True Colors

本日は告知から。
最終案内、くらいですかね。
第6回山口県英語教育フォーラム

11月16日 (土) 10:00 – 17:30 (受付開始は9:30です)
山口県労福協会館・4階大会議室
参加費無料
詳しくはこちらの特設ページから。
http://choshu-elt-2013.g.hatena.ne.jp/tmrowing/20131006
フォーラム終了後に、講師の方を囲んだ懇親会 (会費制) もございます。
奮ってご参加下さい。

実作は地味な営み。そういうところにこそ「素」が出るもの。
進学クラス高2は『話せる音読』の本文と要約との間を行ったり来たり。キーワードは何か?そのキーワードを思い浮かべた時に、既にそこから繋がって頭に浮かんでいる「ことば」は何か?
類義語の仲間意識というか帰属意識というか、こんな言い方をしています。

“way” って出てきたけど、「道路」じゃないよね。「道」の比喩から「方法」「やり方」。では、ここが空欄で、way以外の語を使うとしたら? まだ辞書引かない、まず考えてみてから『グラセン和英』。どう?method? manner? 「ちょっと学級文庫の辞書で調べてみよう!」と言うときにまず手に取るべき辞書は?そう、ActivatorとLexicon。どちらもロングマンですね。

極少人数クラスだからこそできる進め方です。そこから、

じゃあ、英語ネイティブの大人がまず頭に思い浮かべるのは?言い換えれば、「方法・やり方」の仲間達が住んでいる部屋の「部屋長」は誰か?ということを確認するのに良い辞書は?

と問うて、『エースクラウン』の重要語の扱いを確認させる。刊行から5年、ちゃんと改訂版が出ますね。流石、投野先生。

この日の授業で聞き進めて読み進めた最後に辞書で確認したのは、

  • challenge

の語義。高2、高3ではクラスに一人、『ワードパワー英英和』の担当を決め、「ミス・ワードパワー」、「ミスター・ワードパワー」は、該当する語の定義を日英語の両方で伝えることになっています。 (英語の定義文の日本語訳が載っているこの辞書、本当に画期的だと思うのですが、本家の改訂に合わせて、そろそろ改訂しないのでしょうか?)
生徒に辞書引き作業をさせる間に、私がiPad miniで検索したのは、某局の伝説の番組、『できるかな』のテーマ曲。ここが分かれば、「やれるもんならやってみな、と言われて、俄然やる気になる」という、本文での「肝」が掴めることでしょう。

  • 今日読んだこの本文の最後の最後に空所が一つあって、「空所に最適な名詞一語を入れなさい」、という設問で、十分英語力が試されると思わない?

と投げかけて終了。

進学クラス高3は、「選挙権」ネタの最終稿提出。残りの時間で、『デュアル』のリスニングでVOAのニュース素材から。iPad miniに入れてあった音源を間違って消してしまったようで、生徒からCDを借りて教室のDVDプレーヤーで再生。授業で既習素材となった「英文」も、チャンクで区切りのあるトラックでコンテントシャドウイング、ナチュラルスピードのトラックでオーバーラッピングとか、工夫はいろいろできますから。C社さん、もう少し大判で、レイアウトを見やすく変えて、そろそろ改訂して下さい。お願いします。

進学クラス高1は、「ワニの口」のwh-で、whatまで進みました。まだまだ、ワニの生態把握までは至りませんが、「名詞のないところに名詞のかたまりを作り出す」という習性の一端は感じられたかな、というところ。実習を兼ねて、「全国公立高校入試問題」から、英語教育先進県の石川県のリスニング問題を概観。まあ、いつものように、

  • ワークシートはA3で縦長、更に半分に折って、その左側のみに問題と、スクリプトの英文の最初の2行くらいだけ印刷しておく。
  • ペンを置いて全文を聞いてから、ペンを取って最初に2行の下のブランクのスペースにキーワードの書き出し。2回聞く。消しゴムは使わない。「これがあなたの今現在の英語力である」ということを確認。
  • 旅に出て、他の生徒のキーワードとの摺り合わせ。ホームに戻って取捨選択。消しゴムは使わない。
  • 段落など纏まりのよい、キリの良いところまで聞いて、ペンを取って加筆修正。消しゴムは使わない。
  • キーワードを元に、「意味順」を活用して、何の話か、自分で作文にトライ。その後、加筆修正。消しゴムはなし。
  • 問題の英文を私の範読に続いて口頭でリピート。一対多の対面リピートですね。その後、正解を選ぶ。
  • 紙ホチキスを解くと、裏面に天地が逆にスクリプトが印刷されているので、Read & Look upの後、Flip & Writeに移行。ただし、ぺなぺな横着をしないように、ワークシートの表面右側のまっさらなスペースに、最初の2行を視写。そこに続けて、Flip & Write。
  • 自分の解答を確認。自己診断。

という手順。高校生が高校入試問題の「設問」に答えるのは簡単かもしれません。ただ、石川県のモノローグはかなり長いので、「本当に聞けているか」確かめるのは結構大変です。このようなトレーニングをすることで、限られた語彙・構文の素材を使いつつ、高1はもちろん、高2くらいでも、自分の弱点を把握できると思っています。私はよく「選択的リスニング」の批判をしていますが、やはり、教師や出題者が選択してあげるのではなく、学習者が自分で取捨選択できるかどうかが英語力と言えるのではないでしょうか。

看護科1年は、お弁当課題の返却を済ませ、リバイズに進む予定。今回は、約40名で、1時間10分。
あ、これは私のフィードバックにかかった時間です。全員分の原稿を読むpreviewingの時間は含みません。全体を頭に入れてから、一人当たり1分45秒で「朱」を入れていった計算になります。「作文の教師」としては一番楽しい時間ですね。所要時間や労力という意味では、お弁当の写真と生徒を一致させて、フォルダーの中の画像に出席番号と名前を付けていく作業の方が時間がかかったかもしれません。生徒用出力画像はモノクロなので、フォルダーの中のフルカラー画像との照合は本当に大変なのです。一部だけ紹介しておきましょう。やっと加藤京子先生から学んだことを活かすことができたように思います。

写真 2013-11-13 5 18 39.jpg 直
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「何をやってもライティング」は相変わらずです。高校入試素材の活用と、この「お弁当課題」の取り組みなど、年末の「達セミ」で少し紹介できればと思います。

本日のBGM: Beautiful (柴山俊之 & 花田裕之 live at 下北沢440)