山口は朝の3時半

フォーラムを終え一週間ぶりの更新。
メールやコメント、「呟き」など、多数のフィードバックに改めて感謝します。運営委員の皆さんも、本当にお世話になりました。学校長にも月曜日の朝一で報告し、来年度以降も引き続いての協賛をお願いしました。

実作は淡々と、と思っていたのですが、県の「高英研」の大会・総会が地元の地区で開催されることになっており、水曜日は朝から「駐車場係」で出張。一日授業を空けなければならなかったので、月曜日から授業の振り替えなど結構大変。
研究授業は地区のトップ校の1年生と2年生の授業。他校の生徒の英語力を観察するまたとない機会なので、教室の中にも入らせていただきました。ほぼ全員が電子辞書を使っているのにビックリです。
どちらの授業だったかは忘れましたが、「英語で」授業が進んで行き、ワークシートを使って既習の英文を暗唱する段階に移ったところで、一人の生徒が、やおら辞書を引き始めたので、画面に注目したところ、ワークシートの項目のタイトルにあった、 “Recitation” という語の意味を調べていました。授業の指示を英語で進めてきて、ハンドアウトやワークシートにも英語を使って、という今風の「良い」授業が展開されてきた中での、この生徒の行動は深く考えさせられました。

総会は例年通りの進行なのでしょうが、「全英連」の件は、県の中英研からの「要望・要請」程度で済ませられる問題ではないので、アンケート結果の報告、どのような立場で協力するのか、ということを明らかにすることは組織体としての責務であろうと思います。事業報告で、先月末に行われた県の英語弁論大会の成績が発表されたのですが、中国大会に進んだ上位2名の生徒が、もし全国大会への出場を決めたとするならば、その「主催」は全英連なのですから、もともと「加盟」していない組織体からの代表ということを、どのような「道理」「道義」で受け止めるのか、「まあ、固いこと言わずに、出場する生徒は頑張っているんですから、その時はその時で…」ではまずいと思うのです。
全英連鹿児島大会の翌年だったでしょうか、鹿児島で開催されたとある研究会に参加した懇親会の席で、私が山口から来たと知った主宰のA先生に、「ちょっとここに座りなさい」と、懇々と諭されたことを今でも思い出します。
総会後の午後のプログラムの最初は、県教委からの取り組みの報告。
指導主事以下、拠点校や協力校が頑張っていることはよく分かりますが、ハッキリ言って、公立高校のみを対象とした事業の報告を、私学も対象となるこのような会で行うこと自体を疑問に思います。当然のように質疑応答はなし。
最後の講演は上智大の吉田研作先生。
懐かしく拝聴。時は偉大です。
"Can-do" (的到達度指標の記述) に関わる生徒・学習者の調査結果が途中で引用されたのですが、データの中には極めて興味深いものがありました。だったら、何故「ライティング」という科目をなくす必要があったのか、悲しくなりますね…。講演後にご挨拶を、と思っていたのですが、早々に別室へと案内されたようで、帰宅後にお礼のメールを差し上げました。

自分の実作がまず第一ですが、出張で自習や課題を出していた翌日の授業では、塾の代表がお二方授業見学に。私学は塾との情報交換が生命線でもありますから、昼休みには質疑応答の時間も取って、シラバスや教材の説明も。お一方は英語が専門で、斎藤兆史先生の説く英語学習法に深く共感されているとのことで、『学習英文法を見直したい』 (研究社) をお見せしたら、早速「著者割引き価格」で1冊ご購入されました。「私も第7章を書いているんですよ」、と言ったらびっくりしていましたけど。

商業科高2はワークシートを4つ折りにして、軸足を決めてのトレーニングと自己評価。対面リピートをやった後の斉唱は本当に声量に余裕があるので、個々の調音やリズムにフォーカスできるのが良い。自画自賛ではなく、あなたたち、音に関しては本当に高校生レベルになってきましたから。
進学クラス高3のライティングは、argumentationで憤死。
critical thinkingの力は一朝一夕では養われないのです。入試に間に合うか間に合わないか、ではなく、今からでも高1の学級文庫の「ことば」と「論理的思考」の棚から本を借りて読みなさい。(リテラシー・スポーツメディア・論理思考.jpg 直)

  • 1年生の時に読んだから…。

と言える人は、既にこのレベルの課題をクリアーしている人だけです。今だから、今こそ、立ち返るべき足場というものがあるのです。
金曜日の職場は朝から地元デパートの「北海道物産展」の話しで大盛り上がり。
同僚が「三方六」というバームクーヘンを買ってきてくれたことが発端でした。十勝を代表する銘菓と言えば、六花亭と柳月。その柳月の看板商品とも言えるのが、この「三方六」です。帯広で生まれ育った人は一度は口にしていることでしょう。子どもの頃から大好きなお菓子ですから、懐かしくて涙が出そうなくらい嬉しかったです。その日の帰りに、デパートに寄ったのは言うまでもありません。

今週は土曜日課外の担当。
高1は、ワニの口の導入が済んだので、進学クラス恒例の「副詞節」トレーニング。主節と従節の意味の繋がりと論理関係を瞬時に把握し、正しく並べられるか、というものです。まずは、シャトルランで十数冊の辞書から、斬れば血の滲む用例探し。その後、Read & look upで口慣らし、対面リピートで耳と口の神経を繋ぐ。この時はマンブリングで分かったつもりになるのが一番ダメです。ちゃんと声に出して何が出来てどこで躓くのかを自覚し、自分の課題と向き合わないと。今年の高1にとってはこれまでで最大というか最高のハードルかも知れません。やっていることは昨年までと同じなのですから、先輩に助言を求めるのが一番なんですよ。
高2の進学クラスは、「表現ノート」の第1回提出。初回はこんなもんでしょう。
英語IIとライティングとのコラボで、「比較」の表現活動。塾の方が見に来られた時は、この活動の導入にあたります。自分では当然と思っている、「価値観の物差し」を明らかにすること、を説いて終了。
来週の福岡での講演資料を整理して学校を後に。

先月末で店を畳まれた床屋さんに紹介していただいたお店を訪ねてご挨拶。本業が終わった頃に来られるようにカットの予約を入れ一旦撤収。

先月末の仕上がりをデジカメか何かで撮っておけば良かったんでしょうけれど、何かないかな、と思い『東大特講』のパンフレットの写真 (http://tk.benesse.co.jp/news/gokui/popup5.html) を持って行きました。この頃の若さには戻れませんが、長さや梳き具合の説明をしてカットのスタート。1時間少々で完成!
評判通りの良い店でした。なんと、お子さんが現任校に通っているとのこと。それでは親御さんの方が緊張しますよね。自宅からもほど近く、休日でもしんどい思いをせずに済みそうです。
この秋〜冬の実作は、

が待っていますので、その下準備。
年が明けて2013年1月12日 (土曜日) は、慶應義塾大学にて、

  • 「大津言語教育論を聞き、そして、斬る」

という大津由紀雄先生の最終講義に代わるシンポジウムが開催され、その指定討論者となっていますので、上京します。討論者に指定されたとはいえ、まだ、私自身、あまり詳しいことは分かっていません。大津研ブログでは4月に告知されています。

2013年1月12日土曜日 北館ホール(当初、「13日」としていたのは誤りです。)
「大津言語教育論を聞き、そして、斬る」
10:00-12:00 第一部 大津言語教育論の認知科学的基礎(ここは入門編)
13:00-15:00 第二部 大津言語教育論のいま
15:30-16:30 第三部 大津言語教育論を斬る
16:30-18:00 第四部 大津言語教育論のこれから
第三部は指定討論者(柳瀬陽介さん、松井孝志さん、亘理陽一さん)による批判、第四部はシンポジウムを考えています。

来月、12月15日に、中京大で開かれる講演で大津先生と斎藤先生が話しをされるので、偵察に行って来ようかと思っていたのですが、同じ15日に、大井科研の発表が東京であるんですよね。

  • 第二言語ライティング研究の現代的課題と解決のための将来構想―東アジアからの発信―

ライティングを考えるなら、これを聞かずして何を?という内容になりそうな予感がします。

とことん悩んでおきます。

本日のBGM: Maybe Tomorrow featuring Christopher Smith (小西康陽 / Pizzicato One)