悲喜交々

今日は高3ライティングのみ。中間テスト返却完了。教室はまさに、本日のタイトルのよう。採点基準や共通するミスの解説をして、「教師から与えられたフィードバックを丹念に読み、配布したmistake logに記入する」課題を追加。授業はPicture storyの続き、いったん集めたdraftをもとにpeer responseの導入。よく、「まず『内容』についてan interested readerになったつもりでresponseさせる」などと説く概論書があるが、今回の課題のように全員が同じ絵を見てほぼ同じストーリーを頭に描いて英文を書いている以上、「表現」を対象とすることこそが第一義だろう。一度導入しておけば、観点を「構成」「展開」に変えたりすること自体はそれほど困難ではない。今回の手順は以下の通り。

  • 自分の取り組みを振り返っての自己評価記入。Draftは10分のtimed writingだったので、未完の部分や、端折った部分があるので、その点も含めて。
  • ローテーションで、一人目 (1st round) は「動詞の時制の統一」をチェック。訂正があれば指摘。
  • 二人目 (2nd round) は「限定詞・指示語の対応、名詞の数と動詞の呼応」をチェック。
  • 三人目 (3rd round) は「story grammarの6観点のどれが活かされていて、どれが欠けているか」をチェック。
  • 自分の席に戻って、コメント・評価を読み、採用・却下を判断。
  • 次回までに、自分のdraftに朱を入れるように指示。

次回は授業時間内でreviseの予定。定期試験でtimed writingになると、文字が判読できないような生徒もいるので、普段から「速く」と「丁寧に」というのを両立させておかなければならないのだが、高校3年のライティングの授業で、文字を見やすく丁寧に書く指導をするのは正直しんどい。ただ、試験では「手書き」で解答する高校が今のところは大多数ではないかと思うので、十分考えておくべき要素なのである。Rosemary Sassoonの書体は日本でもおなじみになってきたが、肝心の「文字指導」「書写指導」は成熟していない。Penmanship系の教材の貧弱さ、いい加減さは何とかしたいと思う。
さて、全国の大多数の高校で試験をやっていると思うのだが、試験後に、その解説や講評で使用する言語は「英語」だろうか「日本語」だろうか?学校生活に於ける生徒の最大の関心事といってもよい「テスト」とその結果。「現実の言語の使用場面」の最重点項目と考えているだろうか?英語、日本語のどちらの言語をデフォルトで設定しているのか、それとも英語と日本語とチャンポンで解説しているのか?どういう実態があるにせよ、それは何故そうなっているのか?
授業での和訳問題、試験での和訳問題を論じる際に、頭の隅に入れておくべき要素である。こんなところに、まだまだきちんと片づいていない問題がある。