繋がりと纏まり

新学期の自分の実作を少しだけ。
高1は、イカソーメンの導入。
この活動をジャパンライムから出ているDVD (有嶋宏一先生の指導) で見た方も多いと思うのですが、見た目の面白さとも言える、

  • 「担当者会議」を経ての各チームでの整序完成後の立ち位置の違いによる驚きや不安感

は、現任校の進学クラスは、超少人数クラスであるため全く機能しません。その分、文と文の繋がりと全体での纏まり、というディスコースを織りなす醍醐味、にこそスポットライトが当てられる、と言えるかも知れません。
アレンジとしては、最初と最後の英文は既に示しています。
途中を「ディクテーション」 (ペンを置いて聴き、聴き終わってからペンを取り書き取る方法) で断片でもいいので足跡を残しておき、その後、stripを配布して、「イカソーメン」へ。
でも、「種明かし」が終わってからの活動がいちばん大事。ここで何をどのようにやるかで、大きな差がついていくように感じています。最近は、モデル音声を再確認した後、担当者が順番に自分の英文を (stripを見ないで) 音読して、それを他のメンバーが聴き、最初にディクテーションで残した足跡を揃えたり整えたり踏み直したり、ということをやらせています。当然、不正確な音読にはダメだし。混沌や大いなる空白から抜け出して、手元・足下で確かめられた英文を各自で音読、Read & Look up。とくれば、最後は、Flip & Writeですね。極端な話し、中1素材から、高3素材まで、順番にこれをやっていれば最低限の英語力はつくと思っています。教師が、素材文を準備する手間暇はかかるんですけれどね。
高3は1学期に通過した「診断テスト」100題の振り返り。ノート1頁に1題を整理しておき、その後の英語学習での「気づき」をそれぞれの頁、項目に積み重ねていくことが求められています。現在公開しているのは2010年版ですが、今年度の取り組みを経て、目下改訂中ですので、来年度版は少し変わると思います。大事なことは、Here & Nowでの柔軟性でしょうかね。不易ということを考えれば、英文法や語法の基礎基本は、

  • 綿貫陽 『精選英文法・語法 基本問題演習 シリウスジュニア』 (旺文社、1997年)

で、実態の解明はほとんど終わっているはずなのです。確かに、15年ほど改訂されていませんから、最新の出題傾向とはピッタリ重ならないでしょうけれど、15年で劇的に英語の「根幹」が変わるものでもないでしょう。最近の旺文社って、どうして、こういう良いものを改訂して受け継いでいこうっていう発想をしないんですかね?
最終的には演習をして4択で分かったつもりになるのではなくて、L板で英文の書き出しを見た段階で、閉じカッコを付けるべき動詞・助動詞が見え、実際に閉じカッコを見た段階で、文の終わらせ方が見える、という文法力を身につけることです。
2コマ目の今日は、descriptiveな文章の書き方。Cubingの確認。グラフを処理する「頭の働かせ方」と、数量、増減、比較、比例を表す個々の表現。GTEC Writing Trainingでは少々手薄だったところを補足していきます。乱暴な言い方ですが、グラフや表を元に、英文が書ければ、英文を読んでグラフがかけるでしょ、ということです。グラフ化そのものの巧拙を問うのはまた改めて。
高2は、シャガールの課ともお別れ。ベラにもお別れ、で「追悼記事」完成。もっときちんとしたものは来年度書きますから、種まきをせっせと。
語法のシャトルランでは、太田先生の受け売りでmarryの語法を整理。続いて、escapeとescape from での「目的語」にあたるものには、それぞれどのような共通点があるのか、ホワイトボード一面に例文を並べ比較検討というような作業です。
生徒はさらりと通過してしまいがちな、memoryの周辺はしつこく。
シャトルランで用例を集め、取捨選択を経てホワイトボードに例文を精選した後で、

  • in memory of
  • to the memory of
  • for the memory of

をCOCAやCOHA、Google BooksでのN-gram viewerで縦軸の目盛りを変えつつ提示。
その気づき、理解を前提として、

  • (something/someone is) in the memory of (someone)

の用例を確認。
memoryという名詞と関連する動詞表現 rememberさらにはcommemorateあたりまで、匂いが届いているか、今後の精進に期待します。
『前置詞のハンドブック』の参照箇所もしつこく。
come to mindのto。on fireのon。break outのout。take overのover。良い出会いを重ねて下さい。
imageとimageryの整理で、jewelとjewelryまではやっていたんだけれど、sceneとsceneryやmachineとmachineryなどをいつ押さえておくか。本業の岐阜国体で長期離脱の前にシャトルラン大会かね。

本業はオフの日だが、少々遅めの帰宅。
夕飯は私のリクエストで麻婆豆腐。玉川の生もとといただく。
寝る前に少し読書。

  • Ludwig Wittgenstein. 1983. Letters to C. K. Ogden, RKP/Blackwell

1973年に出たもののペーパーバック版。思想に触れると言うよりは、『書簡集』のようなものを少し重点的に読んでおこうと思って。床の上だけじゃなく、机の周りも片づく暇がないね、これでは。

本日のBGM: RGB (GOMES THE HITMAN)