今年度はカレンダーの関係で一足先に夏休みになりましたが、夏バテ気味で更新も滞っていました。
期末試験の出来があまり良くなかったので、夏期課外講座も悩み処です。
教科書の選定も自分の担当の「コミュニケーション英語 I 」は何とか済ませましたが、次年度に向けた「改訂版」が幾つもでているので一冊読むだけでも大変。というのも、教科書会社と現場教員の間の数々の「不祥事」の影響で、見本本は各校一冊しか送付、配布されないからです。さらには、「改訂しない教科書」は送られてこないのです。これって、英語科教員だけで十人くらいいる学校は大丈夫なんだろうか、と心配になります。
現任校では「学校設定科目」を設置している関係で、開講していない「英語表現」は別に選定する必要はないのですが、読み比べ。現行本では、啓林館のVision Questが異様な採択率でしたので、今回の改訂版に際しての私の不安、危惧は「VQ横並び」だったのですが、複数社で見事的中、という感じです。今回の新刊(予定)の見本本で、いいずな書店の “be” が検定を通っています。さらには、啓林館の “Vision Quest” のシリーズ(?)で、一番易しいという謳い文句で “Core” というのが検定を通っています。数件出版でも “Dual Scope” が出ました。VQの現行版が通っているのだから、もう教科書検定では、政治的なことに触れない限りは何でも有りなのでしょう。
呟きの方では連投していましたので、そちらを探してお読み下さい。
- 学習指導要領で「英語表現」の項目をまともに読んでいて、どうしてこんな教科書が作れるのか?
と思うのは、私が歳を取って、流行に乗れなくなったからなのでしょう。
旧指導要領での「オーラルコミュニケーション」「ライティング」という二つの科目で検定教科書を書いてきた人間としては、この二つの科目の墓標に手向ける花を用意しておかねば、という心境になります。
今年度私が担任をしている高校1年生も、初めての「模擬試験」を受験しています。これもベネッセの「商品」なのですよね。以前は、高1、高2は英語を易しいものに書き換えるライターがいないのか、英語のつながりとまとまりのクオリティにばらつきがありすぎて、なんとかして欲しい、と思っていましたが、今年度早々の高3の模試の設問でも酷いのがありましたので、そろそろ利用する模試を変える時期、というか「模試」そのものの利用を再考する時期にきているんじゃないかとも思います。
高1でも1回の受験料で3000円以上かかる訳です。
こちらをご覧下さい。
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Q&As.jpeg
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現在、学級文庫に、この類いの「英語ネイティブのおこちゃま用図鑑・百科事典」を入れているのですが、これは私が英米だけでなく、世界中の「密林市場」を探して、コンディションの良いものを買いそろえているものです。中古で1冊1500円くらい。一回模試を受けなければ、一人当たり、この類いの本が2冊、学級文庫に増える計算です。「なんだかなぁ」というエイブンや作問をもとに「点数」や「偏差値」が返ってくる模試を受けるよりも、多種多様な英語本が豊富に揃った教室で、週に2時間とか、ひたすら読む授業をつくる方が余程英語力伸長に寄与するのでは、と思っています。
さて、
先週末は遥々横浜まで、TEAP関連で「アカデミックライティング指導入門」のようなセミナーに参加してきました。
※以下、リンクをクリックするとpdfファイルが開きますのでご注意。
指導者向けアカデミックライティングセミナー及びスキルアップ講座
https://www.eiken.or.jp/teap/info/2016/pdf/TEAPWritingSeminar2016.pdf
今後、北海道と東京の会場でも開催される模様。
ネタバレになるので8月末まで詳細を書くのは控えておきますが、資料ダウンロードはできますので、事前に少しは学んでいた方が良いように思います。
TEAPライティングテスト・指導者用手引 (この中に、更にリンクがあります)
https://www.eiken.or.jp/teap/construct/writing_handbook2.html
因に、第2部の少人数制ワークショップは、ほぼ英語で進行しました。この後の会場がどうなるかはわかりませんが、情報提供まで。
改めて思ったのが、次に示すような本は高校現場で殆ど活かされていないのだなぁ、ということ。
外部試験の independent & integrated tasks の対策だけでなく、template に依存せず、つながりとまとまりを作るヒントが満載の教則本。
TOEFL TEST対策iBTライティング
四軒家 忍 著
- 作者: 四軒家忍
- 出版社/メーカー: テイエス企画
- 発売日: 2013/03
- メディア: 単行本
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「パラグラフ・ライティング」をどのように授業に取り入れていくか、という指導者向けの概説書。
パラグラフ・ライティング指導入門
大井恭子 編著パラグラフ・ライティング指導入門―中高での効果的なライティング指導のために (英語教育21世紀叢書 17)
- 作者: 田畑光義,松井孝志,大井恭子
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2008/08/20
- メディア: 単行本
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実際に「アカデミック・ライティング」を必要とする人への日本語で書かれた入門書。
英語論文・レポートの書き方
上村妙子・大井恭子 著
- 作者: 上村妙子,大井恭子
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
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既に、良書が流通しているのに、その良さどころか、存在にさえ気づかずに通り過ぎている「異邦人」が多いのであれば、多くの学校で「英語表現」の教科書採択が、あのような 惨状 状況になるのも無理からぬことです。
そして、いつも同じ話。
より良い英語で、より良い教材
より良い教材で、より良い指導
本日はこの辺りで。
本日のBGM: おなじ話 ( ハンバート ハンバート “FOLK” より)