「何も気にしてないよなフリをして」

まずは業務連絡

2015年11月14日(土)開催の「山口県英語教育フォーラム」に参加をご希望の方で、県外・遠方の方は宿泊先の確保を急いで下さい!
http://choshu-elt-2015.g.hatena.ne.jp/tmrowing/20150908
例年、参加者のうち3割程度の方が県外からお見えになっています。
新幹線の止まる新山口駅付近のビジネス系にはまだ空室がありますが、フォーラム会場近くの湯田温泉付近では、ビジネス系のホテルでの「シングル」には空室が殆どない状態です。
ご同僚、お知り合いの方でお誘い合わせの上相部屋でのご予約や、ホテルの公式サイトで空きがない場合には、楽天トラベル、JTB、じゃらん、るるぶなど旅行業者のサイトからの空室検索もご検討下さい。
お手数をおかけしますがよろしくお願いいたします。
フォーラムそのものの受付は100名を目処に〆切りにしていますが、昨年の申し込みが94名でしたから、こちらはまだまだ余裕があると思います。
遠方よりお越しで、宿泊が必要な方は、前泊・後泊に限らず、宿泊先の確保をお急ぎ下さい。
ご不明な点などがありましたら、松井までお尋ね下さい。
(こちらのプロフィールから入っていただくと最後にメールアドレスがあります。http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/about

さて、2学期の実作をば。
高2には高1の教科書素材からの「チャンク切り出し可変対面リピート」を導入。
音読やセンテンスレペティションを呪文や惰性にせず、1文の中の意味のまとまりとつながりを確かめる作業でもあります。アイデアは靜哲人先生からいただいております(深謝)。
「チャンク切り出し可変対面リピート」用に、抹消線で、仕切り直しを演出です。
こちらのファイルで詳細をご覧下さい。

Lesson 4 チャンク切り出し可変.pdf 直

高1の題材は「キング牧師」。言語材料としては、所謂「後置修飾」を地道に。
巷の指導手順を見ると、「後置」される部分にスポットライトが当たることが多いような印象を受けますが、やはり「名詞句の限定表現」なんですよね。
板書の一部をこちらに。明示的指導です。少なくとも、ドロップダウンリスト、できればコンボボックスで選択と責任が持てるように、というまとめでした。


高3は、フショウブショウで「センター試験」の対策教材をやっています。
本番を模した劣化コピーの問題をやるよりは、本番の試験問題(つまり過去問)で英語力・英語の学力を問うことが大事だし、それよりも「問われているスキルや知識」を意識した、英語による新たな、普段のインプットの方が大事だと思っています。

例えば、近年出題の「不要文指摘」は、「ライティング」がカリキュラムにある時はそこで「つながり」「まとまり」を実感するために、パラグラフを完成させる課題としてやっていたので、初お目見えの年も全く心配していなかったのですが、新課程生は「ライティング」という科目そのものがなくなってしまったのでね…。

今年使っている教材にはリスニングの音声CD以外にも資料のCDがついています。ラベルには筆記試験の「素材文・設問」がある、と示されていました。

おお、よく考えられているな。問題から、下線や番号をとり、適切に整序し直し、空所は補充した「ベタ打ち」の素材文は、普通の生徒が復習するのにも役立つし、授業で扱う際に、「ディクトグロス」で活用したり、「イカソーメン」に加工したりする際にも便利だし…。

と思って読み込んでみると、お察しの通り、問題番号や丸数字なども含めて、冊子そのままに、文字データとして入っているのでした。
嗚呼…。

高校の教員を約30年やってきて思うのは、受験対策に躍起になる2学期以降で、良質のインプットがおろそかになると「英語のセンスのメンテナンス不良」を起こす生徒が多々出てくるということ。
「目の付け所」を明らかにした上でのインプットの質と量の確保が、この時期の最大の課題だと思うので、どうせ資料のCDをつけるなら、第2問の文法・語法・語彙から第6問まで、全て、「適切に用いられている英文、短文、段落、中文、長文のベタ打ち」でお願いします。

「過去問対策の果ての悲哀」というか「不幸なお受験マインドの呪縛」に関しては、

可愛さ余ってお裾分け
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20101020

で既に論じているので、そちらを是非。

今日の授業では、「語義類推」問題などといわれる、低頻度だったり専門的な語彙や、受験生には馴染みの薄かったりするであろうイディオムに下線が引かれていて、それを言い換えたものを選ぶ問題を。
基本的に、「下線部の語や語句は読まずに空所だと思え」という指導をしています。で、問題集での玉石混交英文のあとに、自分で作ったこのワークシートをやってみました。


センター試験 第3問 語義類推.pdf 直

元ネタはこちらの記事。

Zuckerberg: Facebook is working on a ‘dislike’ button
http://venturebeat.com/2015/09/15/facebook-is-working-on-a-dislike-button-zuckerberg-says/

FBは知っていて、使っている生徒もいるだろうに、ザッカーバーグは知らない生徒が多かったのにも少々驚きましたが、そんな授業を終えて準備室に戻ってからもっと驚く事件が!

私に電話ということで「外線」が回ってきたので出てみたら、「山口県英語教育フォーラム」のお問い合わせ。
電話の向こうは「C◯C◯塾Jr」。
なんと、「当塾では講師を探していて、フォーラムに来る方にはどんな方が多いのかを知りたい」とのこと。「それって、 リクルートのチャンスとしてフォーラムに参加したいということですか?」と質したら、「現在非常勤の方とかがお見えになるかな…」「当塾のチラシのようなものをフォーラムで配布できないか…」などという「商魂たくましい性根」を見せてくれたので、「フォーラムの趣旨はおわかりですか?指導法探求とか英語教育言説とエビデンスとか外部試験それぞれの評価を知りたい、とか、そういう目的で参加されるというなら、お断りはしませんけれど、『リクルート目的』というのは趣旨が大きく異なりますよね」とお伝えしてお引き取り願いました。
同僚と、
「私たちは凄い時代に生きていますね」
と嘆息。
「いや〜、今は向こうが普通なんでしょうね」
と、やりとりを振り返った後に大笑い。

そうです、まさにこの「○o○o塾」のエピソードを語る時に必要なのが 「dislikeボタン」なんです。



さてさて、
FBで気になる語法(に関する指摘)を目にしたので、「お手軽」「お気楽」な調べ方で自分を納得させていました。

「アンケートに答える」際に、「用紙・様式を埋める」「記入する」ことをどう言い表すか?

  • fill in vs. fill out

でした。指摘をしていた方は、fill out > fill in ではないのか、という趣旨でしたので、Ngram viewerの結果を。画像ファイルはpngでダウンロードできますので、そちらを拡大してご確認下さい。


fill in vs. fill out.png 直


by far the most common.png 直


「アンケート様式を埋める・答える」概観.png 直


「アンケート作成」は何て言う?.png 直

グラフと時代区分を眺めて、その背景にあれこれ思いを巡らせていました。
どこかの時代で、急激に使用頻度に変化(つまりは増大)が見られるということは、それまでは存在はしていても、何か「胡散臭い」と思われていたアンケート調査というものが、その頃に何か、「市民権」のようなものを得た、または、「誰か」がアンケートを利用して大規模調査をすることの「旨味」を知ったとでも言えるのでしょう。「アンケート」でまとめられた大量のデータの中に、人の声を聞き取る耳、感性は忘れて欲しくないですね。

当地では寒気がはいり雨模様。
国会を取り巻くリアリティがなかなか伝わらない中、市民は集結している模様。くれぐれも安全第一で。
先ほど、「強行採決反対」の署名を出したところですが、本日のエントリーを皆さんがお読みになる時に「強行採決」で終結なんて事態になっていないことを祈るだけです。

本日のBGM: New Morning (carnation)