「雲の上の月」

tmrowing2013-05-24

看護科1年も、いよいよ「四角化ドリル その4」へ。
<名詞+前置詞+名詞>の前置詞句による後置修飾です。
日本語と語順が違うことを確認し、恒例の、

  • 「ポニョの上の崖」

の絵を描いて、自分を戒める材料とせよ、という課題で素敵な絵を描いてくれた生徒がいたので、お願いしてiPadのカメラで撮影。
今日は、私の範読に続いて、まずリピートしてみる、という手順でスタート。そこから、自力で、強勢のある音節に○をつける。縦半分に折って、まずは、各自で日→英での想起リハーサルを2分で。20あるフレーズのうち、現時点で自分でスラスラできるものとそうでないものを選別、「個人内温度差」を確認。続いて、ペアで、日→英での出題・回答。先攻後攻をじゃんけんで決め、3題出題で攻守交代。5分間でペアを替え続けて、「個人間温度差」を感じつつ、先程確認した「個人内温度差」が少しは解消できたかを、各自、自分の席に戻って、2分で確認。この時に、私が再度範読。音の崩れを少しでも小さくするのが狙い、というよりは「願い」ですね。そして、最後は「対面リピート」。英語を読み上げ、英語でリピートです。
ちなみに、「四角化ドリル」の一部は、赤で記号を付けたpdfの形でDL可能にしてありますので、興味のある方はそちらを。

「名詞は四角化で視覚化」
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20130428

こちらのクラスの取り組みに比べると、進学クラスの高1は、ピリッとしませんね。
なんというか私の苦手な、避けたい空気というか、気配というか、「臭い」が微かにするような気がします。

  • より効率の良い学習法

とか

  • 最小の努力で最大の効果を

とかいうのは、受験雑誌で毎年特集している記事程度には価値はありますが、私は自分の授業で求めてはいません。

  • それぞれ、そのうち、それなり

です。諦めずに追い求め続ければ自分の願いは叶うものです。ただ、自分の望んだ時期に叶うかどうかは、分からないのです。「じゃあ、やんない!」という人、つまり、

  • 自分の望んだ時期に自分の願いが叶わないんだったら実現のための努力はムダになり、自分が損をするのだから、そんな努力はわざわざしない。

というような選択をする人は、私の授業では苦しい時間が続くでしょうね。

  • やらずんばなるまい。 (inspired by 大村はまさん)

という、消すことのできない、自分を動かす何か、努力が報われなかったことでへこたれたり挫けたりすることのない「心身」をどう養っていけばいいか、教室って、そういう悩み所なんですから。
高3は「ライティング」。

  • 人物の顔かたちの描写と、印象批評。

先輩達も通った道です。生徒には、このブログの過去ログの該当個所を指示して、先輩達の取り組みや、2年生、3年生が実際に書いた英語、さらには、関連するリンク先で紹介されている英文記事などに目を通しておくように言ってありました。
今日の授業で補足したのは、

  • Michael Dean著、大内博 訳 『英語で「言いたいことを言う」ための44章』 (ピアソンエデュケーション、2002年)

原題は、 “Descriptions in English” という「ベタ」な本です。CDもどこかにあったはずなんですが、見あたらなかったので、私が教室で読み上げ、使えそうな表現や語句を採取するという作業。
その後、ペアを組んで、人物描写。「診断テスト100題」を使っての「学習」の中では、

  • 父の髪は白髪交じりだ。
  • 妹は髪を三つ編みにしている。
  • たいていの日本人は黒髪だ。
  • 顔色が悪いよ。
  • 彼女はお母さんにとてもよく似ています。
  • この色褪せた写真を見れば、必ず自分の子供の頃を思い出す。
  • 彼は何歳だと思いますか。見かけよりは随分、歳をとっているようですが

などが関連するでしょうか。
今日出てきた、言えそうで言えなかった表現は、「印象批評」に集中しました。

  • どこにでもいそうな人
  • 〜しそうな人

名詞句の限定表現に全てを集約しようとすると大変だぞ、と気づけば大きな収穫でしょう。でも、まずは、

  • どこから描写し始めるか? どう展開するか?

ですから。いつものように、悩み所では悩んで下さい。

放課後もいろいろなことがあり、練習は見られず。
生徒を集めて、簡単にミーティング。どうしたものかねぇ…。
7時30分過ぎてから学校を出て帰路。
満月らしき空で思い出した、Tom Pettyを聴いたからではないだろうが、未明から熱が出て下痢。
今は回復。

さて、
「呟き」やFBでは、書いていましたが、こちらでも。
件の『問題集』の編集部から、回答が来ました。私は、『英語教育再生プロジェクト』での指摘に、「理」があると思い、それを引いて、さらには、続刊である『問題集』のスクリプトの「英文としての繋がりと纏まり」、そして、「音声指導」としての適否を、このブログ記事で論じ、問い質していました。回答は「文書」の形でいただくことができたのですが、

  • 弊社からの回答をネットで公開することはご遠慮いただきたく存じます。

ということですので、こちらで明らかにすることは「遠慮」しておこうと思います。私も、これだけいろいろ書いていたのだから、「遠慮しない」という選択肢も考えなかったわけではありませんが、これ以上この件に関わって時間とエネルギーを浪費したくはないので、これにて幕引きです。英語教育に関わる皆さんお一人お一人が「英文のつながりとまとまり」を見直す機会となっていれば幸いです。この件に関して疑問をお持ちの方が皆、納得するかどうかは分かりませんが、個別に問い合わせれば回答はしていただけるのではないでしょうか?この問題集の「ユーザー」であれば尚更かと。一教師である、私の問い合わせにも、一応「文書」で回答をくれましたので、そのような誠意はある会社なのだと思います。

本日はこれにて。

本日のBGM: Free Falling (Tom Petty)