”destination unknown”

高3ライティング、高2とも期末考査完成。寝不足の日々にこれでお別れか。
高3の「表現ノート」の評価と、高2のQ&Aカード作成と同時並行で試験作成だったので結構体力的にしんどかった。
昨日のテスト作成時に書棚の奥から見つかった、Writing Through Picturesを今日学校に持って行き同僚のK先生にお貸しする。Descriptionのタスクが満載でとても40年前の教材とは思えない完成度である。ただ、英語そのものの難易度が高いので語彙や要求する文構造などを自分の抱えている生徒に合わせて落とし込む必要があり、なかなか使いこなせていないシリーズの最上巻なのである。
この本と一緒に、1年くらい読んでいなかった『書きたい、書けない、「書く」の壁』も発見。
対談「教師の日本語力を問い直す」(水谷修・西尾珪子)に気がつく。「日本語教育」の対談なのだが、なかなか考えさせられる内容
改めて読み返してやはり、内田樹「『矛盾と書けない大学生』」(http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20051115 を参照)。に引っかかる。
今日昼休みに別の同僚のK先生と話していて、英語の達人の話題となった。K先生の学界の重鎮の方のエピソードを聞く。この方は高校生の時すでに『英語青年』(研究社)の和文英訳演習に応募し優秀者に名を連ねていたほどの実力で、大学での指導教官から「君は1年生の授業はいいから、3年生の授業に出なさい」と言われたのに「きちんと学びたい」として1年間その先生の下で実力を養成したのだそうだ。
「君も随分書けるようになったねえ。教わった通りに非常に良く書けている。」というような肯定的な評価のあと、「でも君はまだ頭を使って英語を書いているでしょ。英語はね、耳で書くんだよ、耳で。」というお言葉。
鳥肌が立った。この指導されていた先生が誰あろう増田綱先生であるとのこと。(研究社の和英大辞典の編集主幹として私の世代では名前くらいは聞いたことがあるだろう。)
もっとちゃんと英語ができるようになりたいものだ…。
今、和文英訳を鍛えることのできる雑誌の企画・連載はいくつあるのだろう?
『英語青年』(研究社)
『英語教育』(大修館)
『NHKラジオビジネス英会話』(NHK出版)
あたりがポピュラーなものか?
英語教育の研究会やワークショップで「ライティング」についての発表があると、必ずフロアからは「評価・フィードバック」の話になり、そして「添削」の話になる。この「話になる」というところは、微妙なもので。人によっては「そんなこといっても、結局、大量の、しかも誤りを多く含む英文の添削が大変でやってられない」というルサンチマンのように聞こえることがある。結局、英語教師になって初めて、発達段階の極めて初期にある学習者の英文の添削をする、というところに問題があるのではないだろうか?若い人も、「和文英訳」の課題に取り組んで、講師がどういうところをどう直すのか、という部分を学ぶ価値は大きいと信ずる。
いっそのこと、添削の仕方の教則本・指導者マニュアルを出したら英語教師には売れるのだろうか…。