立待月

tmrowing2013-09-21

今年は中秋の名月を愛でられてなにより。
今週の実作は、まだまだ社会復帰レベル。
看護科は、対面リピートで復習から辞書のカラー頁で扱われている “ON” の図解を解説し、新教材導入後、ようやく教科書へ。とはいえ、音声指導から。

  • 唇をしっかり閉じて呼気を溜める
  • 舌先で天井を支える

ということを徹底。
航空会社の『機内誌』を紹介して次時の予告。

進学クラスは、高1がキング牧師の一連の読解素材の延長線上で、 “Who was …?” の第一章前半を私が朗読し、段落ごとにキーワードをメモするという「聞いて書く」作業。でも、キーワードってほとんどがそれまでに読んできた読解素材に出てきているんですよ。それを自分の中から引っ張り出せるか。繰り返し聞いても飽和状態、喉まで、指先まで出かかっているけど形にならない表現を確かめるべく前時までのハンドアウトをひっくり返しても、これ以上は無理、というところまでやっておいてから、英文を「目」で確認。第一章後半は自分で読みましょう、という自学自習課題。

高3は、「表現ノート」の提出だけだったのですが、たまたま2年生で、「ifの3タイプ」のホワイトボードシリーズで「対面リピート」をやって、あまりにたどたどしかったので、その両面写メをプリントアウトして3年生に「昔取った杵柄」よろしく実演してもらい、iPad miniで録画。まあ、流石&ご愛敬といったところですね。
「表現ノート」の指導では、これまで十数年決して「ネタ指定」をしてきませんでしたが、今回一つだけ時事ネタを「指定」して扱ってもらいました。

  • 東京五輪

です。前回の東京五輪は私が生まれた年の開催ですので、今回は良くも悪くも「資料的価値」を考慮してやってもらいました。今回以上の「資料的価値」を感じるような事件や異変がない限り、「ネタ指定」はないでしょうね。
『朝日ウィークリー』は進学クラスで定期購読していますが、それだけでは「素材」が足りないので、私がデジタル版で買っている、

  • ST
  • 毎日ウィークリー

を併せて読ませようと思い、プリントアウトに四苦八苦。なんとか「比較・対照」できる最低線までは達したかなという感じです。
今回のロゲ会長の手にしたカードの “TOKYO 2020” は英語の「どどいつ」の語順だったのに、先日のこのブログ記事での東京国体レポートでは、タイトルがなぜ “2013 Tokyo!” と逆になっていたかの説明などもしておきました。

土曜日課外は高1と高2。
高1は、授業に続いて、これまでの全ての読解素材を読み返して、そのうちの一つについていた設問に英語で答えられるか自問自答、という課題。要約であれ、パラフレーズであれ再構築を自分に課すことです。ある素材文に付いている質問に対して、その素材文の中だけで答えようとしている間は「学びが閉じて」います。学んだこと、知識、表現を繋げる「糸口」を授業で見つけて下さい。この学校ではディベートはやっていませんが、ディベートの立論のために、関連資料を読み込み分析し、自分のワーディングでまとめ直すのと根本は変わりませんから。

高2は、上級生の「対面リピート」を見て学ぶことから。
私が動画ファイルの操作をしている段階で、音声だけを聞いていた生徒 (複数) から、

  • ○○先輩だ!

という反応があり、少人数のクラスで学年の上下でのつながりの強いこの学校の特徴 (特長) を実感した瞬間でもありました。
この先輩のパフォーマンスにインスパイアされない方がどうかしています。

  • 倍返し対面リピート!

各ペア、1分間で先攻後攻の入れ替え。3セット6分で、ホワイトボードの面を入れ替えですが、その前に、「発音」と「抑揚」の指導。

  • arrangeの強勢のある母音 (名前読み)
  • if … の出だしのピッチ

カタカナ語をそのまま持ち込むとリズムも英語らしさが失われがちです。
文頭のピッチに関しては、ifに限りませんが、とかく「ジェットコースター」になりがちですから、「スッ!と」入りなさい、と範読とリピート。
で、面を入れ替えてさらに3セット6分。
「助動詞の番付表」の形合わせの確認と、実際の発話での「音声面での特徴」 (could have beenのhave = of など) を指摘しながら、「聞こえ度」という観 (聴?) 点を確認。
私の授業では、「強勢」の指導で、

  • 強さ、長さ、高さ

の3要素を組み合わせて、得意技を活かせ、と言っています。強弱で弱が上手く言えないと強が際立ちません。長さを活かそうとすると、「名前読み」の母音と「長音記号」で表される母音の区別が重要になります。「音の高低、ピッチの変化により意味の違いを表す」言語を母語とするわけですから、「高さ」にかけては強みを持っているので、「強勢」の部分も「高さ」でカバーし (たつもりになり) がちです。ですから文頭のピッチが高すぎると、不自然なだけでなく、本来の語強勢や文強勢を表したいときに、「高さ」ではカバーできなくなる可能性が高まります。得意技を活かすためにも、文頭のピッチを意識することは大切です。
「対面リピート」でチャンクがチャンクとしてまとまってくれるためには「音のひとかたまり、ひとつながり」が作れること、掴めることが大切です。個々の調音に加えて、「抑揚」「リズム」の重要性を認識して欲しいと思います。
残り時間を見計らって、生徒には、

ここまで3セットで1ラウンド6分。それを2ラウンド。6分あれば、これだけできる。教室で自分以外に誰か一人いれば直ぐにできる。じゃあ、教室を離れたら?自分の家では?このホワイトボードに書き出したもとになる英文はノートに書いてあるのだから、それでRead & Look upなどをしておけば…。えっ?ノートに書いてないの?なんで?じゃあ、どうする?

と芝居がかった前振り。うすうす気づく生徒。
そう、「シャトルラン」です。ペンもメモ用紙も持たず、ボードの前に立ち、英文を音読かマンブリング。自分の机に戻ってノートに転記。ただそれだけ。2回にわたって対面リピートをこなしてきた英文ですから、温度差は自分が一番よく分かっています。チャンクを短めにして往復回数の多い生徒もいれば、音読回数を少し増やし一文まとめて処理しようとする生徒もいます。「それぞれ、それなり」です。
私はこの様子を観察、写し間違いに対して、ヒントを与えたり、動画で撮影したり。往復を始めて数分くらいで「集中力」のスイッチが入った顔に変わるのを見るのは楽しいものです。
20分弱で、20以上の例文をノートに残してくれました。
一番前の席の生徒が、全てを書き終えて、

  • フーッ!

と溜息をついたので、

  • 達成感?
  • ハイ。

というやりとり。
印象的な課外授業の一コマです。

午後からは本業で湖へ。
国体で留守にしていましたから、久々の乗艇練習です。
1年生はフロートなしの1X。カタマランで救助艇。「沈」はメニューではありませんから。
2年生と1年生で2X。キャッチで一番脚を畳んだところから艇を動かすということを強調。
明日もほぼ同じメニュー。来月の今頃はレースなんですけど…。

選手を駅で降ろし、帰路。
帰宅途中で、書店に寄って雑誌を、酒屋によって「雄町」を買って帰宅。

  • 『英語教育 10月号』 (大修館書店)
  • 『専門料理 10月号』 (柴田書店)
  • 『NHK ウイークリーステラ』
  • 『モーニング』 (講談社)

『英語教育』は特集が、正確さと流暢さに関するもの。流暢さへと傾いていたのでは?という印象。
正直な話し、最初の3名で座談でもして、「英語教育界」としての「定見」のようなものを示してもらいたかったと思います。リスニングに関して、渡辺浩行氏が指摘する「音声的特徴」の指導が必要である、という部分には大きく頷きました。正確さ、ということであれば、特集記事よりも、QBの真野泰氏による回答 (「定冠詞か無冠詞か」 pp. 77-79) を読んだ方が面白いように感じました。

『専門料理』は、「料理書 人生を変える一冊」という特集に惹かれて。

  • 金かけてるなぁ。

という印象。名シェフはもちろんだけれど、この雑誌の作り方自体がね。玉村豊男氏の「私が『料理の四面体』を書いた頃」 (pp. 44-45) という寄稿もあります。

『ステラ』は、話題沸騰の連ドラ最終回特集。ドラマ自体をよく見ていないので、インタビューがいつか「和文英訳」のネタで使えるかなという欲目です。「呟き」で回ってきた「春子」のオーディション応募の履歴書もいつか取り上げてみたいとは思っています。でも、欲をかくと得てして空回りしますからね。

『モーニング』は、「切腹最中」が出ているよ、とFBで教えてもらったので。『…パパ』で取り上げられているのかと思ったら全然違ってました。

連休中の教材研究で、ハイジとOZの読み比べがありますので早めの就寝。
本日のBGM: 月面讃歌 (ムーンライダーズ)