おおげさに言うのならば…。

tmrowing2016-05-07

ヴィカ様のお誕生日に贈った「呟き」をRTしていただくという、この上ない悦びもあり、ご機嫌なGWの滑り出しでしたが、ロシアから届いた別の知らせに心を痛めて送った、励ましの「呟き」に「いいね」をいただくという展開に。「スケオタ」の本懐ですね。

連休中は本業で湖に。
他県からの遠征組のお手伝いも。私も「上級コーチ」という有資格者ではあるのでお声掛けいただいたわけですが、こちらの方が勉強になりました。深謝。

授業は連休を跨いで。
高1は「四角化ドリル」をその5まで。
授業の中で強調しているのは、「名詞感」とでもいうもの。名詞の匂いとか気配。で、「その5」が意味を持ってくる訳です。
練習としては、口頭での copyが主です。その後で Read & Look up。「この練習は重要ですよ」、ということは伝えています。生徒に訊いたところでは、中学校時代に Read & Look upを授業中やっていたという者は約5分の1。同じ中学校出身でした。その他大勢は、「そういう大事なことを、自分は中学校で教わって来なかった」という心配をするかも知れませんが、その「中学校で既にやってきた」という生徒が、そのトレーニング方法に習熟していたら、既にかなりの英語力になっているはずなのですね。
クラス全体には、こう言っています。

実際にどんなに優れた練習方法でも、英語が身についていないなら効果がないということ。で、Read & Look up をやってきたのに英語が身についていないという場合には、教師側の問題が半分から7割、生徒側の問題が3割から半分くらい。

現に、その「経験者」に、「学校を離れて、家で、など自分一人で、Read & Look up で練習したことがどれくらいあるか?」を尋ねたら、皆撃沈でしたから。

結局、モデルとして私やALT、人でなければCDなどから発せられる、「音を捉まえる」ということができないと、個人練習であれ、ペアであれ、そこに「英語の音」がないわけですから、上手くいきません。ましてや、教室を離れて一人で練習するような場合には、繰り返せば繰り返すほど英語から離れていってしまうことにもなりかねません。
現任校で使用している教材の殆どにはCDでの音源がついていますが、まずは、教室で教師の音声を「捉まえる」ということにもっと注力すべきでしょう。耳と頭。身体半分、心半分ですかね。

四角化ドリルは、タテ折りで半分にした右側、英語のコラムの方で、自分がスラスラ音声化できるものには「○」を、更なる練習が必要なものには「☆」をつけて、ドリルのアイテムの中での温度差を確認。左側の日本語を見て英語がすぐに出て来るものには「○」、すぐに出てこないもの、間違えているものには「☆」をつけて、こちらも温度差。これによって、マトリクスのように、自分の重点課題が浮かび上がる、というのが「システム」なんですが、そうは上手くいかないもの。
まあ、やっていくうちにできるもの(モノ、者)はすぐできるし、できないものは時間がかかります。
bird / third を取り出して母音の練習をしたあとで、birthday の音が崩れてしまうのはやはり問題。同じ音は同じゾーンに収めることが大事。自分の音が自分の身体に響く、充ち満ちるためには、やはり自分の姿勢、身体を感じることと呼吸。アコーディオンのような呼気の使い方だと思います。

連休明けには「意味順」「番付表」そして、「対面リピート」導入の予定。


高2は、土曜日課外の「定義のミカタ」が延長戦にもつれ込んでから、連休で授業がないので、振り出しに戻らないことを期待するのみ。まだまだ、タテのものをヨコにしただけ、足し算というより並べただけ、というものが多いですね。余剰分の情報を引き算したり、共通因数で括ったり、配分したりという、かけ算・割り算も重要なんですよ。

先日のエントリーでもとりあげた「英語ネイティブによる学校英語へのダメ出し」を課外講座でも紹介し、「大事なことはそんなんじゃな〜〜い」というメッセージを伝えておきました。高2の「学級文庫」を活用することです。


高3は、「診断テスト100」を最後まで。診断結果を真摯に受け止めたノート作成が重要。個人差、温度差は必ずありますからね。

進学校嫌いで、受験指導嫌いな私でも、進学クラスの担任をして、受験学年担当だと、「入試で使われた英文素材での読解指導」もするわけです。
比較的(何と比較するかがそもそも問題なんですけど)やさしい英文を素材にした教材を採択した時の問題は、

1.入試問題そのもので、原文が書き換えられている
2.問題集に採録する際に、原文が書き換えられている
3.その両方

これ本当に困るんです。
さらに、

4.原文がそもそも、お粗末なエイブン

が悲劇。

今回、久々にこの高3の読解教材を担当したら、改訂版で、出だしの2題の英文が「詠み人知らず」のwebからのもののようでギャフン‼︎

ということで、いつものように自分でノートに視写したものをアップします。

まずは、Unit 1 。

Unit1_1_3.jpg 直
Unit1_4_6.jpg 直
Unit1_7_8.jpg 直
Unit1_9_10.jpg 直
Unit 1読み人知らず.jpg 直

途中で、「人生における優先順位」という件で、価値判断、重み付けがなされるのですが、その記述がお粗末。
原文(最後の写真のもの)では、少し具体的ではあるものの、重み付けの差が分からない点ではあまり変わらず。
結論部分の記述が「?」。学生が知りたかったのは「喩え」なのだから、名詞で対応させないとね。
「深イイ話」でしょ?というあざとさもハナにつきます。


続いて、Unit 2。

Unit2_1_4.jpg 直
Unit2_5-8.jpg 直
Unit2_9_10.jpg 直
Unit2詠み人A1.jpg 直
Unit2詠み人A2.jpg 直
Unit2詠み人B1.jpg 直
Unit2詠み人B2.jpg 直

物語として破綻しているのでは?と思う程、途中が端折られていて、これは絶対に原文では詳しい描写になっているはずと思いながら読んでいました。本文に主人公の名前が出てこないので、授業では描写・形容から「骨皮筋衛門」「丸出だめ夫」「ベンチ君」というニックネームをつけて読み進め。
案の定、原文と思しきものでは、高校時代も活躍していない、「か細いアメフト少年」と「その父親」の描写がありましたが、その少年が大学に入って “cut” をクリアーしたという、アメリカのスポーツでは重要な記述がありました。結構やるじゃん「丸出だめ夫」。

ただ、最後の「自分のプレーを見ることのできなかった盲目の父が亡くなり、天国に行ったので、ようやく自分のプレーを見ることができる」というのは、キリスト教的な 死生観としても適切なものなのかが、よくわからない。

出題校が「白百合女子大学」なのだけれども、一般入試で、キリスト教的な価値観を前提として解答には当たらないと思うので、何だかなぁ…、という感じ。

原文と思しきもの二種類 (A, B) も授業で生徒に示しています。
Bとして示した英文には、「22番、行ってこい!」というようなコーチの掛け声があるのです。これは、his worst player を示すための描写なのでしょうか?
確かにアメフトでゲーム中にフィールドに立てる選手は11人だけど、プロのNFL以外では、交代選手に人数制限はないのでは?NCAAではベンチ入り22人なのかしら?

ということで、私も生徒もモヤモヤが消えないまま、Unit 3の英文に期待するのでした。

本日のBGM: イージュー★ライダー(新山詩織)