collective awareness

2万人とも、4万人とも言われる「首相官邸前抗議行動」の報道がほとんどなされないまま、6月に別れを告げて7月へ。
democracyに別れを告げるような、勘違いしたリーダー達による「閣議決定」を苦々しい思いで眺めつつも自分の実作は続くもの。戦争という地獄への扉の鍵が外される恐れを抱えながらの作問天国。

作問は今回も6種類。最近は、テストをやっている数日間、授業がないのがもったいないと思うようになったのですが、こればっかりは…。
テスト前なので、看護科と高1は音読三昧。
授業を離れて、ペアでの対面リピートや個人での音読をどれだけしているか、というのは英語力を身につける上でかなりの意味を持つとは思いますが、やればやるほど、英語の音やリズムから離れていき、さらには、音声に意味が乗らないようでは本末転倒なので、授業でも時間をかける必要があるので悩ましいところです。
看護科でチェックしたのは、

  • Research shows that dogs can also understand a variety of human gestures.
  • We all know cats are very independent animals.

でのthat節、私の授業で言う「ワニ」の処理。二例目では、省略されているので、「間」抜けにならないように。そこに意識が及んでも、舌先の強さが失われないことを強調。

  • The ancestors of dogs are wolves, animals that live in groups.

では、同格の処理での音調。

  • You have all heard of Hachiko, and how he always went to the station to meet his master, right?

では、andの並列で、ペアの片方が「ワニ」になっている部分。

高1は、まだ『緑本』なのですが、それでも音声化では課題が山積。

  • They have enough water for drinking and cooking. They have enough for growing fruit and vegetables, too.

での2文目のenough とtooの処理。音調、間で意味を伝えることが大事。

  • His way of catching fog was very simple.

での音調。卓立。

  • Dr. Schemenauer plans to continue his important work, and keep looking for ways to help.

での and のペア。
とかく「リエゾン」などといった、「音変化」にスポットライトが当たりがちな音声指導ですが、基本は「調音」と「リズム」「ビート」ですから、地味なトレーニングです。
看護科の very independent animalsでも、高1のvery simpleでも指摘したこと。

「強調」のために付加しているvery が何を言っているかわからないと、付加していることがマイナスにしかならないので、言うならちゃんと英語の音の許容範囲に納めること。上手くできないならむしろ言わない方がindependentとかsimpleとか、本来自分が伝えたいことばの意味がダイレクトに届くでしょう。

という部分は、よく考えておいて欲しいのです。
進学クラスの高3ともなると、かなり語彙レベルも高く、構文も複雑な「書き言葉」が素材文に入ってきます。そのような英文も、話し言葉の音調・リズムで音読練習することにはマイナス面も多々ありますが、つながり、まとまりを左右する語彙選択、情報構造も含めて、「耳で書く」 (inspired by 増田綱) のが卓越したライターなのですから、やはり音読は「自分の今立つ足下を支える基礎」であることは確かだと思うのです。
過去ログだと、

あたりで、私の指導の「観点」「重点」が分かろうかと思います。「英語は英語で」のためにも、「英語を」なんとかしておく必要があるでしょう。

期末試験2種類の印刷を終え、8時に学校を出て、帰路で腹ごしらえ。
9時に帰宅。妻が穴子を焼いてくれたので「長陽福娘」で晩酌。穴子は長崎産でちょっと細い。「長陽福娘」は山口は萩の地酒。山口には誇れるモノがこんなにあるというのに…。
首相のお膝元の山口県で暮らしている一人として思うこと。
県庁所在地では沿道に立つ市議、県議の姿など皆無。誰も有権者や市民に何も説明もせず、弁解もせず。石原慎太郎都政が嫌で東京都民を辞めた私だが、今日ほど、山口県民になったことを苦々しく思った日はないという記憶が脳裏に深く刻まれることでしょう。
選挙権を行使できる者の一人として思うこと。
未だ選挙権を持たない世代から、「あなた達は、一時の景気のために戦争へと続く扉を開いた世代ですよね」と言われたくはありません。ただ、そのように我々の世代が詰られることよりも、我々だけでなく次の世代もが戦場へと駆り出されることはもっと許せないのです。

本日のBGM: Home Front (Billy Bragg)