coming of age

「英語教育の達人をめざして」、通称「達セミ」は今年で20周年。"Tatsu-semi 20" の記念すべき年のスタートに全国各地で講座が開かれていました。私も、そのうち、「達セミ2015」@京都教育大付属高校、1月11日(日)&@和歌山大学(「和英研」との共催)、1月12日(祝)に講師として参加しました。

両日とも、広島の胡子美由紀先生、鹿児島の有嶋宏一先生とのコラボが実現。
京都会場では、京都教育大付属高校の高田哲朗先生の講演と「達セミ」功労賞授与もありました。

私の講師としての達セミデビューは一昨年の2013年12月の博多&熊本でした。その時も胡子先生とご一緒させていただき、昨夏の広島、秋の「山口県英語教育フォーラム」、そして今回と、見る度に進化していく胡子先生と、生徒の様子に驚くばかりです。「凄い」と唸るばかりではなく、私も自分の生徒との関わり方を見直す「勇気」をもらっています。

有嶋先生とは、初共(競?)演。2000年代に、お互いのブログを読みあうところから交流が始まり、私が2007年に山口に越した年、地元の教員の勉強会に招かれ、初めて講師をしたワークショップに有嶋先生は鹿児島から参加してくれました。鹿児島での「ガリレオの会」にも参加させてもらい、地域に根ざした英語教育の取り組みに影響を受け、「山口県英語教育フォーラム」ならではの、「できること」を模索してきました。
私のWSに参加していただいた時に紹介した「対面リピート」「イカソーメン」「シャトルラン」なども、今ではすっかり有嶋先生の掌中にあります。というより、もう「有嶋モデル」として完成されています。自分が生徒役として、復元する原文を知らない「イカソーメン」を体験するのは不思議な感覚でした。こんなにも素晴らしい活動にしてくれて本当にありがとうございます。

私がまだ東京で働いていた頃、分家とも言えるFTCでは何回か講師で発表していましたが、本家の達セミの方は未体験でした。その私が最初に参加した達セミの講師が高田哲朗先生だったと記憶しています。私は「ライティング」が専門と言っている手前、先進事例を精査するべく、全国各地の紀要や学会誌などを読む中で高田先生のお名前は存じておりましたが、実際に講座に参加し、その実践の確からしさ、そして先生の弛まぬ向上心に感銘をうけました。今回、京都でご一緒できたのも、”ties that bind” の一つかと思います。

和歌山は和歌山大学の江利川春雄先生率いる「和英研」との共催。
会場は、観光学部の施設。地元和歌山の杉や檜で建てられた素晴らしいものでした。
オープニングは江利川先生の「協同学習」レクチャー。江利川先生とは、東京時代の同僚の紹介で「日本英語教育史学会」で初めてお会いし、その後、私が山口に来てからも『学習英文法を見直したい』(研究社)に関わるシンポジウムなどご一緒させいただく機会がありました。今回、人生初の和歌山行きが江利川先生とのコラボとなり感慨深いです。

「協同学習」でも、学校としての取り組みになると、英語だけでなく、他教科での実践もサポートされているところが強みだなぁ、というのが正直な感想でした。多くの授業にコミットされていることで「視座」が鍛えられるのでしょう。授業での適切・的確なインタラクション(またはその無さ)を捉える感覚が鋭いのです。どちらかというと、「一人職人芸」のように授業のスキルを磨いてきた自分にとっての大きな課題をつきつけられたように思いました。

和歌山での胡子先生の講座は京都よりもさらに15分短い時間設定。階段教室のような形状なので、ペアやグループワークでの移動は大変でしたが、脳がフル回転で汗をかいているのが実感できます。途中、記録で写真を取りましたが、メモをとっている余裕がありませんでした。御免なさい。

ランチを挟んでは「有嶋ワールド」。会場に笑いが充満する、心地良い雰囲気を作っているのは、間違いなく有嶋先生の人「徳」でしょう。「クリスマスソング」「なぞなぞシリーズ」、普及委員長としての「iTalk」紹介に加えて「4/3/2」での「ワードカウンター」活用。これは、体験すればその良さが確実に実感できる活動でしょう。ランチがずれ込んだ分だけ予定していた「ネタ」を披露する時間が足りなくなったのですが、最後に、「イカソーメン」の紹介をしてもらって終了。この続きを見たくなった人が多かったことでしょう。

両日とも、私の講座の内容は、ほぼ全てこのブログに書いてあることなのですが、やはりあの「時空」を共有しているからこそ伝わるものもあろうかと思います。

ハンドアウト
達人セミナー20150111&12公開版.pdf 直
スライド資料
達人セミナー2015_0111_0112.pdf 直
「対面リピート」デモンストレーション用 例文集サンプル
副詞節シリーズ(サンプル).pdf 直

高校入試問題を(批判的に)取り上げましたが、課題は自分の足元、お膝元にも転がっているはず。それに気づいた時に、教師としてどう対処するか、大きな入試制度の改革以上に大事なことでは?今は、波紋を広げることに尽力しようと思っています。

このブログの日々のアクセスは300から500。そこから同僚や口コミで広がってもせいぜいが倍でしょうから1000人に届くかどうか。それに対して、「スケオタ」でもある私が書いたこの日のエントリー

an encouraging picture of what it will look like
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20150107
注:フィギュアスケートのGPF大会のことだけを書いています。

が、ツイッターでRTされ、拡散した結果、なんと3日間で9700アクセスとなっています。どれだけの「スケオタ」の目に入ったか、彼我の差は歴然。情報はただ発信するだけではなくて、そこに込められたメッセージ、強い思い、願いなども載せて、次の人への “reach” がどれだけ生まれるかが「肝」なのだと、実感させられた事例でした。

今回、講師、スタッフも含めて、京都、和歌山に参加された方たちから、一人でも多く、次の人への「英語教育」の reach が拡がることを願ってレポートを終わります。

本日のBGM:Keep Moving Brother, Keep Moving Sister (Denison Witmer)