「やっぱり知りたい」

ちょっと変なモノを見たので、呟きでも書いた、昔のブログへのリンクを。

Etymologyに思う http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20070129

もう、語源のウンチクは「いい加減」にしたら、と思うんだけどね。
私が語源の戒めで示すのは、我々が「エベレスト」と呼ぶ山のチベット語での名前といわれる、「チョモランマ」。授業ではよく、こんな風に言っています。

私:現地の語源で「チョ」は「超」、「モランマ」は「マウンテン;山」。「超山;山を超えた山」で「チョモランマ」。分かった?
生徒:凸!
私:いや、今のは口からでまかせ、嘘だよ。
生徒:凹!

語源の話を受けて、こんな記事も書いていました。金田一先生、流石です。

「爺ちゃんの名にかけてっ!」 http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20070216

語源ファンや、その本を買った人が、その「ウンチク」を読んで納得したり感動したりするのは、その個人の自由だと思うのだけれど、その「ウンチク」をまた別の「英語教師」が薦めたり、普及させようとしていたりするから、この稼業はつらいのです…。

追記でリンクも追加しましたが、こちらでも再度。

語源の森を散策するのも結構なのですが、ちい散歩ならぬ、「恣意」散歩で初学者を煙に巻くのはもうそろそろやめにして、謙虚に考察を進め、内省を深めて欲しいものです。
http://www.wordwizard.com/phpbb3/viewtopic.php?f=7&t=21836
wordwizardというサイトのタイトルが意味深ですが、「私だけが知っている」ということなど、言葉の世界にそう多くはないでしょう。この投稿主(↑)も、次のリンク先のギリシア語の語義に関する記述を読めていたらよかったのに、と残念に思います。
http://biblehub.com/greek/2358.htm
http://biblehub.com/greek/2360.htm


自分にコントロールできることに注力するのが心身の健康のため。
高1の「コミュ英」は、「助動詞の生態観察」で、所謂、完了形と進行形を。
大事なのは、<have + ed/en形>で、時間の流れの上流から下流へと伝わる「余波」を実感すること。「ドヤ顔」や「喪失感」の実感。

「関脇」<be + ing>は、動作・出来事の始まりと終わりを作り出す話し手の世界の見方。
<いつもより余計に回っております>という世代を超えた芸での口上と、安藤美姫の北極点(圏?)氷上スピンの話しから、<棺桶に片足突っ込んでる状態>という喩えを経て、<惚れてまうやろー!>という下世話なバーバルギャグと、<ウルトラセブンはモロボシ・ダン>という懐かしのネタを披露しておきました。

<大関>と<関脇>の合体ロボは高校初出。

  • 別に目の前で起きている活動や出来事に限らないんですよ。

ということを実感してもらうために、

  • How long have you been studying English?
  • Who has been playing with my PSP?

を追加投入。
定番の、

そのジャケットいいね。おニュー?
―いや、一昨年から着てるよ。

そのローファーいいね。おニュー?
―いや、去年から履いてるよ。

その靴下いいね。おニュー?
―いや。一昨日から履いてるよ。

はまた日を改めて。

高2は『コーパス口頭英作文』のように、良質の素材を活かした教材を使っても英語の運動性能が身につかない者への苦言。説教とも言う。もう、本当に後がないのだけれど…。
言葉を生き直すことを厭う者に、言葉の神様は微笑まないでしょう?


看護科2年は、対面リピート、個人での教科書の音読活動と読解での「四角化」「ワニの口」など一連の記号付けのもつ意味、記号化と音読活動との関連、下支えを実感してもらう1コマ。ようやく新しい課の「仕込みプリント」を配布。これで、来週の月曜日まで英語の授業はなし。でも、6月は走りますよ。


高3課外講座は「ナラティブ」の続きを。リバイズへのフィードバックとドラフトで見られる典型例を修正訂正した「適切な」英文による、接続詞やつなぎ語のリストを配布。全ての用例が、今回の「ナラティブ課題」の「物語」に集約されるように作ってあるので、例文には和訳はなし。絵が語りますから。
ロングマンのpicture stories シリーズの第二巻。通称『赤本』でお馴染み、「帽子売りと猿」の話しを既に授業で使ったことのある方 (教える側も、学ぶ側も) には有益なワークシートだと思いますので、こちらからDLを (物語文のつなぎ語.pdf 直)

良質のナラティブを消化吸収することが一番、ということで、このクラスではやっていなかった、『ジェニーちゃん』を。流石は、リリアン・ムーア。ホントに身近さといい、短さといい、良い物語りのお手本です。
『少年探偵 百科事典ブラウン』の各巻の冒頭だけを集めたワークシートも配布。この読み比べは、英語の運動性能を高めるのに効果的。著者のソボルさんは、『2分間ミステリー』の作者ですからね。

英語教育の世界ではinputの重要性はいくら強調しても足りないくらいでしょうが、肝心な母語である「日本語」の読みや聞きが心許ない状態では、足場として機能してくれないように思います。

今一番気になるのは、内田樹さんが「『矛盾』と書けない大学生」で憂いた「虫食い」のような世界の見方、意味の処理ではなくて、自分が小さい頃から慣れ親しんだ、その味をよく知っている食べ物がでてきた時だけ手に取りつまみ食いするように、人の話を聞いたり、文章を読んだりする高校「残念」生の存在。
何が「残念」なのかというと、いつまで経っても、味覚も消化吸収力も自分が慣れ親しんだ小学生レベル、中学生レベルから成長しないこと。本人はそれを食べている時は美味しくて満足なことも、ただただ残念。

先程の『ジェニーちゃん』のように、優れた児童文学は、時の試練に耐え、大人になってから読み返しても、「懐かしさ」以上に、新たな気づきを与えてくれるものです。そのためには、「多読」が、貪るように乱読する「貪読」にならないような、「指導」が必要でしょう。

  • 読解力がない?では、「天声人語」を読め!

では、根本的な解決にはなりませんから。

さて、100万アクセスを迎えたこのブログで、意外にも、ここ3年間、最もアクセスの多い過去ログがこちらです。

関係代名詞: who, whom, that or nothing? http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20110124

このエントリーに辿り着く人は、いったい何が気になるんだろうか?というのがいつも気になっています。指導要領での扱いの変遷、というのはちょっと特殊な情報ですが、現代英語における関係詞の実態とその教育的扱い、という観点では、このエントリーで得られる知識くらいは、教壇に立つなら「共通認識」だろうと思っています。

自分のクラスのLHRでは、進路ガイダンスも含めて、情報提供。

内田樹氏の『「矛盾」と書けない大学生』を出題した、愛知県立高の入試問題の紹介。 http://www.aichi-h.ed.jp/_pdf/entrance_h25/japanese.pdf

過去ログの、「かしこそうな言葉づかい」考 (http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20061125)でも取り上げた、宮原の『論力の時代』を出題した都立高入試に愕然した記事も紹介。
what a March hare has learned the hard way http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20120307

続いて、内田氏のブログから「学校教育の終わり」を打ち出し読み合わせ。進学クラスで企画されている安田登さんや森田真生さんの「特別講義」、そして普段の「学び」が、どちらを向いているものなのか、という話しを少々。

四軒家忍さんのブログ記事 (『無理なことだけど、ちょっと空想してみた。』 http://amba.to/1odxYgP ) も読み上げ。大事なのは、「圧倒的な知識不足」に気づいたときに、どのように「学ぶ」か、なんですよ。

B社の少し古い資料から、茨城の茗渓学園の話しを抜粋。この学園の素晴らしさは、英語教育だけではないけれども、英語教育に限って言えば、世間で数多開かれている「教員対象の最大公約数的セミナー」を受けるよりも、ここで教えている方たちの普段の取り組みを知る「超局所的」な学びの方が有益な気がしています。私もいつも唸らされています。多謝。

今まで読んだことのない雑誌に、<原田知世さん+dosa>の頁があるということで購入。kindle版だと、写真の良さが今ひとつに感じられ、雑誌の方も。良かったです。ちょっとレトロなワンピースが素敵。
またしてもお節介を焼いて、SPICEの店長さんへお届け、と帰宅前に寄ってみたのですが、出張でご不在。前回、お貸ししていたCDは、なんとdosaの商品が入っていたビニール袋に丁寧に包まれておりました。この気遣いとセンスの良さに、また訪れようという想いも増すのですね。
帰宅後、シールにあった型番を調べてみたら、シルクのラッフルスカートの模様。midnight blueって、あの独特の濃いインディゴですかね?店頭で実物を見ていたかな?

至福の下顎を愛でて就寝。

本日のBGM: 名前が知りたい (原田知世)