man of the world

まずは告知から。

第5回山口県英語教育フォーラム (2012年11月3日開催) 申し込み受付継続中です!!

* 長沼君主
* 山岡憲史
* 奥住桂

このお三方が一堂に会し、お話が聞ける、お話が出来る、という機会はそう滅多にあるものではないと思います。

長州英語指導研究会専用ページ (http://cho-shu-elt-forum-2012.g.hatena.ne.jp/tmrowing/20120916) を開設していましたが、資料のダウンロードができないので、要項ならびに申し込み用紙のダウンロードはこちらからお願いします。
第5回英語フォーラム案内文書・完成版.docx 直

FAXでの送信が出来ない方は、事務局長である松井に直接メールをお送り頂き、それにて申し込み受付完了とすることも可能です。

この週末は本業の県体育大会。
自チームとしては新人戦ということで1年生の公式戦デビュー戦になったが、結果的に今シーズンの最終レースとなった。男子2Xのみでエントリーし、もののみごとに最下位。同種目の女子の最下位タイムより僅かに速く、女子1Xの優勝タイムよりもかなり遅いタイムでゴール。周囲からは失笑も漏れていました。前週から先乗りしてセッティングをして、高速代と宿泊費を使ってまで参加する価値のある、意味のあるレースをしたのかどうか。本人たちが、自分の課題としてどう受け止めているかで、今後の展開も決まってくることでしょう。私自身は、レベルはどうあれ、全て「自分」のことなので、気が狂いそうになりながらも、「やるべきことの続き」を目指して進むのみです。
各種目の1位となったクルー、選手は、来週の全国選抜大会中国地区予選に進みます。どの種目も厳しい戦いになるでしょうが代表を目指して頑張って下さい。

正業の実作は高2で、「読むこと」と「書くこと」との橋渡しに来ています。
自分の指導の根幹にあるのは、「英作文的読書」で、「読み」に関しては、ここ何年も、特定のテキストに依存せずに進めてきたのですが、今年になってから、参考にしているものがいくつかあります。

  • 村上英二 『英語の文章の仕組み---しっかりした英語を書くために---』 (鷹書房弓プレス、1998年)
  • 平柳行雄 『論理力を養うためのパラグラフ・ライティング』 (青山社、2004年)

どちらも、きちんとした「読み」があってこその「書き」であり、きちんと「書くこと」を経験するからこそ体現できる「読むこと」があるのだ、ということが納得できる本です。
特に、『村上本』の方は、ずっとコピーを使っていて、絶版だと思い込んでいたのですが、期せずしてアマゾンで在庫を見つけて即注文。新品での入手が適いました。大事に使います。

立ち寄った書店で気になって立ち読みした後、購入した本はこちら。

  • 『女優が語る私の人生 ステラ MOOK ラジオ深夜便』 (NHK サービスセンター、2012年)
  • 『多聴多読マガジン』 (2012年10月号、コスモピア)

前者は、日本を代表する名女優の方たちのインタビューをおこしたもの。若尾文子さん目当てで購入。引用はしません。
後者は、特集の「多読で身につけるネイティブの語彙力」に収録の、長沼君主先生 「日本人が知らないネイティブの語彙」 (pp. 12-15) がお目当て。p. 12では「日本人学習者の語彙とGRの語彙レベル」という項目で比較されている、「中学レベル」として500語という記述が見られます。私自身よく読むこの雑誌の、主たる読者の年齢層というものが今ひとつ掴めていませんが、ここはちょっと立ち止まって考えるべき所だろうと思いました。もし、これが「学習指導要領」の平成3年版の必修語彙リスト、であるならば、これは、平成元年告示の学習指導要領の外国語、別表2で示された指定語の507語を指すであろうと思われるので、そのような「身につけるべき大枠」が示された世代は、平成10年以前に中学校に入学していた人たち、つまり、現在27歳以上の人たちであり、「高校1年レベル」の1000語は、平成12年度の「英語I」の検定教科書48冊から、作製されたとされる「杉浦リスト」なるものに基づいている、のであれば、平成12年度に入学し、平成14年度に卒業した現在25歳くらいの人たちを想定している、という「リアリティ」「実感」が必要だろうと思います。もし、多読実践を進めている、中学高校の先生方がこの特集を活用しようというときには、「現行課程」の英語教科書は、もっと「易化」している、という「補正」が求められるのではないでしょうか。
特集の後も読み進めていると、「快読快聴ライブラリ」で、”The Adventures of TINTIN: The Three Scrolls” の解説で高橋愛先生を発見 (p. 61)。得した気分。この漫画本は高2の学級文庫にも入っているので、週明けに持って行こう。渡辺由佳里さん連載の「from USA アメリカ事情」まで読んで一段落。

週明けの授業では、高2は「比較」を扱うので、過去ログを振り返る。

比較は奥が深い。かなり英語ができると思しき人でも時に迷ったり、足元が覚束なかったりすることがある。今回の定期考査でも、グラフを用いて、数 量・増減・対比などを求める出題を入れたのだが、この比較という概念と表現の型を自家薬籠中にするには結構骨が折れることを覚悟しておかねばならない。
さて、ここで問題です。
• 比較級と最上級の定義とは?
結構大変なんです、この定義。
比較級=数量・程度・優劣などの差を明示する形容詞・副詞の活用形またはその活用形を取るという操作をする際に話者の持つ概念
最上級=比較の際に、そのものが属するグループの評価・位置づけが、他とは異なり、同一には語れないことを明示する形容詞・副詞の活用形、またはその活用形を取るという操作をする際に話者の持つ概念
とまあ、今適当にでっち上げました。適当ですから、本気にしちゃダメですよ。なぜこの程度の定義が大変なのかというと、次のような英語はどれも正しいから。
• Who is the most reliable, Frank or Alan? 「フランクとアランとでどっちが信頼できるの?」
• He is the youngest of the two brothers. 「彼は兄弟二人のうち一番若い」
• Which is (the) best? The red one or green one? 「どっちがいい?赤いの?緑?」
• Of the pig and the cow, the latter is more valuable.「その豚とその牛なら、牛の方が値打ちがある」
• Of the two boys, John behaves the more politely. 「少年二人のうち、ジョンの方が礼儀正しく振るまう」
一般に、「二者間の比較では比較級で定冠詞theを用いる」というようなことをルールとして説明しているのではないかと思うのだが、実際には、二者間の比較でも最上級でtheを用いたり、冠詞がなかったり、副詞でも二者間の比較でtheがついたりします。

これは、

からの抜粋。詳しくは、上記リンク先を。

慣用表現では、

は、コメント欄も含めて全部を生徒にも読ませておこうと思う。
特に重要だと思うところは、前者の

総じて比較という「概念」は、数量に置き換えて考えれば
• i. ある数量よりも多い・大きい
• ii. ある数量と全く同じ
• iii. ある数量よりも少ない・小さい
の3通りに分類することと言えるだろう。そして、英語の「比較級」というものは、i. かiii.を論じるために存在する形式と言ってよかろう。そうであるならば、「比較級の概念」を否定するということは、i.でもiii.でもなく、ii. が残る、と考えるのが原理原則を単純に考えるということになりはしないか。プラスの含意がある、moreなどの比較級を用いるi. の比較をnoが否定すれば、その優等性そのものを否定するということであるから、「比べて優ということはまったくない」となるだけなのではないか。「何において優であるのか」という前提を否定してしまったり、その表す意味を反転させたりするのは事柄をより複雑に解釈しているような気がしてならない。ただ、この辺りの理論的根拠がハッキリしていないので、昔から諸説まかり通る、という感じなのではないかという気もする。

での指摘。ハッタリやギミックは不要です。
高3「ライティング」はargumentationとパラグラフの作り方が中心になると思うので、

での “Topic Sentence, Supporting Sentences, Concluding Sentenceに関してのFAQs” を見直し。

フィギュアスケートのグランプリシリーズ第2戦は録画してあったのだけれど、見る気力はなし。
ザンギで元気を取り戻すべく晩酌。
この週末は、G大コーチ時代の選手だったI君の披露宴、自分がライティング研究部長をしているELEC同友会の全国大会、本業仲間のGさんの壮行会などなど、本来顔を出してしかるべき諸々のイベントを失礼していて地元の本業に専心していたので、宴や大会の成功を祝し、関係諸氏へ感謝し、皆さんの末広がりのご多幸を祈って、「乾杯」。

本日の晩酌: 開運・純米・ひやおろし・山田錦55%精米 (静岡県)
本日のBGM: Lucky Guy (Todd Rundgren) 〜 Lucky Me (Richard Harris)