「博多には夢がある」

7月15日(土)に博多にて、無事研究会終了しました。その後、帰路で本業に関わる諸々の挨拶を終え、本日帰宅。疲れました。
今回は、英語教育の学会が主催するのではなく、某B社の企画で、「大学入試」において要求される「英語の表現力」を高めるための研究会で、九州全県にまたがるいわゆる進学校の英語科の先生を対象としたものです。大学入試ライティング問題の分類・分析、高等学校での指導事例を共有することを主眼としつつ、私が監修したGTEC Writing Trainingのモニター受講の案内などを盛り込んだ内容でした。今回の研究会の参加高校名を以下に挙げておきます。

  • 福岡、修猷館、筑紫丘、小倉、東筑、明善、香住丘、久留米附設、佐賀西、弘学館、長崎西、青雲、熊本、大分上野丘、宮崎西、宮崎大宮、鶴丸、ラサール

私からは、入試問題の傾向の変化、現状での問題点の指摘、高校段階での指導事例を中心として1時間。その後、熊本、大分上野丘の両校の先生からそれぞれ30分ずつ指導事例の紹介がなされました。今回の研究会のオブザーバーとして、島根から田尻先生も参加しており、最後に中高の連携の視点で高校への要望・激励の言葉を述べられました。
当然、私の発表は受験テクニックの伝達講習ではなく、「ライティング」のシラバスをいかに整備するか、その中でどのように大学入試で問われる英語学力をも養成していくか、ということを前面に押し出したもので、普段英語教育プロパーの研究会・講習会で行っているものと基本的には変わらず、実際に今年の語研の春期講習会や、先日の英授研での発表の延長線上にあるものです。
普段の英語教育系の研究会など、参加する先生方の6−7割が中学校の先生で、高等学校でも有名進学校の先生はなかなか参加してくれない状況においては、今回のような企画はとても意義深いものだと感じています。それぞれの学校の生徒の認知学力が高いわけですから、指導法如何で、極めて高度な英語ライティング力が養えると思うわけです。今回、内心どうなることかと思いながらの福岡入りでしたが、終わってみれば、『英語教育』(大修館書店)の記事や特集であれこれ書くよりも、このような企画で全国主要都市を巡った方がよほど指導方法の研修になると確信しました。今回の参加校の先生方は各学校に戻れば、東大・京大・阪大・九大などを目指す生徒を指導するわけです。それでも、旧態然とした指導方法に安住することなく私の発表に限らず「ライティング指導・評価の勘所」について、しっかりと耳を傾けてくれるのですね。「『和文英訳』の是非」とか「『自己表現』の功罪」などといった切り口で英語教育プロパーのメディアで誰に届くでもない情報発信をしていくより、枠組みは「大学入試対策」の土俵に乗っかっていたとしても、その場を利用して「英語教育プロパー」の内容を受験指導に熱心な先生に届けた方が余程指導法の浸透には効果的なのではないでしょうか?There’s more than one way to skin a cat.ということです。
まずは近畿圏、首都圏など大都市圏で同様の企画を実現できれば、面白いだろうと思います。
そうそう、GTEC Writing Trainingは、私の授業を1年間受けるのと同じシラバスで、3か月完成の内容です。通信講座のみでの開講で面倒なのですが、よろしくお願いします。