「繋がり」と「纏まり」のつくる「未来のかたち」

犬は吠えるが、中間試験は続く。
私の担当する7種類の試験のうち2つの試験が終わり、今日、4つの試験の作問が終わりました。残す作問はあと1つ。ほぼ完成です。
件の「問題集」の問題点に関しては、又日を改めて。

英文パラグラフを構成する文と文、その文を構成する語彙と語彙が互いに結びついている「つながり感」、そして、パラグラフとしてひとつの主題に貫かれ、余計なものが含まれていない「まとまり感」を、英語学習者としてどのように身につけ、さらには、英語教師としてどう生徒に教えるか。
結構真剣に悩んでいます。

「密林」のリストマニアに次のようなリストを公開しています。

パラグラフを考えるために (ここに紹介した書籍が広く読まれていないということの意味)
http://www.amazon.co.jp/lm/R3S7PCH1W5TIGK/ref=cm_pdp_lm_title_2

リストした7冊中、6冊が (おそらくは) 絶版です。「昭和」の本で古いから、というのではなく、21世紀になってから刊行された本もあります。それでも絶版です。そのことの意味を、「英語教師」、その中でも「英文ライティング」に興味関心のある方たちには考えて頂きたいと思います。
では、これらの代わりに (?) 市場に出回り、売れている英語本では「英文パラグラフ」はどのように説き起こされているでしょうか?どのように「学び」「身につける」ものとして扱われているでしょうか?

TOEIC ® にも「ライティング」の力をみるためのテストがあり、そのテストへ多くの人を引き込もうという思惑が「業界」に生じているようで、危惧を感じ、このブログでも警鐘を鳴らしました。

『AERA English 増刊 TOEIC 1ヵ月集中!730点越え!』 (朝日新聞出版) 特集での英文解答例に関して
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20130109

その時の、編集部の回答と、その回答に対する私の考えがこちら。

http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20130117

今一番必要なのは、「ライティング」の基礎基本を教えることのできる恵まれた高校英語教室で、「きちんと」英語のパラグラフというもの、英語表現というものを教えることでしょう。

  • いや、テスト対策なんだから、研究書とか学術書の説くこととは違うでしょ?

などという反論が思い浮かぶ方もいるかもしれません。「テスト対策」でも構わないんです。ただ、出来上がった英語は英語になっていないと本末転倒でしょう。
次の言葉は傾聴、熟読に値すると思います。

1) 自分が今書いている英文は「全体の中で」どんな役割を果たしているのか。
2) この英文を読んだ人は、次にどんな英文が来ると予測するはずか。
3) 今書いている英文は、このパラグラフではmain ideaなのか、 detailなのか、exampleなのか、あるいは新しいパラグラフを作るべきなのか。
4) 次に書く予定のパラグラフにうまくつなげるためには、今のパラグラフをこの英文で締めくくってよいのか。
5) 今書いているこのパラグラフの最初の英文は、前のパラグラフの内容を受けていて、つながりが明確か。
6) 今書いている英文は、突如思いついたわけだが、最初に述べた自分の意見・理由と相容れないものではないのか。
7) この主張をもっと効果的に伝えるためには、この具体例でよいのか。

これは、2013年3月に刊行された、

  • 四軒家 忍 『新版 TOEFL® TEST対策iBTライティング 表現力を高める175の鉄則』 (テイエス企画)

の序文である、「はじめに」 (p.8) で、四軒家さんが述べている、TOEFL® のライティングで高スコアを取 (ってい) る人が考えていることの例です。
徹頭徹尾テスト対策を謳うこの本で述べられている「英文パラグラフ構成」における留意点が、今風の英語「教材」や「教室」で教えられていることよりも、英語という「ことば」を身につけるための確かな方法を教えてくれているような気がします。でも、正直ちょっと悔しいです。高校の教科書だって、高校の英語教室だって、そういうことはできるはずなのですから。今日明日にでもすぐにできるとは言えませんが…。
この新刊が出たのは2013年、今年の3月です。
でも、教材選定の際には、「序文」だけでなく、中身の「英語」も読んで下さいよ。

さあ、明日は怒濤の「出題巡回、試験監督 & 家庭訪問」。
「聞き取り・書き取り」問題用に、一文ごと、チャンクでリズムがよく分かるようにスクリプトを印刷し、リハーサルを入念にやってから試験に臨みます。

本日のBGM:あさってくらいの未来 (山田稔明)