Time flies.

気がつけば6月もそろそろ終わり。
1年の半分が過ぎたことに。

前回の更新が中間試験後だったと思ったら、今、まさに期末試験の真っ只中。
今回は3学年6種類の作成です。

指導案を授業のコマの全てで書いて残す、などということは現実的に不可能ですから、印象に残る、または残しておくべき授業の記録をブログに綴って今日に至ります。その意味では、最近の更新頻度の低さは、授業がマンネリを脱していない、過去の自分の足跡をなぞるようなものであることの現れかもしれません。

確かに、これまでの記録から、発達段階のどの時期に何をやるか、大まかなシラバスと教材はできていますから、それを準備します。でも、入学者は毎年異なり、その習熟度もバラバラです。ここ数年、基礎学力が落ちているというよりも、基本的な学習済みであるはずの事項で、欠落している部分が、私の想定を超えている新入生が増えた印象です。では、高校入学以前に、既習であるはずの事項に代わる何かが優先されていて、それを身につけているのか?それがよく分かりません。おかげさまで、そういった「想定外」の事態に対応すべく、こちらのスペックはどんどん上がっているようにも思います。

高1では「意味順」をやっているので、文型分類はせず、動詞の意味と名詞の意味との関係性に着目して、目的語感覚の日英比較を取り入れています。
こちらが今年のハンドアウト。

2017「目的語」感覚を養う.pdf 直

使いたい方は、引用出典を明記していただけるのであればご自由に。でも「盗用」は「犯罪」です。「引用」って「盗用」とは違いますからね。「インスパイア」されたなら、「何に?」「誰に?」という情報は必須ですよね。まさに「意味順」の出番です。


1学期は中学校で学んだことの再入門と整理を目指しています。「助動詞の番付表」の導入も「小結」まで終わり、規則変化動詞の活用と、不規則変化する動詞のうち、「規則変化に近づきたいもの」という括りでABB型と読んでいる一群を教えていました。

こちらが、「規則変化動詞の活用表」

規則動詞の発音と綴り字一覧 (2017改良版).pdf 直

こちらが、「不規則といいながらもABBとなる動詞の活用表」

不規則動詞活用ABB型.pdf 直

期末試験明けで、「不規則変化動詞のABC型」と番付表の「平幕 (= do; does / did)」の整理をすることになるでしょうね。

この「平幕」の扱いに関しては、完全に「教わったようには教えるな」と説いた師匠の受け売りです。でも、一番やっかいなのは「隠れる?隠れない?」というところではなく、「現在形」とは何を表わす形で、「過去形」とは何を表わす形なのか?というところでしょう。

若林俊輔『英語の素朴な疑問に答える36章』(ジャパンタイムズ社、1990年)の、pp. 125-128には、今も踏まえておくべき重要な指摘がなされています。

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I walk to school every day.
「現在」のことを言っているわけでもないのに、なぜ<現在形>を使うのか

例によって「絶版」ですから、こちらの写真でその一部をご覧下さい。

現在形1.jpeg 直
現在形2.jpeg 直

「説明1」では、

実は、英文法で<現在形>と呼ばれているものには、名前のとおり<現在形>であるものと、いわば「必ず形」と読んだ方がいいもの、この2種類があるのです。

と回答し、具体例で根拠を示しています。

また、「説明2」では、

英文法では、実は<現在形>という名称が不適切であることは昔から問題になっていました。そこで、I like pop music. のようなlike のことを<非過去形>と呼ぶ学者もいます。「過去のことについて言っているのではない形」ということですね。英語では、non-pastといいます。

という回答をし、筆者の見解を示しています。

やはり、言語事実と、学習者の発達段階、既習事項との折り合いのつけ方を考慮した上で整理と統合を図ることが重要だと思います。

現在時制の扱いに関しては過去ログでもかなりしつこく述べていますから、ここではリンクだけを示しておきます。

http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20110630
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20120718
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20121014

さあ、
この週末は「小学校英語での文字指導」セミナーです。
私の講演では handwriting に特化してお話します。良い意味で「揺すぶる」ことができればと思います。当然、私の視座も含めてです。

本日のBGM: ABC (ピコ from『ピコ・ファースト』)