「君の知らない君の昔話」

新年度がスタートしました。
今年度は、3年振りに担任復帰です。2011年の山口国体の準備ということで、分掌等人事面でいろいろと配慮をしていただいた学校長も続投ということで安堵。今年度も、「山口県英語教育フォーラム」を開催することができそうです。
名簿づくりなど事務的な作業は春休みの間に終わっていましたが、本日は、非常勤の方も全員顔合わせで職員会議。その後、学年会議。その後、歓送迎会と慌ただしい一日でした。
おそらく、この週末は、休日出勤ですね。

新年度の教材も大体揃ったと思うのですが、以下、進学クラスのラインナップを。
1年生 (新課程)
「コミュニケーション英語 I」

教科書 『Genius』 (大修館)
副教材 『短文で覚える英単語』 (文英堂)
『ぜったい音読・続入門編』、『ぜったい音読・続標準編』 (講談社)
『英単語ピーナツほどおいしいものはない・銅メダルコース』 (南雲堂)

「クリエイティブイングリッシュ (学校設定科目)」

『ストーリーで学ぶ英文法の基礎』 (NHK出版)
『阿野幸一のグラマーポイント』 (NHK出版)
『書き込み式・意味順で中学英語をやり直す本』 (中経出版)

2年生 (旧課程)
英語II

教科書 『Unicorn』 (文英堂)
副教材 『英単語ピーナツほどおいしいものはない・銀メダルコース』 (南雲堂)
『やればできる英文法』 (河合出版)

ライティング

教科書 『World Trek』 (桐原書店)
副教材 『話せる!英語音読・初級編』 (日本実業出版社)
『書き込み式・意味順で中学英語をやり直す本』 (中経出版)
『意味順英作文のすすめ』 (岩波ジュニア新書)
『日本語から考える英語表現の技術―「言いたいこと」を明確に伝えるための5つの処方箋』 (講談社ブルーバックス)

リーディング

教科書 『Element Reading Skills Based』 (啓林館)
副教材 なし ※進学クラスで定期購読している『朝日ウイークリー』などの投げ込み教材や、「学級文庫」を活用します。

3年生 (旧課程)
英語 II (2年次より継続)

副教材 『Upgrade』 (数研出版)

リーディング (2年次より継続)

副教材 『NEO現代を見る』 (いいづな書店)
『L&R デュアル英語トレーニング』 (コスモピア)

ライティング (2年次より継続)

副教材 『即戦力がつく英文ライティング』 (DHC)
※ 既に閉講座となった、『GTEC Writing Training』 (ベネッセコーポレーション) のテキストを併用しています。

新課程となる1年生は、「英語表現」を開講せず、学校設定科目で対応です。ただし「英文法」や「英語構文」などといった受験対応の科目ではありません。
今年度、一番困ったのが、愛用してきた教材が絶版になったこと。

  • 『レベルアップ英文法』 (NHK出版)
  • 『コーパス口頭英作文』 (DHC)

この2冊が使えないのが本当に痛い。
『レベルアップ英文法』に関しては、現在 (といっても昨年度までですが) の同等レベル講座の、阿野幸一先生のテキストで代替しました。
『コーパス…』に関しては、卒業生にお願いして、不要になった人には、「学級文庫」に寄贈してもらいましたが、代替する教材がないのです。この教材の良さは、こちらのブログなどをご覧下さい。

『十日日記』 http://www.10days.org/diary/20090616.html

初版は2007年。私が現任校で進学クラスを担当してから、ずっと使ってきました。
CDの音声収録の、<日→英→英>という順番は、今でこそ真似をする教材が出てきましたが、このような綿密な配慮が効果的なトレーニングを支えるのです。もう一つ、トレーニングを支えるのは例文のセレクション。阿部一先生の編んだ話し言葉のコーパスから採られた、「リアリティ」の感じられる短文です。ただ、パタンプラクティスをすればいいというものではないのです。私が『瞬…』を使わずに、一貫して、この『コーパス口頭英作文』を使ってきた大きな理由でもあります。
代替教材の候補として最後まで悩んだのが、以前使っていた、

  • 小笠原真司 『コミュニケーションのためのパターン英文 600』 (金星堂、2004年)

著者は、長崎大学大学教育機能開発センターにお勤めの方。
副題には、「リピーティングで学ぶ話すための基本構文」とあるように、場面や機能面から、「使える」ように配慮して、文法項目を精選し、配列しています。例文も、リピーティングに適するように、非常によく練られていると思います。例文も全てCDに収められています。しかしながら、項目ごとに例文数にはかなりのバラツキがあること、テキストのレイアウトにやや難があること、で採択は見合わせました。
生徒にも、ここ何年か言い続けてきましたが、

  • 市販教材で売れているものが、必ずしもあなたにとって優れた教材とは限らない。
  • そのベストセラーを多くの人が買って使っているとしたら、日本人の英語力は目に見えて向上しているはず。
  • 「学級文庫」に入っている教材の多くは既に絶版。しかしながら、これらの教材を使いこなした人は皆英語力を着実に伸ばしている。

ということを改めて実感した次第です。
また、2冊、「学級文庫」の仲間入りをする絶版本が増えてしまいました。
今心配しているのは、

  • 『ぜったい音読』のシリーズ
  • 『英単語ピーナツ』のシリーズ

です。『ぜったい音読』のシリーズは、「続」のテキストでさえ、旧旧課程の教科書を元に編まれていますから、本来は、「新課程」で言語材料が大幅に増えた教科書へと繋がる改訂新版が待たれるところですが、教科書会社各社と調整し、著作権をクリアーするのは大変なことだろうと思うのですね。
『英単語ピーナツ』は、紙質が変わり多色刷りとなり、書き込みにくいわ、重たくて片手で持ち続けにくいわと、改悪と言ってよいのではないか、と思える改訂版になっていますが、単語集に私が求めるものはほぼ全て、この『P単』に入っていますので、これがなくなったらホントに困るんですよ。主立った特「長」に関しては、こちらの過去ログを。

http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20090422

小テストなどがもともと要らない作りになっていることも大切な要素です。
清水かつぞー先生のお便りへのリンクを張って本日はお終いにしたいと思います。

「♪答えがないならないでいいんだ♪」 http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20091214


本日のBGM: シーラカンス (高橋徹也)