログ記事を引用していたのですね。シブケンもひとこと言ってくれればいいのに…。「ロウイングの本質とコーチング論」とかもっともらしいタイトルつけておけば良かったかな。同じ記事が、広島大の柳瀬先生の講演で引用されるとのこと。丁寧にも資料を送付していただいた。深謝。
1年生普通科の期末試験範囲授業終了。今日はあるクラスがクラスとして初めて、自分の話に正対してくれたように感じた。小さな変化、一瞬の変化だったが、この変化が波紋となれば。進学クラスのオーラルは和やかなうちに試験範囲終了。今月の歌第二弾は、ニール・ヤングの Only love can break your heart. アン・サリーがカバーしている美声の方で取り組んでもらった。教科書のリスニング指導では「対話している二人のゴールはどこなのか?」を常に考えるように注意を促す。
今週は、学期末を控えて1年生の各クラスを担当する各教科担任・学級担任・学年主任・教頭・校長を交えての情報交換会のようなものが開かれているのだが、他教科の先生のコメントを聴くのが面白い。どうしても英語の授業という一つのアスペクトしか見ていないものなのだ。自分が高校生の時の化学の担任だったO先生の言葉を思い出した。

  • 君は英語がたいそうできるそうだけれども、私の授業を見る限りでは、まるっきりバカだねぇ!!

O先生の声色を再現できないのが残念だが、この時のクラスはとてもなごやかなものであり、わたし自身傷ついたという記憶はない。みな先生の人柄のおかげであった。
放課後も5時を大きく回ってから英語科会。教科書選定第一弾。主任の「各レッスンの前に、なんとかマッチングとか、余計なものがあるの嫌いなんよね。そういうお膳立ての活動は自分で作るから、教科書はすぐに本文を読ませろ。」というコメントが新鮮。私なんか、英語Iでは各課が終わったときくらいしか教科書開かないからなぁ…。ただ、「このレベルだと教材研究で悩むってことはないだろう」という発言は首肯できない。「このレベル」と十把一絡げにするのはよくないが、最も指導法によって、教師の姿勢によって学習に影響を及ぼすレベルとも考えられよう。ただ、主任は来年度に向けて自主編成教材の作成に意欲的で、今日も「先生の、名詞は四角化で視覚化とかは普通科でもやってるんですか?」などと質問された。四角化ととじかっこと足跡が私の授業で解説に用いる基本の考え方なので学校種やクラスの習熟度にかかわらずこの3つを用いるという点では共通である。使い方がクラスや生徒によって異なるだけ。

  • ( Am / Are / Is ) your sister studying now?

を間違えてしまう生徒には、「your sisterのうち四角で囲めるのはどっち?」と尋ねて、head nounを確認させてからbe動詞との呼応に再度注意を向けさせるようにしているのに対して、ある程度分かる生徒には、

  • It was nice to hear about their studies and school life.

などの不定詞の名詞的用法が出てきたら、「これはto以下の固まり全体を四角で囲める」、

  • I want a friend to turn to.

などの不定詞の形容詞的用法を説明するのに、「この時は必ず四角で囲った名詞の直後にto原形がくる」、というように「四角化で視覚化」を使ったりもしている。説明・解説が稚拙なために学習者が混乱することは確かに多いのだが、説明方法の巧拙をただ競うのではなく、要は、そういった生徒とのやり取りを通じて、「これなら分かるのだが、これだと分からない」というその生徒の守備範囲の広さを把握しておくことなのではないか?そういうことをあらためて認識できたという点で、現任校を選んで正解だったと思う。恩師は「生徒の苦しみを追体験すること」と言っていたが、Tolerance of ambiguityなどという概念を学んできた「勉強の出来る」教師は、今一度足を止めて五里霧中の学習者の立場に身を置いてみることも必要だ。自戒も込めて。

帰宅して、試験問題作り。高3の進学クラス一つは「センター対策」の授業なのですぐに終わったが、進学クラスの英語Iは頭が痛い。今回は計5種類作成なので、結構大変。
テレビを久々につけるとK1。相変わらずダラダラした中継録画だった。韓国の選手の試合で、明らかにレフリーが止めるのが遅く、最後に不要な脳への衝撃をもたらす打撃を受けてしまった。関係者の猛省を促したい。会場に足を運んでいる人は、本当にこんな試合が見たいのだろうか?熱にうなされたいだけなのでは?

本日のBGM: セブンスター (中村一義)