黙祷の代わりに…

男性ボーカル篇、女性ボーカル篇に続いて、「ギター篇」と題して10曲を。今回は日本のアーチストです。

ソロに限らず、深く記憶に残り、今も聴き続けている「ギター」が顔の楽曲とアーチスト(ギタリスト)を選んでみました。
これまでと同様、発表、発売後10年以上ということと、YMO、ナイアガラ回避のために、

  • 一角獣と新しいホライズン(山田稔明; 2013年)
  • A Sigh of Ghost (高橋幸宏 featuring 大村憲司; 1997年)
  • 指切り(Sugar Babe バージョン;オリジナル、大滝詠一; 1972年)

などは泣く泣くカットしております。

日本の多くのアーチストが、「あの日」を境に、自分の音楽へのスタンスが変わった、などと言うのですが、私にとっては、良いものは良いし、好きなものはそんなに簡単に嫌いになれないんですよ。「聴き手」というだけでなく、「ずっとその音楽と暮らしてきた」わけですから。

以下、時系列で。


1. Lonely Night (Creation; 1975年)

『ロンリーハート』の方じゃないので念のため。ギターは竹田和夫(&飯島義昭?)。カタカナだと「クリエイション」と所謂「二重母音」を的確に表記していました。デビューアルバム、 Creationに収録。
中学生の頃、二つ上の兄がこの曲をバンドでやっていて、毎日のように聴いて(聴かされて)いました。当時はカタカナみたいな発音で英語詞を歌っていましたが、今でもソラで歌えます。このアルバムの、Feelin' Blue も秀逸です。

2. Smoky (Char; 1976年)

ギターは、Charこと、竹中尚人。デビューアルバム "Char" に収録。所謂「歌謡曲」の歌番組にもアイドル的に出ていたけれど、この曲を最初に聴いた時にはぶっ飛びました。「24時間TV」でゴダイゴと競演したときに弾いていたのかな?当然のように兄がレコードを買い、隣の部屋で毎日のように聴くことになります。

3. Gravitation (井上鑑;1981年)

このレコード『預言者の夢』は自分で買いました。「ナイアガラの中のナイアガラ」と言えなくもないですが、この時期の井上鑑は既に「パラシュート」に参加していたのでは?タイヤメーカーのCMでニキ・ラウダが出ていたのを覚えています。刻み捲ったかと思えば、唸りあげるギターは、仙人今剛。アルバムとシングルで随分と違った構成にしているところなどに痺れてから、今日までずっと震えています。

4. 愛しのロージー (松尾清憲;1984年)

ギターソロ(&プロデュース)はムーンライダーズの白井良明。ブリティッシュロックの伝統というか、ブライアン・メイ的というか、リチャード・トンプソンがローランドのギターシンセ噛ました感じというか、こういう「まっすぐに膨らんでいく」ギターの音色が好きなのですね。後々、トット・テイラーの仕掛けた、World of Leather (1994年) を初めて聴いたときに、『愛しのロージー』じゃん、と思いました。その少し後、1996年には、なんと、SOON(ネオアコ吟遊詩人こと村上広一&日本のジョニー・マーこと島津正多)が4thアルバムで、この曲そのものをカバーしていました。

5. Young Wise Men (カーネーション; 1988年)

カーネーション初のフルアルバム(通称『靴底』?)からタイトルチューン。当時はB面の一曲目でした。鳥羽修さん加入前なので、ギターは坂東次郎さんかな。ベースもまだ馬田裕次さんの頃。イントロの爽快感溢れるリードは、直枝さん坂東さん、どっちですか?梯子さん、教えて?

6. 恋のT.K.O. (すかんち;1990年)

ギターはもちろん、ローリー(寺西)。ビジュアルには好き嫌いが別れるかもしれませんが、「音」としては、グラムとかグリッターとか色物っていう感じではなく、正統派のギターバンドだという印象です。このファーストが一番好きで、ずっと聴いています。
よく考えてみたら、これも白井良明プロデュースでしたね。どれだけ好きなんだか。

7. 世界を止めて (The Collectors; 1993年)

ギターは古市コータロー。青春のアンサム。曲も詞も歌も最高です。YouTubeに動画も上がっていますが、是非ともオリジナル音源で聴いて欲しいです。
もし実写版の映画で『JoJo』作るなら、スタンド "The World" 発動時のBGM的な効果音で、このフレーズの一部でも使って欲しいなぁ。

8. ギターマン (ボ・ガンボス; 1995年)

この曲収録のアルバム "Go" が出た時期 (1995年) が解散ライブの前なので、ライブで聴くことがなく残念でした。このギターはKyonじゃなくて、どんとが弾いていると思っていたんですが、ソロになってからも一度もやらなかったように記憶しています。これこそ野音で聴きたかったなぁ…。歌詞の一節で、「誰が読んだか/俺の本当の名前は/ギターマン」っていうのが普通じゃなくて大好きです。

9. 落下ドライブ (benzo; 1999年)

ギターは平泉光司。郷里が帯広で依田勉三に因んだ命名、というのは後で知りました。とにかくギターがカッコいいんです。ギターソロは勿論ですが、出だしのカッティングからキレがあるんです。山下達郎と角松敏生とジャンク・フジヤマでこの曲を演奏してもらいたいくらい好きな曲です。再結成の大阪を見に行きました。ほぼ最前列でこの曲も堪能しました。泣きました。
そうそう、benzoのベースは、私が日本で二番目に好きなベーシストの伊賀航さんです。その昔、ハンバートのクリスマスライブで、お二人そっちのけで、サポートで来ていた伊賀さんを捕まえ、benzoのベスト盤にサインをねだったのが私です。

10. また日を改めて (コモンビル; 2002年)

ペダルスチールは村中靖愛。ヒップゲローをやっていた玉川裕高がリーダーでセンターでボーカル。当時のロック、ギターポップ、メロコア(のハシリ?)などなどの中でも異色のバンドで、曲のタイトルや歌詞のことばのセンスも大好きでした。初恋の嵐のボーカルだった西山達郎くんも在籍していました。CDも、緑のコンピレーション収録のバージョンよりも、オリジナルの方が勢いがあって好きです。今週も聴いていました。

本日の心のBGM: 上記の決して忘れることはないであろう10曲。