Learn, unlearn and relearn.

TOEFL講座も成立とのことで、準備も本格化。ただCBTとPBTと両方の対策を入れていかなければならないので少々面倒。どちらにせよ、リスニングセクションの底上げが最重要課題ではあるので、リテンションを高める練習方法を身につけてもらうのが最初の仕事かな。
高2は、Lesson1 本文終了。Summary Completionは穴埋めで書き出しの文字指定+英英での定義のヒント、という形式をやってみた。その後、ひたすらコーラスで音読。まず、どういう要素は残すべきなのかを生徒にも把握してもらうことと、文構造の把握に音読が役立つことを実感してもらうことがねらい。7割方理解してくれていたようだ。いわゆる帰国子女でも文法を苦手としている生徒もいるので、どの程度きちんとわかっているかを見るには穴埋めではなく自由記述でのsummary writingの方が適しているかも知れない。来週はLesson2 Stress。週末はいろいろ忙しい合間を縫ってネタ探しをせねば…。
高3ライティングは、Coherenceの概論。「よく読めるようになれば、よく書けるようになる」という主題・論旨・論理展開の核心部分でもある。ライティングの授業では辞書が不可欠なのだが、今日は、指名して解答してもらっていると教科書の英文の意味を取る段階でかなりの時間立ち往生している生徒がいて、いったいどこがわからないのかを尋ねると、「touristの意味が分かりません」という答えが返ってきた。高3の一番上のクラスで、これは困ったな、と思い、その生徒の方をよく見ると、机の上には辞書が。でましたよ、私には理解不能な行動パターンが。
「辞書があるんでしょ。分からない語があったら辞書引いたら。教科書をじっと眺めていると独りでに意味が浮かんでくるの?」と厳しく指導しておきました。「分からない語を文脈から類推する」のは、文脈を利用出来るだけの、ある程度の長さの英文に適したストラテジーであって、短文での英文完成や、語彙語法問題などでは、分からない単語を「前後の文脈」で類推しようにも手がかりが少なすぎるのである。一度身についた学習方略を揺さぶらないとあらたな「学び」は成功しない。とはいえ、次回以降の授業の活動そのものに対してavoidance strategyを取られてしまうとお互いに困るので、少し注意して観察しておきましょうか。
教科書のタスクが終わった後の練習方法としては、irrelevant ideaを排除してのパラグラフ丸ごとcopying。並べ替えによる段落完成の問題でも、わざわざcopyさせることで、本当に実感としてparagraph unityを理解出来るのでどんなに時間がかかってもシラバスの初期段階でやらせる価値はある。1つのパラグラフは音読無しでcopy。もう一つはしつこく音読してからcopyと2種類の方法を試してもらった。Sense groupとかsemantic unitとか、meaningful-mouthful unitとかchunkとか言われる意味の固まりを意識してもらうこともねらいの一つ。高1なら高1レベルの素材文で、高3なら高3レベルの素材文で、自然にread and look up での音読やcopying、さらにはshadowingや完コピなどができれば英語の基礎力としては十分であると考えている。とりわけ、copyingは日本の高校現場でのライティング指導ではあまりにもignoreされている活動である。「学ぶ」ことは「まねぶ」こと、すなわち「模倣」から始まるのだ。そのためには、copyするに足りる良質のパラグラフが必要なのだが、旧課程の英語ⅡCの教科書などは結構良質の70 - 100語程度のパラグラフがモデル文として使われていたのではないだろうか?捨てるにはもったいないですよね。自由に好きなことを書かせる前にやっておくべきことは文法問題だけではないのです。