「泣きながら泳げ!」

tmrowing2013-04-20

本業で、新人の練習のためにエルゴでお手本を見せたので、また腰痛がぶり返してきました。
945ベルトのお世話になっています。
今朝は、朝風呂に入って、身体を緩めてから出校。

今年度初の土曜日課外講座を終えて、今週の授業は全て終了。
準備不十分でバタバタですね。

1年生は、看護科も進学クラスも、辞書指導に絡めて、「音声」指導。『エースクラウン』の自分のパートを踏まえたワークシートを作って、「カタカナ語」の足場から「英語」のストレスとリズムに繋げる指導をしています。
強音節には大きなマル、弱音節には小さなマルを記入させて、まずは日本語との違いを「実感」してもらうことから。
強弱のストレスパターンが作るリズムを身体で感じる、「音を掴まえる」、という言い方で指導しています。扱っている語は以下の通り。便宜上、どのような観点で選択配列しているかを記していますが、実際のワークシートは、日本語の意味と日本語で定着しているカタカナ語ともともとの英語しか書いてありません。生徒には、「観察力」が肝要と言って、列挙される語群は、どこで大きな区切り、纏まりがあるか、を問うています。

三音節
「ストレス (強勢)」を置けるのは、母音 (字) の仲間だけ
manager / character / energy
umbrella

二音節
長音記号「ー」にさようなら
private / damage / pattern ←→ 「花壇」 / image ≠ 「姫路」

強音節は名前読み、語末の「音節主音」の /l/
table ←→ 「堤防」 / cable←→ 「警棒」

実は二音節
弱強
cashier
強弱
athlete

「春 (シュン) は直前」、「動詞で-ateは二つ前」
communication / communicate
education / educate
navigation / navigate

「促音」にさようなら
picnic / happy / lucky

(?) 「子音字を重ねる」←→ (○) 「同じ子音字をもう一つ並べる」
swimming / running
swimmer / runner
mammoth

高2は、絶滅危惧科目の「リーディング」。
教科書の構成や主眼の説明をしたあと、私が高校時代にやっていた教材でウォームアップ。

  • 長崎玄弥 『奇跡の英文解釈』 (祥伝社、1977年)

よく考えてみると、昨年度は、高2の6月に扱っていたものでした。(http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20120604)

多分この「リーディングスキル」の続きでは、Senior Swan (開拓社) の「英語IIB」教科書からの抜粋で、「直読直解」のリハーサルとなるような気がしています (過去ログ参照 http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20120528) が、今日の所はあくまでも「導入」です。

  • A small, insect-eating animal that digs into the ground looking for food. It has a hard bony shell, a long snout, strong sharp claws and a long tail.

にあたる動物 (哺乳類) がすぐには出てきませんでした。 “mole” と答えた生徒がいましたが、 “a hard bony shell” を完全に読み落としていますね。

  • A black animal that has a bushy tail and white stripes on its back. It sprays a strong, bad-smelling liquid when it is frightened or attacked.

では、すぐに答えが出ましたが、 “liquid” で引っ掛かっている者もいました。関連情報を補足して終了。
ODEでは、この語は、

  • a cat-sized American mammals of weasel family, with distinctive black-and-white stripe fur. When threatened it squirts a fine spray of foul-smelling irritant liquid from its anal glands towards its attacker.

と定義されています。大人の言葉ですね。
ISEDでは、挿絵があるので、

  • a small animal of N. America which, when frightened or attacked, sends out a liquid having a very nasty smell

という簡潔な定義。
Merriam-Webster’s Essential Learner’s では、

  • a small black-and-white North American animal that produces a very strong and unpleasant smell when it is frightened or in danger

と「分泌液」には言及無し。ただ、この動物からの連想で生まれたのであろう、北米の口語で使われることのある、

  • US, informal: a very bad or unpleasant person

という語義の定義はシンプルで分かりやすいですね。たいていの辞書では、”contemptible” とかえって分かりにくい語で置き換えられてしまうので。
せっかく、 本家というか元祖というか、“skunk” という生き物がいたからこそ生まれた語義なのだから、

  • a person you hate so much that you would never want to be with or near them

とか、

  • someone you find so unpleasant that you would like to stay away from them

とかいった定義を考えても良さそうなものなのにと思いました。
その一方で、“very drunk” という意味を表す、

  • drunk as skunk

という慣用句は、この生き物の性質というよりは、単に語呂合わせ、韻を踏んだもの、という考え方なのでしょうか。
授業の最後に扱った語だったので、この drunk as skunk を取り上げ、

  • これって、「グーグーガンモ」が珈琲飲んだら酔っ払っちゃうみたいに、何かを食べたら酔っ払う動物だから、こういう喩えをしているの?

と振ってみたのですが、誰ひとりこの漫画・アニメを知らなかったので、iPad miniでWikiを調べて、以下の説明を読み上げました。 (http://ja.wikipedia.org/wiki/Gu-Gu%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%A2)

「空を飛べども鳥でなく、人語を解せど人でなく、しかしてその実体は…!?」とまるで多羅尾伴内のようなセリフとともに、捨てられた巨大な卵から現れた、ニワトリのような風貌をもつ、スニーカーを履いたニワトリモドキの生物。

この説明で、各自が脳内に描いたイメージを、画像検索ででてきた「本体」と照らし合わせて本日は終了。「定義文」から学ぶ、というテーマに相応しいエンディングだったと思います。
宿題は、YouTubeで検索して、ガンモの「声」を聞いてくること。

昼前くらいから、激しく雨が降り出したので、艇の修理そのものがお預け。
明日は、県総体で遠い方の湖まで。気温が上がりますように。

さて、
TOEFLを高校卒業、大学入学の物差しに使おう、などという議論が巷では交わされているようなのですが、「今風」の英語教育理論にしっかりとついていけるように、私も少し真剣に文献を読み考えようと思います。
これまでは、自分の興味関心に任せて、読みたいものだけ読んできました。
こんなモノばかりです。

外国語教育理論などはこちら
写真 2013-04-16 19 38 23.jpg 直
評価・測定に関わるものはこちら
写真 2013-04-20 17 36 52.jpg 直

「それを読んでいるんだったら、むしろこっちを読まなきゃ!」という、その分野の必読書をご教示下さると幸せます。
本日のBGM: スイマー (Moonriders---Damn! Moonrides ライブ編)