心くねらせる甘いことば

実作を淡々と進めているうちに、中間試験の1週間前になり、作問祭りとなっています。
今回は前夜祭で盛り上がるパターンかな。個人的には、その他諸々のお祭りが続く1週間を過ごしていますが…。

高1は、「全国縦断リスニングテスト制覇の旅」企画で、北海道、青森を経て福島から石川へ。
私のリライトを読んだり聴いたりする時に何に気づくか、というところがこの活動の肝なわけですが、「つながり」と「まとまり」が何によって「担保」されているのかがわかるまでは、やはり「良質の英文」に触れ続け、それを生き直すことなのだろうと思います。

今風の教育ではとかく「気づきを促す」方向に教師の意識が向きがちですが、学習者の気づきは「それぞれ、それなり、そのうち」です。私がいつも引き合いに出す、某氏の歌の捩りじゃありませんが、

  • 大人たちはここで、「気づけ、気づけ」と言うが、オレはいやなのさ〜。

ということだってあるでしょうよ。

その一方で、「呟き」の方のタイムラインで目にしたあるやりとりを踏まえて、私はこう呟いていました。

文法書であれ、読書であれ「自分一人で気づく」ことを過信してはダメだと思います。近年、高校生の授業でやっている、辞書の用例からの抜き出し板書から。もし、これだけの「実例」に文法書や読書や実際の運用で触れるには、何をどれだけ読み、誰と英語でやりとりするか?ということになりますよね。
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ここで貼り付けた写真は、「白板のモノ」の例文です。

先でも中でも後でも、「文法」の整理には、親や教師、先輩など、自分よりその言語が分かっている人からのフィードバックで、自分の理解や産出の「訂正」「修正」「微調整」が欠かせません。それを自分でできるようになれば、「自立」「自律」ということになるのかもしれませんが、それは結構大変です。

これが私の振幅、「それぞれ、それなり」です。

高1の生徒も、「初めてのおつかい」ならぬ、「初めてのエイケン」を受けたりするわけですが、私だってリスニングテストの諸注意くらいは与えています。

第1部の「対話のターンを引き受けて、次にあなたは何というか?」という問題は、全体の配点こそ低いけれども、これこそがあなたの英語力を端的に表わす問題です。対話に乗っかって、その当事者として、選択肢を読む前に何を答えるか、何で応えるか、が自分の中からでてこないと。そのためには、「音声を保持&処理」できないとダメ。え?大変?いや、何のために、「対面リピート」やってるわけ?
第2部の「他人の対話を盗み聞きした揚げ句に、その理解を、別の誰かから問われる」などという活動を我々は日常ではしたことがない。テストで問えることの多くは現実のことばのやりとりとは異なる、『テストならでは』の状況設定。ただ、そこで出てくる「ことば」の世界よりも、より広い、豊かな現実を我々は生きているのだ、ということを忘れてはダメ。
第3部など、「モノローグ」でまとまった内容を聞き続けるという課題よりも、もっと長くて一方的な「時に、まとまっていない」話を学校では散々聞かされるものです。今やっている、「リスニング問題制覇の旅」のリライトはオリジナルより長くなって、時々200語を超えたりするけれど、それで「難しくて全然わからなくなった」とはならないのはなぜ?

高2の生徒にも、同様の注意は与えていますが、先日、その高2のある生徒が、日誌でこんな趣旨のことを書いていました(学級担任は、毎日、クラス全員の「日誌」をチェックするのですよ)。

今まで、授業でやってきたことを振り返ると、ちゃんと身につけていたら全然違うな、ということが改めてわかった。

ということで、その「気づき」の後から、あなたたちの「仕事」は始まるのですよ。そう「自分の仕事をちゃんとする」ことです。ロシア人を見習いましょう。

その高2は、「白板のモノ」も一段落。
現在は学級文庫の英語ネイティブ(子供用から大人用まで)用の複数の「図解」を横断的に眺め、その表現を吟味した上で、いいとこ取りの「四則演算」をしています。

今年も、

  • 「目の見えるしくみ」「耳の聞こえるしくみ」を150語程の英語で説明する。

という課題です。このブログの過去ログを見たり、先輩に聞いたりすれば、瞬殺ですけどね。

高3は、模試の解説に見切りをつけて、授業に戻りました。
よく「模試の受けっぱなしはダメ!」と言う先生がいますけれど、それだって、「復習する価値がある英文」であればこそですから。

先日の9月の「マーク模試」の、第3問の英文も微妙。

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極め付けは、第6問の「英文」。
これはもし、書き下ろしのオリジナル英文だとしたら、ライターに注文をつけたいレベルです。いや、書いているのが、日本人ライターだろうと、英語ネイティブであろうとですよ。

こういう「英文」が課されるから、皆、まともに一文ずつ読んでいって、つながりに乗って、まとまりを味わう、というところまで行かないんでしょうね。そりゃ「段落の最初の一文だけ」をつなぎ合わせて分かったことにしたがるのも、無理ありません。

今回、この模試の事前・事後の指導をする教師のうち、何人が、この第6問の「長文」を一文ずつ吟味しているでしょうか?

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センター本試験でも若干見られた例に倣ったのか、第一段落でテンコ盛りで全体像を示し、残りの段落で詳述するというような展開を狙っているのでしょうけれど、第4段落からグダグダ。第5でショボショボ。最終第6段落はそれ言って終わってたら論証文にする意味がないでしょ!というシロモノ。教師の方は、せめて、however と in addition が何回でてくるか、だけでなく、段落のどこにどのように出てくるか、だけでも読み直して欲しいと思います。イラッと来るひとが多いと思いますけど、生徒はこれを「テストだから」読まされているわけです。それで英語の学力の有無を問われるだけでも大変なことなのに、オマケに「復讐、いや復習をしっかりやって、音読しろ」などとはとてもとても言えません。
ライターは真面目に英文書きましょうよ、ね。

さて、先日お伝えしていた「文字指導セミナー」の続報です。

11月25日(土曜日)
広島クリスタルプラザ (広島市中区中町;広島電鉄「袋町」駅より徒歩3分)
「英語教育の達人セミナー」、通称「達セミ」で、講師をします。

タイトル:「ライティング指導の第一歩は文字指導から」

私の講座は午後から(14:00くらいから2時間でしょうか)
内容は「文字指導を振り返り、試して、考える」2時間です。
教則本や四線ワークシート、筆記用具・補助具など、現時点で私が授業で使っているもの、お見せできるものはまとめて持参します。できれば関連する私のブログ記事くらいは事前に読んでおいて欲しいのですが、まあ、そうでない方も含めて「その時通り」「その場通り」で対応します。
あっ、「達人セミナー」は、「山口県英語教育フォーラム」とは違って、「有料」ですのでご注意を。4千円くらいでしたっけ?後日詳細をお伝えします。

最近の「ヨンギノー(試験)」の喧騒(喧伝?)で、私はしばらくこの「達人セミナー」からは距離を置いて過ごしていましたが、今回は広島の胡子美由紀先生からのたっての依頼でしたので、テーマが「文字指導」でもよければ、ということでお引き受けしました。
あっ、当然の如く、午前の講座は胡子先生のご担当です。
ご都合のつく方、広島へのアクセスの良い方、有料講座になりますが参加をご検討ください。

haratomo様、デビュー35周年福岡公演の振り返りは、また日を改めて。

本日の心のBGM: くちなしの丘(35周年記念ツアー弾き語りバージョン)/ 原田知世