shadow boxing

新年度もスタートしました。

  • 高等学校の新学習指導要領(案)に対するパブリックコメントの結果の発表
  • 高等学校の新学習指導要領の公示
  • センター試験に代わる新共通テストと併用されるらしい「外部試験」の認定
  • 国大協からの指針表明

など、高校現場に関わることだけでも問題山積のままのスタートです。
小学校英語関連の「移行措置」「先行実施」は大丈夫なのでしょうか?

私は私で、自分に「できることだけを続けていくだけ」(inspired by Motoharu Sano) なんですけど。
取り急ぎ、「外部試験」関連では新聞への投書はしてみました。いまのところ掲載はされていない模様。
私自身がこれから大学を受験しようというときに、英語だけこんな無駄に金を払う不公平なシステムに、プロセスも不透明なまま変更されたら、異を唱え抗議すると思うんですよね。なぜ、いつもいつもいつも、上の方で「誰か」が決めた、「誰得?」な制度変更に、振り回されなければならないのか。意思決定にどう関わって影響を及ぼせるのか見通しが立たなくて、振り上げた拳の行き場に困るでしょうけど。


その他にできること、といえば「英語ということばはどんなことばなのか」を教えること。
新年度の新入生を想定して過去ログでも言及したことのある「名詞の三分類」を見直していました。

大事なところだけ過去ログから再掲。

• 大まかな「名詞の三分類」は「ヒト」、「モノ」、「コト (ガラ)」。
• 「モノ」は「いきもの」と「そうじゃないもの」とに分けられて、「ヒト」と「いきもの」には、原則「性別」がある。
• 「ヒト」は勿論、「モノ」の中には「数」を決めないと四角になる資格がないものがあるので注意が必要。
• 「モノ」と「コト」の境界線は意外に曖昧。
という話し。

四角化ドリルのなかには、所謂「物質名詞」などの「不可算」名詞を散らかしてありますが、進学クラスの生徒には、毎年のように、こう説いています。
英語には「数えられない名詞」があるから注意、なんていう人がいます。ここでいうと、moneyとかですね。でも、日本語でも「お金」は数え ません。1円でも1万円でも「お金」は「お金」。(?) 「金金」とか (?) 「がね」とか、語そのものの形態が変わることはないでしょ?強いて数えているとすれば「額」であり「円」。それでも、その「円」という単位を表す名詞さ え、日本語では「複数形」にはならない。そうですね。日本語の名詞は原則「複数形」がないのだから、むしろ、英語のそういうタイプの名詞は、日本語の感覚に近い、あなたたちにしてみれば得意技にできる名詞。それよりもなによりも、英語で日常当たり前に出てくる、「複数形」に変わることがある、「数えること がデフォルト」な名詞にこそ、日本語との大きな違いがあるのだから、来る日も来る日も来る日も来る日も…、四角化で視覚化を続けていき、ある日、鉛筆で四角を書かなくても、名詞を普通に扱える日がくるのだと思って下さい。
http://tmrowing.hatenablog.com/entry/20130423


日本語の名詞に原則複数形がない、というのは「原則」という言い方に優しい嘘を含んでいますけど、 一見「複数」の意味と対応している「名詞」の殆どが、 不特定多数;諸 を表わすものである、というような意味合いで言っています。 日国から。

神神

人人

木木

日日


実際に具体的に数に言及している場合でも、強調のために何かの数で代表している場合でも、その名詞が複数形にはならないというのが基本です。

これまた日国より。

二人三脚

五臓六腑

十人十色

千差万別

正確に言うのはかなり大変ですが、「名詞の複数形は存在しない」というよりは、「数の概念は、名詞そのものに数を表す形態素を持たせることでは示さない」とでもなるのでしょうか。日本語では単位を表す数量詞にも複数形がありませんが、だからといって数の概念がいい加減ということではありません。

この辺りまでを眺めておいてもらうと、私の一連の「呟き」も楽しめるかと。

https://twitter.com/tmrowing/status/980687678298456064

本日のBGM: サゥザンド・ナイツ〔原田真二)