返信〜50歳の私から〜

無計画で壮大な紆余曲折の果てに、このブログも「100万アクセス」に達しました。
私は故あって40歳から3年間非常勤をしていました。食うのもやっとという時期で、新しく本を買う余裕などなし。その時期にブログを書き始め、持っている本を読み直し、洋楽のCDを聴き直し始めたことが、今の私を支える確固たる礎となっているように思います。
このブログの執筆期間約10年のうち、東京で働いていたのが約3年、山口に来てからがもう7年。山口に来てからの方が倍以上の期間になるのですね。

山口に来て暫くしてから、「なりすまし」のコメントや、検索ワードでの嫌味などなど、度重なる嫌がらせで、このブログを閉じようかと思ったことも度々ありましたが、まずは、有益な情報交換の場でもあった、「コメント欄」を閉じました。それでも、嫌がらせは収まらず、夜間の「プライベートモード」化など、アクセスを制限することによって、管理者である私のストレスを軽減する方向で進めてきました。昨年度末に、県庁のしかるべき部署に相談し、嫌がらせを5年近くに渡って続けてきた人を「指導」してもらうことで、問題の解決には至らないものの、随分、心は軽くなり、夜も眠れるようになりました。

今回、100万アクセスを機に、コメント欄を一時的に解放し、この「人」からも謝罪の言葉が聞けるかなとも期待したのですが、やはり、そのような「いい話」は存在しないものですね。

「群れるな、連なれ」を旨とする私ですので、今回プラスのコメントを残していただいた方たちをあらためてご紹介し、返信となるべく、コメントをしてみます。


柳瀬陽介
100万アクセスおめでとうございます。
綿密かつ鋭い分析にいつも啓発されています。
これからますますのご活躍をお祈り申し上げます。

柳瀬先生、コメント欄解放後の初となるコメントをありがとうございました。
柳瀬先生には、直接お会いする以前から、ブログや、今はなき「掲示板」を通じての交流がありました。同世代ということもあり、いつも「気になる」存在であり、英語教育における掛け替えのないmentorであります。今後とも宜しくお願いします。

yojijoy
祝100万アクセス。
中高英語教員8年目になりました。先輩教員に薦められてこのブログを拝見するようになりました。毎回本当に勉強になります。これからも色々と学ばせてください。

yojijoy様、このブログが何らかの「学び」につながっているとすれば、嬉しいことです。ありがとうございます。私自身の8年目の頃は、無我夢中で「先輩」の背中を追いかけつつ、自分の目の前の生徒に全力で向かっていたように思います。このブログを書き始めたのは40歳になろうかという時、教師になって18年位の頃ですが、書くことによって、自分の「視座」がはっきりするのだと痛感しています。更新頻度は、以前より落ちてはいますが、これからも、自分のことばで綴り続けますので、お読みいただけると幸せます。

佐藤
 Tmrowing様の奥の深い内容に、私も勉強させてもらっています。
せっかくコメント解禁になったので、以前から気になっていたことを質問させてください。回答していただければうれしいです。

 かなり古い書籍を推奨するケースが多いですが、なぜ受験生に定評があった伊藤和夫の英文解釈教室や、基本英文700選、原仙の英文標準問題精講、中原道喜の英文問題シリーズなど、こういった受験生にとっては定番だった書籍の講評が出てきていないような気がします。何か理由があるのでしょうか?

Tmrowing様は受験生の時にはこれらの参考書は使用しなかったのでしょうか?過去ログでは使用した記事はなかったと思いますが・・・

佐藤様、コメント深謝。私は高校生の頃既に40冊くらいの「英語学参・問題集」をやりましたから、当時の定番教材はだいたい「通過」しているとは思います。しかしながら、受験勉強を始める前に、河上道生氏の『英語参考書の誤りを正す』(大修館、1980年)を買ってきて、信頼できる教材を自分の英語学習に据えていましたので、自分の今日の英語力や言語観を支えているのは、このブログの「学習歴」で書いてきたような「本」であり、「教材」なのだと思います。
『英文解釈教室』は高3の2学期に、「倒置」の章(だけ?)を集中的にやりました。『700選』は、高2の時に、同級生のK君から、「これ俺もう挫折したから、あげる」と譲り受け、例文の前後に、質問・コメントをつけて「自然なやりとり」「つながり」ができるように、と例文を吟味していました。『英標』も、「英文読解」の方は19世紀以前、第二次大戦以前の出典を排除してみると、殆ど英文が残らなかったので、短期間で読み切ったように思います。『和英標準…』の方は、私自身、松本道弘氏の「英語道」に心酔していた時期ですので、英語の「キレ」が物足りなく思い、使いませんでした。というよりも、「英作文」に関してはそもそも大学受験用の教材を使わなかったと思います。
お答えになりましたかどうか…。

ゆどうふ
百万アクセスおめでとうございます!*・゜゜・*:.。..。.:*・'(*゜▽゜*)'・*:.。. .。.:*・゜゜・*
いろいろ勉強させていただいてます
いつもお忙しそうです、お身体には気をつけてくださいね!

ゆどうふ様、コメントありがとうございます。ブログやツイッターでこちらこそ、お世話になっております。オフラインでもお会いすることができ、嬉しく思います。私も50歳を過ぎ、心身の健康が第一ということを痛感しています。このブログも、細々と続けるだろうと思いますので、今後とも宜しくお願いします。

A30
100万アクセスというマイルストーン、心よりお祝い申し上げます。これからも日本の英語教育に"活"をこぴっと入れ続けてくださいなし!(UG)

UG先生、身の引き締まるお言葉、肝に命じます。いつぞやは、私の発音を診断矯正していただきありがとうございます。教材研究、授業の前などに、「チェックポイント」として、活かしています。これからも「常時英心」を忘れずに精進します。先生も、くれぐれも、ご無理をされませんように。

hiroki_yamazaki
100万アクセスおめでとうございます!!!
学生の時から読ませていただき早5年。
いつも拝読しては、鋭い切り口と深い内容に勉強させていただいております。毎年、今年こそ山口へと思っていますがなかなか叶わず残念です。今後ともよろしくお願い致します。

yamazaki先生、コメントありがとうございます。もうそんなにお読みいただいているのですね。研究者にも「現場」がありますが、教師の「現場」は生徒あればこそです。そうであるからこその「悩み・葛藤」もありますが、時にそれを忘れさせてくれるような、素晴らしい「学び」「成長」を彼ら、彼女らが見せてくれるので、この仕事も続けてこられたのだと思います。ただ、凹むことが多いのも事実。そんなときに、同僚だけでなく、離れた土地の先輩後輩世代との「交流」が何かの助けになるかもしれません。山口県英語教育フォーラムでお会いできる日を楽しみにしております。

なな
いつもブログ拝読しています

幼少の頃フィギュアスケートを習っていて、辞めてからも一ファン、もとい"オタク"として応援してる私としては、先生のスケート談を英語や教育の記事と同じくらい楽しみにしています(笑)
このブログを読みはじめてすぐ、先生が太田由希奈選手について書かれた記事が更新されて、感動しました。彼女の滑りが大好きだったので。いまも大好きですケド。それからこちらに通っているといっても……!笑
今シーズンのペアアイスダンスに関する語りももっと聞きたかったです

英語の話題じゃなくてすみません!

ななさん、コメントありがとうございます。
世間では「スケオタ」と呼ばれるようですが、私も「フィギュアスケート」のことだけを書くブログを立ち上げようかと思ったことがある位、フィギュアスケート無しの人生が考えられなくなっている昨今です。昨シーズンは念願が叶って、ラジオノワ選手、ソトニコワ選手、コストナー選手を生で見ることができましたが、今でも、世界で一番好きなスケーターは太田由希奈さんです。アイスダンスの世界は奥が深いのでこれからの楽しみも増えました。今はただただ、ヴィカ様の行く末に幸多からんことを祈っています。

なな
追記
英語と指導についてのコメントを追加させてください!

先生の記事の中で、特に最近は「handwriting、文字指導」についての記事が興味深く、資料の方も何度も読み返しています。と、いうのも数ヶ月前にhandwritingについてチラッと書かれている記事を読み、興味を引かれながらも、検索機能を使いこなせず、過去ログ読めずにいたのです……(汗) なので先日まとめて過去の記事もアップして貰えた時は大変嬉しかったです!

handwriting 関して、もし機会があればより詳しく伺いたいです。学習のはじめの段階、もしくは英語圏なら児童に対する指導については調べていく内に資料を読みながら雰囲気を掴めているように感じますが、高校での指導というと、どのレベルといいますか、どういうなものなのか、とても興味があります。

自分の話になってしまうのですが、わたしは中学時代は筆記体は授業では扱わない世代でしたので、(筆記体というと私の中では四線のノートのお手本についてくるアレ、なのですが…) 課題に使うと点数が貰えない"キマリ"で、日用的には使わないまま今にいたります。しかし、中学のはじめに「なぞって練習しなさい」と渡されたテキストのブロック体?のお手本には当時違和感(特にaなど)を感じていました。そんな訳で、わたしと同世代が受けた文字指導はあまり望ましくないものなのか、だとすれば、高校教育の段階ではどのように指導するのか……

学習者が 所謂「筆記体」で書くデメリット(安易に学習者が使用する注意点といいますか…)や、現在の教科書の「ブロック体」の問題点、海外の児童が「繋ぎ文字」については、先生のツイッターからの紹介で手島先生のブログを拝見し、少し理解できたように思います。

海外の文字指導について全く考えた事が無く、今回興味を持ち調べはじめました。恥ずかしながら「pre cursive」や「unjoined cursive」というようなものがあることすら全く知らなかったですし、気にしてみると海外の児童向けの動画で使われている書体や、児童向けの handwritingの動画などでの学ばせ方には色々気づくところがあります。

しかし改めて自分の文字を顧みてため息が出てしまいました……(苦笑)

……と、書き始めたらあまりに長くなってしまいました。申し訳ないです。
ええと、また、ブログ拝見させて頂きますね。失礼します。

ななさん、今度は英語教育の話題ですね。
文字指導に関しては、発音指導以上に「勘と経験」の弊害があるように思っています。小学校の「外国語活動」が必修となり、教科化前倒し実施が進む可能性が高まっている今だからこそ、「手書き文字」の指導手順・指導法を入門期の教師は熟知することが求められるでしょう。開拓社からの「語研」の編著によるQ&Aの新刊で、手島良先生が執筆されている項を是非お読みいただければと思います。大学(院)の先生では、名古屋大学の、大名力(おおな つとむ)先生が、文字に関する公開講座を開かれたりもしていますので、チェックして見てください。

HOWDY
Dear Mr. Tmrowing,
I work as an English teacher at a high school in Yamaguchi Pref. I am a big fan of your blog, which is really informative and encouraging. Actually, your blog gives me lots of useful tips on how to teach English more effectively. In other words, your blog is full of beneficial teaching methods and techniques that can motivate students to learn English. ‘Ikasoumen’ is one good example of these.

Meanwhile, I have mentioned your blog as encouraging because it often gives me a pep talk when I feel down with my classes seeming monotonous or when I am pressed with so much extra paper work that I cannot be bothered to study much about teaching materials. Your blog is like working well on me while listening to Miyuki Nakajima”s works such as ‘headlight taillight.’

Hopefully, your blog will go on, immersing many English-crazy comrades in the world where top priority is given to training students to enjoy communicating in English. I also hope this will lead to promoting world peace!
Best,
Howdy
P.S. Today’s BGM: John Lennon’s IMAGINE

HOWDY様、いつもお読みいただいているとのこと、ありがとうございます。山口県で教師をされているのですね。このブログも、山口に来てからの方が執筆期間が長くなっています。今では、あまり「啓蒙」とか「啓発」ということを考えてはおりません。ただ、「イマココ」での自分の実作を綴る英語教師が増えることは喜ばしいと思っていますし、「英語教育」というフィールドに対しての問題提起は、今後ともし続けたいと思っています。山口県英語教育フォーラムで「連なる」ことができればと思います。

皆様、コメントありがとうございました。今後とも、気の向いた時にお越しいただき、お読みいただければと思います。
ということで、またコメント欄を閉じさせていただきます。

本日のBGM:LOVE (原田知世)